「コーポレートブランド経営」
伊藤 邦雄 日経新聞社
アクションラーニングの提言書で引用している箇所は36ページにあった。(全325P)
ビジョンや理念が共有されることで、社員は単なる経済組織の契約上の従業員から、
目的意識にあふれ、一体感を醸成した従業員へと生まれかわる。
逆に、ビジョンや経営理念が希薄だと、会社に対する従業員のロイヤリティや当該者意識が下がり、
企業全体の一体感は失われてしまう。
失われた10年
日本企業が犯した7つの大罪
1 トップマネジメントが考え抜くことをやめた
2 ミドルがミドルの意識に埋没した
3 企業価値に関する意識が希薄だった
4 親会社に経営資源を傾斜配分しすぎた
5 経営理念に対するこだわりをなくした
6 ビジネスモデルの革新を怠った
7 アカウンタビリティーを果たさなかった
◎ 株式市場は将来キャッシュフローを見込めるビジネスモデルに高い評価を与えている。
ビジネスモデルを革新していない企業に厳しく、革新的なビジネスモデルを確立している企業に高い評価を与える。
(アマゾンは赤字続きでもビジネスモデルが革新的と評価されて時価総額は高い。)
この言葉は新鮮でした。
電力会社の株価が上がらないのもわかる気がします。
我々が革新的ビジネスモデルを編み出さねばなりません。
◎ 企業価値とは「資本コストを上回るキャッシュフローを生み出して初めて企業価値が生まれる」という
発想であり、評価尺度である。したがって、キャッシュフローが資本コストを下回っている限り、
企業は価値を破壊していることになる。
(⇒ 厳しいが正論である)
実践コーポレートブランド経営ほど全ページが興味深い記述はありません。
やはり実際CB経営をやっている会社の言葉の方が響きます。
ビジョナリーカンパニーや知識創造企業と同じようなところが多かったとの印象。
ただ、経営学の教科書としては非常に主張がよくまとまっていると思う。
「スマイルカーブ」
初めて知りました。
この言葉。
「スマイルカーブ現象」。
この言葉は、現在の産業界で起きている現象を象徴するものである。
これは、バリューチェン、すなわち、原材料の調達から、部品製造、製品製造、販
売、
販売後のサービスまで、最終顧客に価値を提供する一連の流れの中で、
その中の中央に位置する製品製造部門や販売部門よりも、両側にある
部品製造部門やサービス部門の方が収益性が高いという現象である。
もちろん収益性の高い部分が付加価値も高い。
「スマイルカーブ」と呼ばれるのは、その曲線が笑った時の口のようなカーブを描く
ためである。
もとは、台湾のコンピュータメーカであるエイサーの創業者、
スタン・シー会長が、
社内にパソコン産業の環境認識を伝え、浸透させるために使い始めた概念である。
うーーーむ。
これは四電の価値創造を考える時にどこにウェートを置けばいいかのヒントになる。
同じ電気を売っているのにどこで差別化を図るかというと
「料金」と「サービス(供給信頼性を含む)」であろう。
サービスはまさに営業提案活動になる。
これは営業部門だけで決して提案できることではなく
発電、輸送、そして関係会社、そうグループ全体で行う活動である。
全員が営業マン、(大西前社長)
お客さまに感動を(常磐社長)
のメッセージはまさにここを謳っているのでしょう。
四電グループとしてお客さまに価値を提供できるのは
このエネルギーのトータルソョリューションと
お客さまの満足・信頼を勝ち取るその「確実な実践」であろう。
そして数少ない成功例を基に
こういった活動を永続的に拡大するためには
「何が必要か!」
という気づきが欲しい。
これが四国電力の強みになり、社会に認知された時
「しあわせのちからになりたい」が社内外に広まり、株価が上がるだろう。
四電グループの新しいビジネスモデルの創造だ。
みんなで考えよう。
部分最適ではなく全体最適。
グループとして最大の価値を産むのは、このグループ一体となった
顧客へのサービスの提供しかない。
これをこの本を読んで理解し、整理ができた。
○ 市場シェアではなく利益シェアを目標に
株主価値を高める、すなわち株式時価総額の増大を目指す企業は、市場シェアではなく利益シェアを
経営目標とすべき。
売り上げの低い会社の方が時価総額が高い(例:ホンダが日産より上)