「アクティブメジャーズ」

 今野 敏  文藝春秋



今野敏なら警察官僚もの。と思って読み始めたが、公安で諜報機関の関係であった。

そもそもタイトルがなんじゃいということであったが、その説明がやっとこさ最後の方にあった。

対象組織の中に協力者を獲得する目的は、情報収集と積極工作だ。
そして、積極工作、つまりアクティブメジャーズこそが、スパイの腕の見せ所なのだ。
団体の中の協力者をうまく誘導して、その団体が自陣営の都合のように振る舞うようにもっていく。
その場合、マスコミの利用価値は大きい。



日本国民がロシアに反感を持つような記事を握り潰し、好感を抱くような記事を増やしていく。
それだけでも、アクティブメジャーズの価値はある。


主人公の倉島は警察庁警備局企画課
「ゼロ」の研修を終えて戻ってきたその日にミッションが与えられる。

メモは取らない、すべて暗記する。
相棒の右京さんを思い浮かべてしまう。(笑)

一気に読めるのが今野作品のリズムならではである。
後味もいい。

好きな作家の一人になった。


もうひとつの専門用語も憶えた。
諜報活動のヒューミントとシギントである。

ヒューミント; ヒューマン・インテリジェンスの略 人間による情報収集

シギント;シグナル・インテリジェンス 電子的な信号を解読して情報を得ること


中身は読書メータにお任せしましょう。

http://book.akahoshitakuya.com/b/4163823700