「夫婦脳」
黒川 伊保子 新潮文庫
念願の黒川さんとの懇談ができた。
2010年12月22日のことである。
>ちょうど22日(水)、弊社は早々と仕事納めで、午後は大掃除、
>三三五五、外部研究員たちが集まってきて、
>16時すぎごろから、なし崩しに呑んでおしゃべり、という日。
>ぜひ、お寄りくださいませ!
ところで男と女の脳科学の文庫本が出たことを電気協会の連載の12月号の第33回で知りまして、
注文しようと思ってネットで調べたら品切れでした。
http://www.shinchosha.co.jp/book/127952
http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/4101279527/ref=dp_olp_0?ie=UTF8&redirect=true&condition=all
新品はなくて中古本が倍の値段がついてました。
黒川ファンの多いことに今さらながらに思い知らされます。
購入してサインしてもらおうと思っていたので。
感性リサーチさんには「新品の」在庫がありますでしょうか?
>もとより、22日のおみやげに、「夫婦脳」を差し上げるつもりでした。
> どうか、手ぶらでいらしてください(~-~)
ということで、素敵なサインの入った本をいただけました。
黒川さんの男と女の脳科学は、社内外でいろいろな方に紹介してきました。
STNetでも以下のように紹介してきましたが、ちょうど30回まで終えていますが、(現在33回)
その30回までのものが、「夫婦の法則」ということで、少し加筆されて掲載されています。
第1回 女性脳からのラブレター
衝撃を受けた第1回でした。
「目からうろこ」のようでした。
私自身はまったく男性脳そのもので反省いたしました。
思い当たるところしきりでした。
社外の友人にも送っており反響多数ですが、Yさんからは、第1回のものに対して以下の返信をいただきました。
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私は、「黒川伊保子さん」を知りませんでした。今回、初めて、教えて頂きました。
「感性分析」と言う言葉に惹かれます。
「女性脳からのラブレター」は、読みやすい平易な言葉で書かれており、それぞれのシーンがイメージできました。
志賀松さんと一緒に行った店ではないのですが、松本の私の好きなBarで一人で飲んでいた時に、隣に座った男女の会話が、
まさしく、「男性脳と女性脳の違い」を象徴していました。
女「・・・が上手く行かなくて悩んでるのよ」
男「その原因は、・・・だと思う。さらに真因は、・・・に違いない。故に、貴方は、・・・すれば、その悩みは解決できる」
女「私は、黙って私の気持ちを聴いて欲しかったのであって、貴方に、問題解決コンサルティングを期待したのではないのよ」
男「???」
女「馬鹿にしないでよ。もう帰るわ」
このシーンを思い出してしまいました。
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第2回 夫婦は旅先で喧嘩するという法則
男と女の脳の機能的な違いを明らかにしてくれています。
第3回 恋は人生の試練である
2008年5月、電事連関係でお世話になった北海道電力の総研の若い方にもお知らせしていました。
その方のお返事もご紹介しましょう。
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電気協会報のエッセーは笑ってしまいました。
当所にも来てますので、次号以降もコピーして家に持ってかえり、
家族円満の秘訣として活用したいと思います。
本当にありがとうございました。
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それでは、第3回です。
生殖の相性と生活の相性はまったく逆なんだそうです。
はあ?…
「あばたもえくぼの恋の期間は3年間」とのこと
ご覧あれ。
第4回 男の隠れ家はなぜ必要か
今日は女性の反応のご紹介です。
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送っていただいた黒川さんの資料は本当にいいところを突いていますね、びっくりしました。
「まさしく、ここよ!ここ」と言いたい気分でした。
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それでは第4回です。
男の隠れ家。
「まったりとした時間」を欲しがる男性脳
女性脳は2万語を1日に話さないとストレスがたまるという。
最初はうーん、そうかなあと読んでましたが、最後には説得されてしまいました。
第5回 7年目の浮気 ⇒ 夫婦の法則 に改名
ドキッとするタイトルである。
7年、14年、28年目に夫婦の危機がやってくるのだそうだ。
7年目はドキドキが「しみじみ」に変わる年なのだと。
7年目にほかの異性にドキドキを感じ始めているかたは気をつけてくださいと。
ドキッ!とされている方はいませんか…。
第6回 ピンチをチャンスに変える法
「なじる人は傷ついている」
なじられた時に言い返したり、言い訳をするよりも、まずは気遣いの言葉から
今回のお話は男性脳、女性脳の違いはないように感じました。
第7回 見えないタスク
察しの天才の女性脳に対して男性脳は鈍感なのだそうです。
それで女性にイライラさせたり悲しませたりしてしまう。
この仕組みを理解すれば、夫婦関係もよくなることでしょう。
この文章を読んだおかげか、最近は言われなくても後片付けや食器洗いはやっています。
ちゃんと洗えていない、二度手間だとは時々言われてしまいますが…。
第8回 妻を新妻に変える法
女性が継続して続けてくれていることに心からの感謝の言葉を
そうすれば昔のことをあれこれと言われることはなくなる。
なんであんな昔のことを何度も蒸し返してくるのかという思いを持っていましたが
この文章を読んでそのわけが理解できました。
第9回 夫婦は一心同体
男と女はものの見方が違う。
男は空間全体、女はものの表面をなめるように見るのだそうです。
そして黒川さんは仕事の与え方に展開しています。
言われてみればそうかなとも。
ここはかなりストレートに書き直されていて、よくわかりました。その部分を書き出してみます。
(P59〜P60)
発情し合う男女は、免疫抗体の型が遠く葉なれて一致しない。男女は体臭の一部で免疫抗体の型を
知らせあっており、その型が一致しない方が、互いの好感度が高い。
免疫抗体の型、すなわち外界に対しての反応がことごとく違う男女が、まったく違うものの見方で一緒に暮らす。
夫婦の脳は一対で精緻なメカのようなものであり、けっして離れてはいけない。恋とか愛とかを超えた、共に
生きる意義がそこにはある。
結婚式の挨拶などで使われる「夫婦は一心同体」という言葉の本当の意味は、ここにあるのだと思う。
感性がことごとく違う二人が、チームとして完全体の組織を作り上げる。心をひとつにするのは、
健やかな暮らし=よりよい生存という生物としての使命を果たす思いにおいてであり、
「同じことを感じ、考える」ということではない。!!
したがって、「夫婦は一心同体」という言葉を履き違えると、夫婦はかなりしんどいことになる。
新婚カップルにこの言葉を贈るときは、どうか正確に伝えてほしい。
第10回 女がキレるとき
第6回の内容とも酷似しています。
「なじる人は傷ついている」
なじられた時に言い返したり、言い訳をするよりも、まずは「気遣いの言葉」から でした。
ただ今回はちょっと深く入ってきました。
ささいな出来事で女性が男性に対するキレる言葉の裏には「絶望の種」があるのだ。
だからその傷を癒すような言葉;あなたが私には大切なのだというメッセージ
をかけなければならない ときた。
なかなかこういう言葉はすらっと出ないのですよねえ。
第11回 女のおしゃべりは人類を救う
女性の対話の最終目的は「共感」しあうこと。
だから、共感を示す対応ができなければ欲求不満となる。
なるほどね。
1日2万語を話す女性脳に対して、適当な相槌ではダメか。
少しオーバーでも、共感をし、それを返さないといけないのか。
ま、確かにこれも夫婦円満につながるポイントでしょうね。
第12回 夫を立てることの効用
これまではどちらかと言うと女性脳主体でしたが、今回の主役は男性脳。
男性脳は序列を大事に扱う という説明は納得感がありました。
兄弟においても序列を大事にする配慮が大事と説いています。
今回は女性に是非読んでもらいたい内容ですね。
第13回 静かな覚悟
今日のはちょっとニュアンスが違いますね。
職業婦人としての覚悟、家庭の主婦としての覚悟 を書いています。
私には「プロ意識」という言葉と同じような意味に感じました。
工藤公康さんが、最近の著書「現役力」(PHP新書)の中でも書いています。
「プロの自覚を持て」と。
第14回 最後の責務
男性脳は女性脳に比べて快楽欲求が低い。 エッツ?
読んでみてなるほどなあとつくづくと思いました。
第15回 母という生き物
ネタ切れなのか、最初のころの面白さがなくなり、何かしら「重い」感じがしだしました。
男と女から「母」へテーマが移ってきており、おまけとして少しだけ「男」が出てくる感じで
男性陣には「ふーん、そうなの」程度の印象で、インパクトがなくなりました。
脳よりも感情になってきています。
今回の黒川さんのお話の中には、バレーボールの監督の話が出てきますが、その監督は88クイーンズの米田監督でしょう。
昨年、総研セミナーの講演で同じ話を聞きました。
終了後の懇親会にも加えていただき3時間ほど懇談したのがよい思い出です。
広島出身の一家なのに高松に移り住んだ米田監督。
(奥様はそうでしょうが、ニューヨークにいたお嬢様も帰国して高松で一緒に暮らしているそうです)
その四国88クイーンの上村さんが当社に入ってきたのも縁を感じてしまいます。
四国88クイーンホームページ http://www.eighty8.jp/top.html
上村麻衣さんのブログ http://leo.cocolog-pikara.com/blog/
第16回 男が大人になる時
男性脳は先の見えない事態へのストレス耐性が弱いのだそうである。
だから詰問しているつもりはないのに「何処へ行くんだ?」とか「何時に帰る?」とか聞いてしまい
女性に嫌がられてしまうと。
このため、手帳に予定を埋めて夫婦でミーティングすればいいと説く。
そういえば家のカレンダーにしっかり予定を書き込むのは私の方で、家内はもっぱら口頭。
だから家にいなくて不安(というか心配)になると感じることもよくあります。
社内ミーティングばりに家族ミーティングを週1回されてはいかがですか?
第17回 夫婦の手帳
内容的に前に調子にまた調子が戻ったようです。
私としては息子さんの話しをされるのはあんまり好きではありませんでした。
再び男性と女性の脳の違いを明らかにしてくれています。
右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)が男性は女性よりも20%細いのだそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%A2%81
黒川さんの新刊の「ナチュラル女子脳がやってきた」を思わず買ってしまって読んでいますが
男性は「デジタル脳」、女性は「アナログ脳」というような対比でも表現されています。
ディジタルは数字、評価
アナログはわかってくれると嬉しい そんな感じで書かれていました。
その内容がこのNo.18でも出ています。
ただ、デジタル、アナログということは出てきていません。
女は、褒めてもらいたいわけじゃない。
わかってほしいの である。
第18回 なぜ女性は昇進を拒むのか
女性脳は客観評価の指標は重視しない。男性脳は報償や昇進などのよう客観的な指標で評価してもらいたがるが。
女性脳は、「君はあのとき、潔く頭を下げたなあ。プロになったね」 のように、自分が苦しんで乗り越えた瞬間をちゃんと見守ってくれていて、
しかも言葉で評価してくれる上司の存在が大きくモチベーションを左右する。
第19回 結婚28年目の法則
ついに待ち望んでいた結婚28年目の法則です。
最後のところに、旅行は女同士が一番 と言っていた妻たちが
やっぱり夫婦旅行が一番楽 と言い出すのもこの頃だ
とあったので先日での宮島での家内の言葉と同じだ。
我が家も一緒だわ と喜んでいたのですが
それって35年目あたりのことだそうです。
28年目というのは一番の危機、7年×4の法則で人は一番正反対の感性へと向かうからだそうです。
我が家ではその危機は乗り切ったのかな?
皆さん方はまだまだ先の話しですね。
☆ここも加筆があり、エーッツそんなことってあるのーと驚いたのがコレ
・夫が台所へ入ってきただけで、いらっとする の情景描写があります。 P113〜P114
リビングに入ってきて冷蔵庫を開けただけなのに、「あなたの部屋に小型冷蔵庫を置かない」と言って
何で?と聞かれて、「あなたがここに来なくて済むから」と冷たく言ってしまった黒川さん。
「別にリビングに来るくらい面倒じゃないよ」でセーフ
その後、息子さんが同じように冷蔵庫を空けて同じセリフ「喉が渇いたんだ」に対し、
「アイスティーでも入れようか?スイカも冷えているのよ」とまったく違う言葉が出る。
その場にまだ夫がいたので、「アイスティー入れるんでしょ?」
えええ、あなたのためにー 〜!? (と心で思って、丁寧に夫のために入れてあげたようです)
こんな感性になるなんてまったく男としてはわからないので大変驚きました。
第20回 家長の茶碗
自尊心がキーワードで、今後の黒川さんのテーマになるようです。
本日は、久しぶりに黒川さんの登場です。
夫婦の28年目の法則というのが前回でしたが、今回もその28年という数字にこだわっています。
ただ、最近は男と女の区別は出ておりません。
ま、読み物としては、楽しめますが、残念ながら最初の頃の衝撃は受けません。
第21回 ヒーローの時代
これまでは男性・女性の対比で見事に切り開いてきていたのに、ネタ切れなのか
単なるエッセーになってしまっている感を受けてしまいました。
ということで、ここは大幅に加筆がなされています。
56年説の登場です。
冒頭部分だけ書き出してみる。P122
ヒトの脳には、感性の7年周期があり、その4倍の28年間で、正反対の感性に向かう。
この28年という単位で世の中を見ると、大衆感性のトレンドが見えてきて、とても面白い。
このことは、前にも書かせていただいた。ここでは、この話を、もう少し掘り下げようと思う。
大衆には、ある感性に興味を持つ28年と、その逆の感性に興味を持つ28年を、交互に
繰り返す癖がある。
最後の部分は
さぁ、56年に一度の伝説になるチャンスがやってきた。
時代の「べたつき」をいち早く脱ぎ捨てて、凛々しいヒーローになってください。
(長嶋茂雄、石原裕次郎の登場)
「愛され服」だの男女脳だのと言っている場合じゃないような気がする(私が言うのもなんだけど)。
第22回 脳の人生学
黒川さんの講演の前段にあった「脳の人生学」のおさらいとして
バックナンバーをご紹介します。
掲示板を見直してみたら、このNo.22を掲載しておりませんでした。
自分自身この内容は読んだはずなのに、すっかり忘れていました。
懇親会で電力の水力部長に連想記憶力のことを言ったら、それは読んで知っていたと
聞いて、アリャ?自分は読んでいるハズなのになあ?といぶかしく思っていました。
帰ってきて調べてみると2月号の連載にちゃんと載っていました。
ショック!
私の連想記憶力でいくと10のうちの2に入っていなかったことになります。
この記事で読むよりもお話で聞いたほうがインパクトがありました。
黒川さんは話がうまいのでしょうね。
講演会の話しを聞いて、しっかり10のうちの2になりました。
第23回 女の道
黒川さんの連載は最近ネタ切れなのかイマイチ感で続いていましたが、今回はよかったと思います。
私も50歳になってずいぶんと考えが変わってきたと感じています。
それをしっかり書いてくれています。
第24回 女の一押し
女のイチ押し。
というよりもタイトルは「女の直感」とするほうがよろしいのではないかという内容です。
直観については茂木健一郎氏の脳シリーズでもよく出てきます。
第25回 「人生」の手に入れ方
50歳の年齢を感じさせる文章になっています。
そろそろネタ切れの感もありますね。
男と女 というよりも「人生」を語ることが多くなってきました。
第26回 真の夫婦の対話
対象が高齢にシフトしている感があります。
30代の妻の絶望 VS 80代の夫の絶望
このメカニズムを紹介して、アドバイスをしてくれております。
当社は30代が多いので、
前半の部分の30代の妻の絶望のところをよく読んで参考にしてくださればと。
第27回 熟年離婚の心得
熟年離婚の心得ということで、これまた高齢者バージョンです。
黒川さんとはメール交流ができており、脳に関して、もっと別のエリアですばらしいネタを
お持ちなので、それを披露してくださいと頼んでおります。
第28回 どっちがいいと思う
どっちがいいと思う?というのはよく聞きますね。
でも本当の助言を求めているのではないということが今回のお話しでよーくわかりました。
第29回 妻が恋に落ちたなら
ドキッとするタイトルです。
黒川さんが結婚式で牧師さんから言われた「早く親友になりなさい」という言葉。
その意味を脳科学的?に説明してくれています。
第30回 夫が恋に落ちたなら
前回は妻が恋に落ちたらでした。
その対になるものですね。
放っておきなさいと。
夫の妻への執着は、「責務の積み重ねの果てに生まれる愛着心」であって、
恋情とはまた別の強いきずなだからだ」と説いています。