「神様のカルテ」
夏川 草介 小学館
北海道のS先生にお奨めしていたら2ではなく1から読まれていました。
それで私も読むことにしました。
まずはSさんの読後記から
「神さまのカルテ」(その1)読みました。
いいですね。「すーっと」なりました。あまりうまく表現ができません。
夏目漱石(坊っちゃん風)な言葉遣いのせいか、旧き良き旧制高校を思わせる
患者さんとのやり取りがやはり印象に残りました。
長くこんな仕事をしていると、いろんな患者さんとの出会いがあります。
わりと忘れる方なんですけど、それでも印象に残る人はたくさんいます。
たいていは「うまくいかなかった」ひと。と、極端にうまくいったひと。
病院の性格がもともと救急を標榜して始めたので、救急場面での出会いで始まり、
その後引き続いて外来でみたり、調子が悪くなれば入院して、と10年も見ている人が何人もいます。
そうなると、もう何科をみているという感じでなく「主治医業務?」というか、
「こんどはあの先生に診てもらって」「手術もうけた方がいいよ」とかの交通整理みたいなものです。
で、最近よく言われるのが「死ぬ時は、先生ひとつ頼むよ」(笑)。
「そうじゃなくて俺は助けようと思っていろんなことかんがえているのに」
と言いたくなります。あんまりあてにされていないのかなー(苦笑)。
「安曇」さんという末期の癌患者さんとの関係もいいですね。救急や集中
治療を学びましたが、末期がんの患者さんは別としても、他の病気でも「末
期」はあるので、治療を中止する判断は「GO]よりも難しいです。私の
場合、急に優柔不断になります。私が作者の世代(30代)のときは「進む
こと」しか頭になかったです。
出てきたお酒で知っていたのは「飛露喜」「佐久の花」くらいでした。前者は
会津だったんですね。きっと少し重い酒?後者は爽やか系?
では続編も読んでみます
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Hさんにその1を借りたところなんとサイン本だった。
サイン部分だけご披露しましょう。
その2で屋上から満天の星をながめるように、同じような光景が最初の作品でもあった。
「安曇」さんを連れ出して屋上から北アルプスを光景をプレゼント。
文明堂のカステラまで。
満足しきった安曇さんは安らかに2日後に息を引き取る。
帽子の中に栗原先生へのお礼の手紙を残して。
感激して泣けました。
その2では名前のなかった「学士殿」
睡眠薬自殺を図るが助かる。
男爵とハルさんが学士殿の送別のため御岳荘の壁に桜の絵を夜中に書き上げる光景は想像するだけだがすごい迫力だった。
一止は島崎藤村の「夜明け前」を餞別に渡す。
看護婦の東西さんは、その2で存在感が増す大狸先生や古狐先生よりもその1では印象が強い。
怪物砂山先生と新人の水無さんとのカップルもほほえましくていい感じだ。
お酒はやはり出てきますね。
「飛露喜」 会津の地酒 豊な甘みと芳醇な香り (そうなんですよね、福島のお酒は甘口で芳醇です)
http://www.yukinosake.com/04-07-hiroki.html
「呉春」 池田の名酒 砂山先生はこれ一本
池田とはわからなかったが、大阪だった。
筆者は大阪出身だった。
http://www.hyotan.co.jp/cnt/sake/gosyn.html
そして「夜明け前」という酒があることを知った。信州の酒である。
ラベルは藤村の嫡男、楠雄氏の直筆をそのままプリントした味わいのある姿である。(P185)
九兵衛のマスターが一止に
http://www.yamazakiya.biz/yoakemae.html
ビジネス本と違って、小説ではあまり書いてしまってもいけないのでこの辺にしておきます。
映画を早くみたいものです。
楽しみです。