「小説8050」
林 真理子/著 新潮社
【内容紹介】
完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。
彼の長男・翔太は7年間も自宅に引きこもっていた。
娘が相手家族に結婚を反対されたことから正樹は息子と向き合う決意をするが…。
『週刊新潮』連載を加筆・改稿。
8050が話題となっている。
我々世代は親の介護か子供のパラサイトこの問題はどこの家庭にでも起こりうる不幸である。
夫婦、姉、弟という構成は我が家と同じで小説に出てくる光景をつい重ねてしまう。
家事調停の女性調停員(医者の奥さん)も最近読んだと言っていたが、主人公(父親)は歯医者。
みんななにがしか、自分の家庭、夫婦の関係をこの物語でどこかうちもそうだと感じる部分があると感じているような気がする。
林真理子はひとつ下のほぼ同年代。
このたび不祥事の日大の理事長になった。
同じ時代価値観を有する作家だと思う。
有名私立中学での陰湿ないじめで不登校。
その7年前の出来事を裁判で立証していくという展開。
なんだか現実味がない。
ありうると思ったのはいじめていたグループの一員の寺本が、息子が登校拒否になったら、ターゲットになってしまい
彼も学校へ行かなくなったということ。
彼は家を出て新宿でバーテンダーに。
ひきこもるか出ていくか。彼も裁判で重要な役割を果たしてくれることに。
また2人目の弁護士高井、当時女子高生徒でその後アメリカ留学して人間の尊厳を学んだという梨里花
この2人は出来すぎの感が大ありであったが、気持ちはよかった。
最後の急展開には驚かされた。
夫婦は結局離婚。
息子は車椅子。
まさか結婚した姉が政治家になろうとするとは。
ネットでは特設サイトができていた。
こちらである。
https://www.shinchosha.co.jp/special/8050/