「あい」 永遠にあり
高田 郁(かおる) 角川春樹事務所
実在の人物 「関 寛斎」「あい」夫婦の物語。
この本も家内が図書館で新刊を借りてきて良かったのでお父さんも読んだらと渡してくれた本であった。
高田郁は初めて読む。最後までてっきり男性の作者だと思っていた。
女性だったと後で知った。
すごく「こころ」にひびく物語であった。
物語は「あい」の視点で話が進められる。
親戚の寛斎との出会いの場面が冒頭に出てくる。
山桃の木に泣きながら抱きつきながら手で叩いている幼少の寛斎
霧の中での夢のようなワンシーン。
そして息を引き取る最後のシーンで自らがその山桃の木になる
感覚。最初と最後が見事につながる見事なあいの最後であった。
お前はひとりの男を愛しぬいた
その男を支え、寄り添い、ともに夢を抱いて、生き抜いた。
それ以上に尊いことはない
人たるものの本分は、眼前にあらずして、永遠に在り
この本に貫かれたのはこのことでなかったか。
そして、いつも前向きの姿勢と言葉で家族と自分を支え続けたあい
こころがきれいになるいい本だった。
そのなかでも一番苦しい時代に支援してくれた濱口梧陵が素晴らしい
パトロンとして登場していたのがさわやかであった。
第1章 逢 東金 運命の出逢い
第2章 藍 銚子 濱口梧陵が助けてくれる
第3章 哀 徳島
第4章 愛 北海道
著者の言葉を引用しておく
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2383
関 寛斎は実在の人物
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E5%AF%9B%E6%96%8E
http://www.saiki.tv/~miro45/sekikansai.index.html