「自由訳 般若心経」
「自由訳 老子」

 新井 満  朝日新聞社


「般若心経」

「千の風になって」は昨年の紅白でブレイクしましたが、
家内は一昨年の夏に、愛媛県西条高校の友人に、同級生が亡くなったときにこの絵
本を贈っていました。
歌手の秋川雅史さんも四国西条出身ということで本当に驚いていましたが、西条高
校の後輩では
ありませんでした。

作者は新井 満さん。
この人の本はいいものがあるというので、こんな本を借りてきて渡してくれまし
た。

東京支社のO副支社長から、以前に今、般若心経を読んでいます。
と聞いたことがありました。

ふーん、心穏やかに、仏教のお経かいな、
歳をとってくるとそんな心境になるのだろうなと思って聞いていたことを思い出し、
非常に興味を持って読み始めました。

絵本の感覚ですね。
すごく読みやすく、情景も絵をうまくつかって伝えてくれている。
あっという間に読める。

一人、一人には役割があり、それがひとつ欠けただけでも宇宙は成立しない。
死んでも生まれかわるのだ。

後半はどうしてこういう自由訳を出すことになったのかその経緯を書いてくれている。
91歳で亡くなったお母さんの危篤の報に接し、仕事ではなく母をとったその心境
そして手にしたお母さんが大事にしていた般若心経の本
大学1年で読んだときには何もわからなかったその本が
今、読めばガーンと入ってきた、その驚き。

がばいばあちゃん、新井満のお母さん
苦労の連続でも明るく生きることができたのはまさに般若心経の心が入っていたと思う。

この本は図書館で借りてきたのだが、購入して自分のそばに置いておくこととしました。


http://www.bk1.jp/product/2624568?partnerid=p-hiroc00376

新井満HP
http://www.twin.ne.jp/~m_nacht/

千の風にのっての詩が「新潟県」の主婦の死をきっかけにしてできたというのがかかれてました。
そしてその主婦は「原発反対」活動をしていたとも

想定外の地震が起きて全台停止になった柏崎原発。
天の啓示なのだろう という心境にもなってきました。

島根、女川、志賀で想定外が起きたときには被害はなかった
しかし今回被害が出た
そして会社規模から耐えられうる東電に出た
その事実を真摯に受け止めたときに何をすればいいのか

この本を読んだあと、一晩寝たらそんな心境にもなってきました。



「老子」 

般若心経がよかったので、老子の自由訳も読んでみた。
EPSONのSさんのマネージャー論の究極の姿は、老子も書いていました。
それでその部分はほぼ完全に書き残しました


「道 Dao(ダオ)」

◎ 上善若水(じょうぜんじゃくすい)

 水のように生きるのが最高の生き方
 水は人々が嫌がる低い方へ低い方はと流れていく。謙虚だねえ。

◎ 知足
 自分を知るものを、真の賢者
 自分に勝つものを、真の強者 という。
 足るを知れば、はずかしめられず 止まるを知れば、あやうからず

 ⇒増収、増益ばかり目指す姿勢でいいのだろうか。 

◎ 引退のすすめ
 頂上の景色はすばらしくいつまでもいたいという欲がでてくるが
 いつまでも居られないのが頂上だ。
 ぐずぐずしているところげ落ちてしまう。
 高い地位にいつまでもしがみついて恋々としてはいけない。
 やるべき仕事をやり遂げたのならさっさと引退しなさい。

◎ 引き算のすすめ
 新しいことをひとつ始めるよりも余分なことをひとつ減らすほうがうまくゆく。


「徳」
天と地と大河をお手本に 無為にして無心に生きる
それが道に目覚めた指導者の生き方である

◎ 無用の用
大きな働きをなしながら、誰よりも控えめで、謙虚だ (部屋の中の空間)

◎ 真の指導者の三宝
 慈愛の心
 謙虚の心
 倹約の心

 ⇒ ふうー、私なんぞはゼンゼンダメだわ。

◎ 不浄の徳
 争ってはいけない。
 争うことなく逆に相手のエネルギーを活かしてあげなさい。それが天のやり方である。

 怨みには、徳をもって報いなさい。憎悪の念には、慈愛の心をもって許してあげなさい。


◎ 最高の政治家とは
 ここは鈴木さんが究極のゴールと言われていたこととまったく同じでした。

 道に目覚めた政治家は、決してあせらないし、あわてない。
 小魚を煮るようにして治める。
 むやみにつっついてかき回したり、ひっくり返したりしたらどうなると思う?
 小魚の形は崩れるし、味も落ちる。
 ゆっくり、そうっと、余計なことはせずに煮るのがコツさ。
 国の政治も同様でね、国民に対して、ああでもないこうでもない、あれをするなこれもするなと
 細かく干渉すれば、国民のもっている自由な活力を奪った上に、国民の反発をかってしまう。
 そういう国は、早晩、亡んでしまうだろう。
 道に目覚めた政治家は、無為にして無心
 余計な政策は展開しないし、干渉もしない
 干渉もしない。小魚を煮るように、あせらないし、あわてない。
 国民の活力を、あるがままに受け入れる。
 
 政治家にもいろいろあるが、
 最高の政治家とは何か…?
 それは国民から、その存在を意識されない政治家である

  …

 やがて豊かさと平安の時がくる
 幸福な国家の誕生だ
 偉大な事業の達成だ
 すると国民は錯覚する
 偉大な事業をなしとげたのは自分たちなのだと
 政治家の存在など けろっと忘れてしまう
 それで良いのだ
 国民から、その存在を意識されない 
 そのような政治家こそ
 最高の政治家と言えるのだ。



新井さんのまとめ

老子の説く人の生き方 4か条
1 無欲に生きなさい
2 謙虚に生きなさい
3 不浄の徳をもって生きなさい
4 貢献の徳をもって生きなさい

お母さんからおそわった「人生三期説」

第一期 最初の30年間は「自分捜し」の時代
第二期 次の30年間は「自己実現」の時代
第三期 晩年の30年間は「社会貢献」の時代

自分捜しも自己実現も、主として自分と家族の幸福のために行われる。
しかし60歳になったら、自分と家族以外の人々や、人間以外の他のいのちに目をむけて
彼らをいかに幸せにできるか、そのために自分が何ができるのかを考えて、実践しようというもの。

天に、徳を積みなさい。
あの世にもっていける宝物はね、生前、人に与えたものだけだよ。
といいつつ、91歳で死ぬその日まで現役の助産婦であった母上であった。

新井さんの思いには共感を非常に覚えるものがある。
「般若心経」の絵本は購入して手元に置いている。
結構サラリーマンに多いそうである。