「官邸崩壊」
  安倍政権迷走の1年
                 上杉 隆  新潮社


河野先生の社内講演会で面白いと薦められた本。

8月27日(月) 15:00〜16:30 
電気事業分科会委員である河野光雄氏を招き、
「電力自由化を巡る状況」について講演聞く。

部長が購入された本を借りて読んだ。
その間に安倍首相は本当に辞めてしまったのであった。

感想を部長に聞いたときには、いいことばかり上奏して危機意識がない官邸メンバーというふうだったので
佞臣(ねいしん)かな と思ったが、そうでもなかった。
(ただ六邪では、へつらうのは諛臣(ゆしん)で佞臣(ねいしん)は記憶違いであったようだ)

高い志を持った連中の集まりとは言えず、
自己顕示欲だけ強い連中の集まり

成功のときはいいが、いったん悪くなると危機管理能力ゼロ

井上(秘書官)をはじめとする安倍官邸の稚拙なメディア戦術が、政治記者たちを鼻白ませる。
功名争い、責任逃れ、リーダーシップの欠如 −− 安倍官邸の騒動に接している
うちに、最高権力に対する敬意が失われていく。

飯島秘書官の本を読んだのとはゼンゼン違う。
http://homepage2.nifty.com/shigamatsu/Book/KoizumiKantei.html

中学校の生徒会でももう少しマシだと思える。

秘書官が表舞台に出ることなど考えられない。
裏でいろいろな情報を集め、危機に対して手を打っておく。
そういう能力が全くというほど欠如している。

安倍さんに人を見る目がなかったということだろう。


言葉がうわっ滑りしていると感じていたがまさに組織も上滑りしていたようだ。

この本が面白いとは思えなかった。

福田総裁が9月23日に誕生した。どういう内閣、首相官邸になるのか注目している。

我々は官邸内部は知りえないのでわからないが…。

(参考) 貞観政要

六邪

「見臣」
 官職に安住して高給をむさぼるだけで、公務に精励せずに世俗に無批判に順応し、ただただ周囲の情勢をうかがっている

「諛臣(ゆしん)」
 主人の言うことにはみな結構ですといい、その行いはすべてご立派ですといい、
密かに主人の好きなことを突き止めてこれをすすめ、見るもの聞くものすべてよい気持ちにさせ、
やたら迎合して主人とともにただ楽しんで後害を考えない

「姦臣」
 本心は陰険邪悪なのに外面は小心で謹厳、口が上手で一見温和、善者や賢者をねたみ嫌い、
自分が推挙したい者は長所を誇張して短所を隠し、失脚させたいと思う者は短所を誇張して、長所を隠し、
賞罰が当たらず、命令が実行されないようにしてしまう

「讒臣(ざんしん)」 讒とは事実にないことを言って他人をおとしめること
 その知恵は自分の非をごまかすに十分であり、その弁舌は自分の主張を通すに十分であり、
 家の中では骨肉を離間させ、朝廷ではもめごとをつくり出す

「賊臣」
 権勢を思うがままにし、自分の都合のよいように基準を定め、自分中心の派閥をつくって自分を富ませ、
 勝手に主人の命を曲げ、それによって自分の地位や名誉を高める

「亡国の臣」
 佞邪(ねいじゃ)をもって主人にへつらい、主人を不義に陥れ、仲間同士でぐるになって主人の目をくらまし、
 黒白を一緒にし、是非の区別をなくし、主人の悪を国中に広め、四方の国々まで聞こえさせる
 

「六邪」がいると「六正」は自ら去るか失脚するかだから、結局は「六邪」がすべて取り仕切ることになってしまう。
そうならない場合は「賢臣は六正の道に処(お)り、六邪の術を使わず、故に上安くして下治まる。
これを現出するのが「人臣の術」なり。