阪急電車 

有川 浩  幻冬舎


家内が借りた本だったが、名前に惹かれて本を取ると、なんと西宮北口から宝塚の今津線なのである。

阪神競馬場へ行くときに使うので仁川駅は知っているが他は知らない。

間の駅は6つしかない。そんな駅の乗り降りで人と人とのドラマがある。
いやー、よくできていて面白かった。

場面と人がつながってゆき、往路できっかけや問題が明らかになるが、復路ではほぼハッピーエンドで
終わる。だからとってもさわやかですーっとするのである。

作者は地元の人かと思いきや、高知県の女性。
それで、酒に強い女性が出てきて、高知県の「桂月(けいげつ)」をおいしそうに飲むシーンなどは
高知女性でなければ書けないところだ。
桂月というのは知らなかった。


それぞれの駅での人物とキーワードを書き残しておこう。

行き  宝塚 ⇒ 西宮北口

【宝塚駅】

征志とユキ   図書館、中洲の中の「生」の字

【宝塚南口駅】

翔子      結婚式の参列に白いドレス (恋人を寝取られた新婦への復讐)


【逆瀬川駅】

時江おばあちゃんと孫娘(亜美)  「犬」 亡くなった主人が結婚式の申し込みの訪問時に飼い犬に尻を噛まれ犬恐怖症に


【小林駅】

時江おばあさんから勧められて翔子が下車。
やさいい駅の雰囲気に心が落ち着く  つばめの巣



【仁川駅】

ミサとカツヤ  不動産屋に家を探しに行くところ、翔子のドレスが元でケンカしてカツヤは阪神競馬場へ
時江おばあさんに「やめとけば」と言われる。


【甲東園駅】

女子校生グループ 「えっちゃん」と社会人の彼氏 頭は悪いがプラトニックを守る
ミサがその話しに耳をすます


【門戸厄神駅】

圭一と美帆   自衛隊ヘリコプター、同じ大学の地方から来た1年生



【西宮北駅】

圭一と美帆   白いビルの屋上に鳥居 (知らなかったなあ)


そして折り返し  西宮北口 ⇒ 宝塚


【西宮北駅】

ミサの隣に翔子が座ろうとしたときにオバタリアンがブランドバッグで席取り

翔子の一言「素敵なブランドが台無しね」

ミサがカツヤと別れることができた経緯。
ミサは隣に座ったイトー(康江)さんに「信じられへん、おばさんってサイテー」

【門戸厄神駅】

康江が胃が痛んでミサと下車。


【甲東園駅】

高校生悦子と社会人彼の美談。



【仁川駅】
圭一と美帆  ワラビ取り。恋人同士になった物語


【小林駅】

翔子は小林に引越す。
いじめに会う小学生の毅然とした態度に応援エール

ミサと友達になる。


【逆瀬川駅】
時江の犬はミニュチュアダックスフンド 名前はケン

犬を連れて乗っていることをオバタリアンに非難されて
阪急のルールを守っている(ゲージに入れて所定料金)

征志とユキ組が助太刀
臭いと言われてあんたらの香水のほうがもっと臭い (ユキ)
「発売機でモラルは売ってへんかなー」(征志)


【宝塚南口駅】
征志とユキのラブストーリー
ユキの酒好き
ここで「桂月」が登場


【宝塚駅】

征志とユキのラブストーリー 結婚前提の同棲生活に

生の意味
 ⇒ 私はユキちゃんと同じく生ビールを連想しました。ははは。


とってもいいノリで、シーンがきれいに浮かんできます。
これはドラマ化されるかもね。