「小さな人生論」
藤尾秀昭 致知出版社
内容は致知メルマガで読んでいたものがほとんどであった。
簡潔にまとまっており読みやすい。
印象に残ったフレーズは、次世代につないでいくということ。
その思い、使命感を感じているので納得する言葉であった。
藤尾さんがここ1,2年間で一番感銘を受けたと冒頭に引用している道元と弟子の
やりとり
弟子 人間はなぜ成功する人としない人がいるのですか
道元 成功する人は努力するからだ。
弟子 努力する人としない人がいるのはなぜですか
道元 努力する人は志があるからだ
弟子 なぜ志のある人とない人が生じるのですか
道元 志のある人は、人間は必ず死ぬことを知っているからだ。
志のない人は人間が必ず死ぬということを本当の意味で知らない。
その差だ。
ここでは、すーっと入ってきてその通りだと思ったのだが、ここの詳細が書かれて
いるところは
ちょっと違った。
第6章 人生の大則 に載っている。
◎ 切に生きる
人生は限られているから切に生きよという教えだったということだった。
「はかない人生を送ってはならない。切に生きよ」
道元が死の床で私たちの残した最後のメッセージをかみしめたいものである。
私の解釈は違う。死を知っている。つまり限界を知っているからこそ
志を次の世代に引き継ごうとするのである。
自分でなく世界のための志をたてそれを次の世代に引き継いでいく。
死を意識するからこそ、この志が大事なのである。
そういう解釈なのである。
それを書いてくれているところも随所にあった。
・人は陶冶次第である。心ある人は後世に向け、人間学の学びの重要性を発信して
いかねばならない。
この国の健やかならんためにも。
・人は教えに学び、そして教えを伝承していかねばならない
坂村真民さんも致知とは縁が深い。
愛媛の砥部町に記念館ができて今年(2012年9月)立ち寄ってきた。
坂村さんの詩の引用がある。
かなしみは みんな書いてはならない
かなしみは みんな話してはならない
かなしみは わたしたちを強くする根
かなしみは わたしたちを支えてくれる幹
かなしみは わたしたちを美しくする花
かなしみは いつも枯らしてははならない
かなしみは いつも堪えていなくてはならない
かなしみは いつも噛みしめていなくてはならない