「経営者はこうして失敗する 意思決定 5つの誘惑」
パトリック・レンシオーニ 山村 宜子 ダイヤモンド社
「経営者はこうして失敗する 意思決定 5つの誘惑」
パトリック・レンシオーニ 山村 宜子 ダイヤモンド社
通勤の合間であっという間に読み上げた本がなかなか面白かった。
まさに追い越し車線を走ってきたMBA卒のCEOが登場します。
アンドリューはCEOに昇進して1年。
業績不振の説明を翌日の取締役会に控えて悩んでいる夜に橋を渡れず地下鉄に乗るハメに。
そこで清掃係のチャーリーと出会い悩みを聞いてもらうことに。
5つの誘惑とは
1 地位が一番大切だ
2 部下に嫌われたくない
3 判断ミスは許されない
4 対立は避けたい
5 弱みを見せてはいけない
筆者も言ってますが私も2番が一番の弱点です。
成功モデルとしては一見逆のように見えるが、お互いに作用しあうことが多いので
以下のように表記している。
○ 弱みをみせないことより信頼を選ぶ
↓
○ 調和より対立を選ぶ
↓
○ 正確さよりも明確さを選ぶ
↓
○ 人気より責任を問うことを選ぶ
↓
○ 地位より実績を選ぶ
信頼されていれば、経営者は生産的な対立を認める自信がつく。
対立は経営者に明確さを作り出す自信を与える。
明確さは経営者に部下の責任を問う自信をつける。
責任を問えば、経営者は自信をもって実績を予測できる。
そして実績はCEOの長期的成功を図る最終的なものさしとなるのである。
1 地位が一番大切だ
あなたのキャリアの中で一番嬉しかった日は?
と聞かれて、社長になった日と言っているようでは失格だ。
その職位でどんな成果を挙げたかである。
私が職場巡回でみんなに尋ねていることはまさにそういうことを聞いているのである。
職位に着くことが目的化している。いわゆる手段の目的化が起こっている。
2 部下に嫌われたくない
アンドリューは部下の広報部長のテリーに嫌われたくないため厳しいことを言えなかった。
あげくの果てには解雇するはめに。
具体的にテリーに何について責任を問えばいいのかわからなかった。
部下好かれたいと思うあまり、部下の責任を問えないこと。
3 判断ミスは許されない
CEOの言葉で一番強力なものは「自分が間違っていた」という言葉。
もし間違えても堂々とそう言えるのでなければ、限られた情報をもとに難しい決断をすることはできない。
⇒ これがトップの大きな仕事であるのだなあと納得した。
完璧な情報無しで決断するのはフェアだとは思えないので、ものごとをあいまいにしたまま、
明確でタイムリーな決定をしないままでいる。それは間違いを犯したくないから。
だからじっとしているうちに…。
4 対立は避けたい
調和を得たいという誘惑のせいで対立を起こすことや反対されそうな場面で自分の考えを出すことを恐れる。
5 弱みを見せてはいけない
自分の下で働いてくれる人々を自慢できるか?自分ではなく部下のことを。
すべては信頼だ。
だますならだませと、自分の心のうちを開けて見せることだ。
対立を好まないのは人を信用しないからであり、人を信用しないのは弱みを見せるのを怖がっているからだ。
⇒ 自分にはこの点は心配ない。
だます人間よりもだまされる人間でいたい。それが私のモットーである。
この部分は特に感激もなかった。
全体的に自分にはほとんど既知のことであったが、最近の風潮としてアンドリューのような若手が増えている
ような気がしている。2番と3番がちょっとヒントになった。