「生きていくあなたへ」
105歳どうしても遺したかった言葉
日野原 重明/著 幻冬舎
【内容紹介】
私が言葉によって支えられてきたように、迷い傷ついたあなたの心へ、私の言葉が届くことを願っています−。
105歳の医師、日野原重明が、死の直前まで語った、希望と感謝のメッセージ。生前に書き溜めていた言葉も収録する。
【著者紹介】
1911〜2017年。山口県生まれ。
京都帝国大学医学部卒業。聖路加国際病院名誉院長、聖路加国際大学名誉理事長等を歴任。
文化勲章受章。コルチャック功労賞受賞。
日野原さんの本はいくつか読んだが、これは105歳でなくなる直前にインタビューで
書かれた最後の言葉の遺作である。
QA形式で読みやすい。
日野原さんはよど号ハイジャックの乗客であった。
お父さんは牧師
このことは知らなかった。
・タラップを下り、地面に一歩踏み出したときの感覚を生涯忘れることはできません。
(4日間拘束後解放された)
「これからの命は与えられたもの。
これからは自分のためだけではなく、人のためにこの命を捧げよう」
再会の喜びに妻と抱き合いながら、二人でそう決意しました。
僕はあのとき一度死んだのだと思っています。
過去の古い自分が死んで、新しく生まれ変わったのです。
聖書の中に、こんなイエスの言葉があります。
「私の後に従いたいものは、自分を捨て、自分の十字架を背負って、私に従いなさい」
自分を捨てるというのは、古い自分が死ぬということです。
その意味で僕はハイジャック事件のおかげで生まれ変わりました。
☆拘束中は犯人が持っていた本「カラマーゾフの兄弟」を読む
☆ハイジャックの意味を聞いて犯人が言葉に詰まったとき
「ハイジャック犯がハイジャックを知らないとはいかがなものか」と言ったら機内中が大笑い。
犯人も乗客も一緒になって笑った。
どんな時にもユーモアは必要です。
→朝日新聞の木村元社長が母校高松高校での講演(2017年)で、レーガン大統領が撃たれたときのユーモアを紹介していたことが思い出された。
「レーガン大統領が銃弾に撃たれ、重症に陥った時、口から出たことば」(出典;https://ameblo.jp/praise-the-lord/entry-11706854798.html)
ロナルド・レーガンはアメリカ第40代大統領(1981年1月20日−1989年1月20日)として二期の任期を全うしましたが、
大統領に就任して間もない3月30日、狙撃され、倒れました。実際に弾丸は大統領の心臓をかすめて肺の奥深くで止まり、
かなりの内出血を起していました。救急病棟に到着したころには呼吸も困難な状態でしたが、レーガンの意識はしっかりしており、
周囲の心配をよそに、弾丸摘出の緊急手術の前にもかかわらず医師たちに向かってこう言ったのです。
「ところで、あなた方はみな共和党員だろうねえ」それに対して、執刀外科医は民主党員でしたが、
「大統領!今日一日われわれはみんな共和党員です!」と返答して、レーガンのユーモアに答え、レーガンを喜ばせました。
キリスト教の教えがたくさん出てくるがまったく違和感はなくすんなり入ってくる。
さすがである。
家族とは何か の答えがよかった。
「一緒に食卓を囲む存在」
そこに血のつながりは関係ありません。
食事を一緒に食べてくれる人がいること。
この日常に感謝である。
納得の言葉だった。
○ 医学とはサイエンス(科学)の上に成り立っているアート(芸術)である。
このウィリアムス・オスラーの言葉は、生涯を通じた、医師としての信条です。
○ 指揮者を見たときに、私は驚きました。
ふつうはステージの上で指揮をするものですが、
その指揮者はステージを離れて聴衆の中に入って指揮をしている。
聴衆を巻き込んで、会場全体を包み込むような一体感が生まれました。
○「愛のうた」
こちらを参照。
日野原先生が創った曲である。
http://www.wlpm.or.jp/life_st/serch_detail.php?id=48745
出版社HP