「相撲よ! 」  

 白鳳 翔  角川書店
 



白鳳が会社に来た!
2010年12月のことである。

職場巡回を30分ほどあわただしく行い、社長との対談のため栗林公園へ向かった。

そのCMが2月に入って怒涛のごとく流れている。
八百長問題で相撲協会が揺れ動いている渦中である。

白鳳には悪いイメージはまったくない。
社長が頭がいい青年だと感想を語っていたが、この本を読んでよくわかった。

本自体は家内が図書館から借りてきてくれた(頼んでもいなかったのだが)のと、
社長も会う前に読んでいたのを知っていたので読んでみることにした。

本書は(書き下ろしではなく)「語り下ろし」との注釈が最後に書かれていた。
そりゃそうだろう、日本語が上手いとは言え、ここまで書いたというとたまげてしまう。


ポイントを列挙

・ 非常に裕福な家庭に生まれ、長男、姉が3人の5人兄弟の末っ子 1985年3月11日生まれ
・ 旭鷲山関が恩人 相撲部屋にスカウトされずに帰る寸前宮城野親方に頼み込んでくれた。(2000年12月)
・ 奥さんとは恋愛結婚 一目ぼれ 
  18歳のときに、徳島のタニマチのところへ行った際、19歳の学習院大学法学部だった奥さんが帰省中で出会った 2004年3月4日
・ モンゴル語は日本語と文章の構成がまったく同じなので単語さえ覚えれば話ができるようになった
・ 心、伎、体の横綱道を極めたい
・ 座禅が無の境地を教えてくれた
・ 筋トレは否定 昔からの四股、鉄砲、摺り足の徹底稽古が柔らかい筋肉を作る
  その合理的な説明をしっかりしていたので、賢いと思った
  柔らかいい筋肉という言葉が美しかった(競馬馬を見ても筋肉がやわらかく見える馬がいい というのが私の見方である)
・ 相撲は「神事」 この説明もしっかり。
  この部分の内容を読んだときに横綱の責務、覚悟を自覚していることを強く感じ、尊敬の念を持った。
  この内容はすばらしかった。

随所に人との縁を大事にし、素直に人の助言に耳を傾け、そして勉強熱心で自分のものにしてゆく姿勢がある。
似ていると言われる双葉山や貴乃花のビデオを見て研究している。

今回の八百長問題は本当に気の毒である。
早く白鳳の土俵の雄姿をまた見たいと思う。


白鳳の名前は大鵬と柏戸からもらっている。
柏鵬としたいところを「白」にしたとのこと。

最後に白鳳の家訓が載せられていた


一、 嘘をつかない
一、 何事も真実を見極める
一、 みんなに優しく
一、 誠意を持って人と接する
一、 土俵にあっては厳しくあれ、土俵を降りたらやさしくあれ

目指す横綱 木鶏のごとく泰然自若

「いかなる敵にも無心です。そばで他の鶏が鳴いても平然としていて、あたかも木で作った鶏のように動じません。
徳が充実しました。まさに天下無敵です」

勝ちにいかない双葉山のような「後の先」の立合い

以 上