「池上彰の宗教がわかれば世界が見える」 

  文藝春秋   池上  彰


浜松町の書店にちょっと時間があったので立ち寄ったときに目にとまって買った本である。
池上さんの解説はわかりやすいし、宗教については勉強したいと思っていたので読んでみることにした。

日本人はなぜ無宗教なのか?という思いに答えてくれた「無宗教こそ日本人の宗教である」
で日本人としてのそして私自身の宗教観については納得し自信を持っていたが
その思いを強くできたとともに、さらに一神教のことへの理解も深まった。

一番良かったのは冒頭にある世界宗教マップであろう。


7人との賢者との対談(第二章〜第八章)になっていることも理解を助けてくれる。

第1章 宗教で読み解く「日本と世界のこれから」
    東日本大震災・ビンラディン殺害・中東革命

宗教と気候風土の関係はなるほど。


第2章 宗教がわかる!ほんとうに「葬式はいらない」のですか?
      vs.島田裕巳(宗教学者)



第3章 仏教がわかる1 「南無阿弥陀仏」とはどんな意味ですか?
      vs.釈徹宗(浄土真宗本願寺派如来寺住職)


第4章 仏教がわかる!2 仏は「生・老・病・死」を救ってくれますか?
      vs.高橋卓志(臨済宗神宮寺住職)


第5章 キリスト教がわかる!「最後の審判」は来るのですか?
      vs.山形孝夫(宮城学院女子大学名誉教授)


第6章 神道がわかる!日本の神様とはなんですか?
      vs.安蘇谷正彦(國學院大学前学長)


第7章 イスラム教がわかる!『コーラン』で中東情勢がみえますか?
      vs.飯塚正人(東京外国語大学教授)


第8章 宗教と脳がわかる!「いい死に方」ってなんですか?
      vs.養老孟司(解剖学者)



おわりに 宗教は「よく死ぬ」ための予習
 年齢が私のように50歳を過ぎて死が近くなってくると、宗教に興味を持ってくるものなのかも知れない。
 よく死ぬために それはよく生きることにつながる。
 池上さんも還暦を過ぎておられるほぼ同世代な方だけに、非常に納得感のある書であった。