「明日は味方 − ぼくの愉快な自転車操業人生論」
山本一力 集英社
2013年6月30日発刊の新刊。
あかね空で初めて山本氏を知り、その後高知での講演会も聞かせていただいた。
53歳で直木賞受賞、それまでの流転の人生について
あ、す、は、み、か、た、。 の節に切って書かれている。
自転車と縁が深いことがよくわかった。
子供の.とき(高知)で父親が威勢がいいときには当時まだ珍しかった補助輪付自転車に
乗れるようになったら、父親破産で持っていかれてしまった
その後、中学で東京に出て、住み込みで読売新聞の配達員を代々木で。
そのときにアメリカ人住宅が配達エリアでアメリカ人の子供と友達になり英語を学べた
配達は自転車で
そして近畿日本ツーリストの添乗員 英語がしゃべれるので重宝され
サイドビジネスで金回りよし でも貯まらず
広告代理店の仕事に変わったとき、ロードサイクル特集記事企画を任されて
モデルを探していて奥様を見初めたこと
だから家族で自転車好き。
直木賞受賞の日も自転車で行ったそうだ。
リーダーシップでとてもいい記述があった。
そこを抜きだして締めにしたい。
◎ ロードレースが教えてくれるチームの力
ぼくがロードレーサーに凝っていた頃の話ですが、周りの仲間たちもみんな誇りを持っていた。
6人で一緒に走るとなると、必ず先頭を交代する。トップの人間はすごい風圧を受けるから、
交代mしないと進んで行けない。自分が他の5人の風除けになっているとの使命感を持って
頑張るんです。ほかの5人も、トップの人間の辛さを理解しているから、「よし次は俺だ」って
先頭を代わってあげる。みんながそのことをわかっているから、安心して先頭を走れる。
ものごとが進むということは、そういうことでしょう。
チーム6人で先頭を交代すれば、お互いが6分の一ずつを負担すればいい。いずれ自分も
トップをひかなきゃいkないけれど、それまでは後ろで体力を温存していればいい。そうやって
スムーズに前へ前へと進んでいけるんです。
ところがトップの人間が考え違いをして、オレがオレがみたいになったら、チームはもたない。
後ろについている人間のことを考えず、自分がトップを走りたいという自分のことだけしか頭に
ないから、チームとしては前へ進まなくなる。大体そういう人間というのは、能力も足りていません。
トップを張れるだけのない人間がトップを譲らず走ろうとしたら、チームはバラバラになります。
本人はそのことに気が付かないくらいに、自分が主語の人間ですね。絶対に譲ろうとしない。