「三匹のおっさん」

   有川 浩   文芸春秋





続編を読んだらとても面白く、さわやかだったのでその1を読むことにした。
例によって家内が図書館から借りてきてくれた。

その2よりもずっとよかった。
その2で予告編的に見ていたせいもあり、よりよくわかったといったところか。

やはり3匹のおっさんよりも、主人公は有機と早苗ちゃんの清らかなラブでしょう
ね。
この2人がとてもいいのである。

その2の読後記でも書いていたが、その印象をさらに強くした。
このあたりの若者の素敵な恋愛をとてもきれいに表現できるのが有川さんである。
四国の人間としてとても嬉しい。

>おっさん3人もいいが、むしろ孫や子どもたちの方が活躍している。
>特に受験生の祐希と早苗ちゃんが中心で流れている感すらするが
>それがまずいというわけでなく楽しい。
>出来のいい高校生である。

あとがきでこれが文芸春秋で連載されていたことを知った。
イラストも有川さんからの強い要望で須藤真澄さんになったことも知った。


第一話 清一の定年退職&再就職

ここで、まったくその通りという清一じいさんに対する指摘を祐希君から受けてし
まった。
引用する。

着こなしだ着こなし。
いいか、ボタンびっちり留めてズボンの中に裾入れて着るもんじゃねいぞ。
中にTシャツ来て上着代わりに羽織るんだ。
ボタンは留めない、これ基本。
ボタン留めるとしても上2つか3つくらいまで外して、裾はズボンから出す。
Tシャツもパンツ−ズボンの中に入れるなよ。
ズボンはベージュ系の綿パンかジーンズでいい。
靴はジーサン、スニーカ何足か持っていたろ。
あれでいい。
間違ってもビジネスシューズとか履くなよ。

「ちょ、ちょっと待て。Tシャツをズボンに入れなかったらスースするじゃない
か」

中にランニングでも着ろ!
こないだチビのおっさんが「ジジイと呼ぶな、おっさんと呼べ」って啖呵切ってた
けど、
私服がジジイだからジジイって呼ばれてもしゃあねえよアンタら

アンタらそろってポロシャツでもTシャツでもカッターでも何でもかんでもズボン
の中に
突っ込むだろ。(→はい、耳が痛い)
そんでスーツ用のベルトでぎゅーっと締め上げてネズミ色のスラックスだろ。
あれだけでもう年齢十歳増しだから!
ジーサンなんか姿勢きれいなんだから私服は思い切ってカジュアルでいいんだよ。
還暦過ぎても世間からおっさん呼ばわりされたいなら服装で努力しろ!
ジジイと呼ぶなって粋がったって、結局アンタら服買う段階で負けてんだ。
年も年だし地味にまとめて洋服ダンスがネズミ色のグラデーションなんだろ、どう
せ。

このあと祐希君が服装のコーチをして劇的に清一が若返るのである。

再就職場所が祐希君のアルバイト先と同じになり、そこで祐希とその店長を清一が
助けることに
なったお礼である。


第二話 ちかん退治

則夫の娘、早苗が被害にあいそうになり、それを祐希が見つけて、3匹のおっさん
が退治し
事なきを得た。
祐希と早苗の接点がここでできたのであった。


第三話 婚詐欺にはまりそうになった登美子
重雄の妻、登美子が結婚詐欺にはまりそうになったが、なんとか寸前で解決。


第四話 中学校、カモのひな虐待問題

第五話 早苗の同級生「潤子」の問題

第六話 催眠商法業者退治
貴子が70万の空気清浄機を騙されて買った問題を端に、
お年寄りの心の隙間に入ってくる手法の催眠業者の偵察から対策を打つ


特設HPがあることを知りました。引用しておきます。
http://bunshun.jp/pick-up/3ossan/