「空海さんに聞いてみよう こころがうれしくなる88のことばとアイディア」

 白川 密成  徳間書店



これまた、家内が図書館で借りてきた。

前半は次の「見つめる」以外はあまりどうということはなかったが、後半にとてもいいものがあったので 書きとめておいた。


◎ 自分のこころをじっと見つめること
      毎日一度は自分の心の宮殿を見つめよ。
      自分の心は仏の三身のすみかでる。


朝朝 一たび自心の宮を観ぜよ
自心は亦是れ三身の土
 弘法大師 空海 「遍照発揮性霊集」 巻第一


(解説)
「受け取る」「発信する」ばかりでなく「見つめる」


仏は自身の心の中にあるもの。
三身とは法身、報身、応心の三種類の仏の身体のこと

情報量は膨大になってきている。ほうっておくと心が「受け取る」
「発する」ことばかりになって、気づかないうちに「見つめる」ことを
忘れてしまいます。
この「見つめる」という行為は人間の心にとって、実は必要不可欠な存在であり、
しかもある程度、意識的に行わなければならないものだと感じています。
弘法大師の言葉を頼りに、あなたなりの方法で心をじっと見つめてみましょう。

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たとえば何かやってみよう

森の中をたったひとりで歩いてみる。
自分に手紙を書いてみる。 ⇒この言葉には衝撃を受けました
1日5分、1週間、何もせずにただ座ってみる

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☆人はどうして死んでしまうのでしょうか?

ヨモギを見よ。蘭を見よ。
太陽が進むその速さを、見よ。


ヨモギは荒地や丘に集まり生え
欄の類は山の南に生い茂る
太陽は矢の飛ぶように進み
四季の運行に人は死んでいく
(空海の原文は漢字が難しく書けないので省略)


☆「死ぬ」とは何ですか?
 帰ること。

起るを生と名づけ、帰るを死と称す
 弘法大師 空海 「遍照発揮性霊集」 巻第四

☆「生きる」「死ぬ」ということがわかりません。」

人は、生のはじめに暗く、
死の終わりに冥(くら)い。

生まれ生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く
死に死に死に死んで死の終わりに冥い
 弘法大師 空海 「秘蔵宝鑰(ほうやく)」

 ⇒冥い というのがピンとこずネット辞書で調べてみました
  冥王星の冥と覚えていましたが
  「冥途」が出てきて納得でした。

暗いなかに光を感じる言葉だと筆者は述べていますがそのとおりだと感じました。


一番気にいったのは次の言葉
☆「空」って何ですか?
 「自由自在」であり、「大いなる私」のことです。

これは大いなる「空」(実体性の否定)である。
大いなる「空」(実体性の否定)は
大いなる自由自在である。
大いなる自由自在は、
すなわち大いなる私(自我)である。


これ大空の義なり。
大空はすなわち大自在なる、
大自在はすなわち大我なり。
 弘法大師 空海 「秘密曼荼羅十住心論」巻第七

そして最後がこの言葉
仏さまとは誰ですか?
 あなたの心の王様のことです。

(これはそのままわかるので筆者による訳文はつけず)

遮那は中央に座す
遮那は阿誰(タレ)の号(ナ)ぞ
本(モト) 是れ 我が心王なり
 弘法大師 空海 「遍照発揮性霊集」 巻第一
 


筆者のWEBサイトはこちらです。http://www.eifukuji.jp/
奥様も尼さんで、若い住職さんです。

略歴はこちらの方がわかりやすいかも
http://higan.net/apps/mt-cp.cgi?__mode=view&id=57&blog_id=58

デビュー作も読んでみようかと思います。
また会社を辞めて住職になった秀才(直接の部下ではなかったが、京大原子核工学卒で性格もよく仕事もでき将来の幹部間違いなしと思っていた子が香川で住職になった(30代で))
の寺にも行ってみたくなりました。