誰も知らなかった小さな町の「原子力戦争」  

  
田嶋裕起/著 出版社名 ワック




会社で配布されたので読んでみた。

東洋町は東京では「東陽町」かと言われたと書かれてあったがさもありなんである。
しかし、今では「東洋町」と聞けば、何人かの方は高知県から高レベル廃棄物施設
の公募に日本で初めて応募した町ということで知っていると思う。

その町長であった田嶋裕起さんの手記である。

阪神競馬場遠制の行きのバスの中で読もうと思って少し読んでいたのだが
座席前のポケットに入れてそのまま忘れてしまった。
翌朝確認に行ったのだが届いてなかったので、人から借りて読んだ。

田嶋さんは町議を7期勤めたあと、頼まれての町長立候補。
26歳で町議に、そのときは共産党公認だったとは驚きであった。
奥さんは保育園の園長をされていたのだが、立候補時に52歳で辞職されたのはきれいだと感じた。

なお、田嶋さんは町長立候補時には共産党は脱退し、無所属となっている。

高レベル廃棄物の制度はよく知っている。
説明会にも何度も(サクラ?)で参加している。

個人的にはこの公募制度は難しいと感じていた。

田嶋さんはその犠牲になったようなものだと思う。

そもそも、国会の場で政治家がしっかりエネルギー問題を「志高く」議論しないので
こういうことになるのだと思う。

田嶋さんは橋本知事のパフォーマンスを批判していたが、
私は橋本さんは感情的に嫌がっているのではなく、
制度そのものがおかしいということを訴えているように感じていた。

なお、文献調査では、地域のビジネスモデルを検討することもあることを知っており、
最後の田嶋さんが夢を見ているところは、まあ、そんな程度だろうなと思ったが
もっと大きく化けるモデルがきっとあるはずと考えている。
それだけに民意が得られないまま、都市部の反対派が押しかけてワーと騒いでいくことは
残念である。

もっと国民的議論を将来の地球の環境そして人々のために起こせないのであろうか。


原子力が今後しっかり安全・安定運転を続け、環境問題が大きな問題として
国民に認識されたなら、きっとどこかに受け入れが決まるのではないかと
期待している。


原子力発電環境整備機構(略称:原環機構):NUMOのHPを引用しておこう。

http://www.numo.or.jp/

公募についてのQAはこちら

http://www.numo.or.jp/faq/qa06.html#q9