青い鳥
原作 メーテルリンク 文 高田 敏子 絵 いわさきちひろ 世界文化社 世界の名作@
理念の勉強をしていると、ふと「青い鳥」という言葉が浮かんだ。
身近に幸せがいることを教えてくれる童話として知っていたが
アマゾンで調べると、この本がよさそうだということで
図書館で借りて読んだ。
図書館の方もこんなきれいな本があったなんてと驚いておられた。
イラストもすばらしい。
解説(滑川道夫)で書かれているように
「青い鳥」は、本当の「幸福」を象徴している。
本当の「幸福」は、肉眼では見えないので、開かれた心の知恵でとらえるしかない。
その通りだと思う。
「幸福」は、富、名誉、権力などの肉眼で見えるはなやかな生活の中にはなかったのです。
真の幸福を見る心の目が開けてみると、「青い鳥」は自分たちの身近な生活の中に発見されるのです。
きこりの貧しい生活の母の愛が「青い鳥」に結びつき、つつましい、すなおな心の生活のなかにこそ
真の幸福があるのだという作者の人生哲学が表現されています。
絵本の中からそのエッセンスの部分を抜き出してみましょう
しあわせとよろこびたち
では まず はじめに、このわたくしは けんこうな しあわせともうします。
わたしの となりは よい 空気の しあわせ。その つぎは りょう親を あいする しあわせ。
つぎの 青い ふくは 青空の しあわせ。
みどりの ふくを きているのは 森の しあわせ。
日なたの しあわせも います。
日ぐれの しあわせも います。
むらさきの マントを きて いる 冬の 火の しあわせは さむい 日に 手を あたためて くれるのですよ。
きらきら 光る ふくを きて いるのは 星の出を 見る しあわせ。
その となりの しんじゅ色の ふくは 雨の しあわせ。むじゃきな 考えの しあわせも います。
とても だだっ子の しあわせも います。まだまだ いっぱいで とても 数えきれません。
だけど ここに いるのは みんな チルチルと ミチルの 家にいる しあわせたちなのですよ。
みんな あなたたちの 友だちなのです。
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(子供の読書反応と発展)
「…今の私の幸福がよくわかりました」と、いった現状満足にとどまらせるのは考えものです。
「幸福」は、心の持ち方にだけあるのだといった修養論的なところにとどまるのもどうかと思います。
…
時分だけの「幸福」ではなく、みんなの幸福のための「青い鳥」を探すことや、
みんなの幸福の中にこそ、自分の幸福があるのだといった考え方にも発展していく
可能性があると思います。
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この本の最後では
チルチルと ミチルは、その 鳥を おとなりの びょう気の 少女に あげました。
となっていました。
童話ではえさをやろうとしたら逃げてしまいました。
とあったのとは違いました。
どちらかというと、病気の少女にあげたほうがいいですよね。