「ナチュラル女子脳がやってきた」
  〜どうして女性社員はあなたの言うことを聞いてくれないのか〜
  
   黒川伊保子/著 感性リサーチ/著  東京書籍 




黒川さんの男と女の脳科学シリーズは非常に納得感の得られる内容で、大変「ためになりました」
そういう方も多数いらっしゃると思います。
(衝撃を受けた第1回のみ掲載いたしましょう)

まったく理解できなかった異性に言葉の裏側がわかったような気になり、自分なりの対処方法を編み出せたりしています。
でも、気持ちに余裕があるときはできても、修羅場となるとなかなかそうもいかないようで反省することもしきりです。


すっかりファンになった私は黒川さんの最新刊を購入して読みました。

新聞での宣伝が目に入ったからでした。

 女子部下攻略本!
 女子部下の言動にお困りのあなたに。攻略法がわかりやすく載っています。
 男女脳論の解説を超え、組織のパフォーマンスを最大にする知が詰まっています。


黒川さんの著書だとてっきり思っていたら、弟子の大手奈穂美さん(感性リサーチ)が書いていて黒川さんは監修だった。

あとがきの192ページでそれが判明。

「私の日ごろの主張を、つぶさに文章にしてくれた弟子の大手奈穂美さん。」

それまでは黒川さんが書いたものとばかりに思って読んでいた。
ちょっと騙されたかという気に。

よく表紙を見ると 黒川伊保子+感性リサーチ となっていました。+以下は若干
小さい字になっていました。

でもそれほど違和感はなかったので、「感性リサーチ」という会社は黒川さんイズ
ムが染み入って一体化しているのだろうと
良い方に解釈した。

以下付箋をつけたところを自分のコメントとともに抜粋しておく。


男性脳は53歳を過ぎると、デジタル回路にロックされていた感性がアナログバラ
ンスに変わってきます。
 ⇒ なるほど。
   自分は50歳くらいにその変化を感じた。

★会議は分けよ
 アナログ型企画発想会議と、デジタル気分を活性化させる戦略会議は、徹底して
分けるべき。
 なにせ、この両者は同時同質には働かないのですから、ね。

 ⇒ 私の思う戦略会議は発想型会議のつもりでちょっと弱ったのだが、とにかく数
字を並べて
   その目標数字を達成せよ!というのはデジタル会議にあたるとのこと。
   新しい商品やメニューを考えるときの会議には数字目標は出すな!というこ
とだと。
   なるほど、そうか。ちょっと気をつけないといけない。

 営業会議で、営業数字で追い込んだ後に、「売上げの上がる新企画を提案し
ろ」と言っても、
 無理な話なのですよ。よい企画が浮かびようがありません。デジタル気分を強め
た直後に、新しい発想を必要とする
 アナログ気分をj活性化することを要求しても、柔軟性に富んだよいアイディア
なんて出るはずがないのです。
 ですから、対処法としては、数字で追い込み戦略を立てる会議、新企画を発想し
ていく会議、とアナログとデジタルをうまく
 使い分ける会議をしていくと、それぞれの特性がよく使えてパフォーマンスがあ
がってきます。


デジタル気分(男性脳) 序列、勝負、権威主義、公平、秩序、普遍

アナリグ気分(女性脳) ショッピングが好例
               「靴を買いたい」と言ってデパートに来たはずな
のに、婦人服売り場を見に行ったりバッグのコーナーを眺めたり
               して、なかなか目的の靴売り場へ到着しない……な
んていうことは日常茶飯事。この秋のファッショントレンドを
               婦人服売り場を回りながら肌で感じ、バッグを
チェックしつつ欲しいパンプスをイメージし、その世界感で目的の
               品を手にしようとしているのです。これは無駄足
でも寄り道でもない、彼女の中にあるたゆたうような「正道」なのです。

              ⇒ ガーン。そういうことですか。私は家内の買い物
には付き合いたくありません。いつも外で待ってます。

   子供の頃は男性でもアナログ気分が勝っている頃があるとのこと。

50代半ばを過ぎる女性は、アナログ気分が加速しています。平日の昼間でも、美
術館はおばさまたちで大盛況なのには、
この気分が一役買っているからですね。この年代の女性が、よくアメやキャラメル
を持ち歩いているのも、この年代の特徴です。
アナログ回路に電流を流すと、脳はエネルギーを大量に消費することになり、これ
には糖分と酸素を供給してやる必要があるため、
甘いものを欲することになるのです。
ここまで顕著じゃなくても、他の世代の女性たちにも同様の傾向が見られます。若
い女性も一緒です。

 ⇒ なるほどねえ。と納得。女性に甘いものはやっぱりいいんだな。


◎ デジタル気分とアナログ気分が共存しているからこそ、世の中は大きく偏ること
なく、傾くことなく、回っているのです。
 アナログ気分は世の中の複雑性の高い事象を認識するのに心地よさを感じ、逆に
デジタル気分は、世の中の簡潔性の高い事象を
 認識するのに心地よさを感じる気分となります。

  女性脳は、長い神経線が活性傾向にあり、アナログ気分(複雑系=自然志
向、人間性重視)になりやすいものであり、
 男性脳は短い神経線が活性化傾向にあり、デジタル気分(科学技術志向、合理性
重視)になりやすいものなのです。

◎ 脳梁が女性は20%太い
  感じる領域を司るのが右脳、顕在意識の領域を司るのが左脳 この2つの脳の
情報を神経線を介して行き来させているのですが、
  その左右脳をつなぐ長軸索の束が「脳梁」

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%A2%81

  ここが太いと情報量が多く、女性は左右脳の連携がよく、感じたことを顕在意
識に上げやすい。
  男性が細くなる理由:妊娠中期から後期にかけて、男性ホルモンのシャワーが
男児に浴びせかけられ、その作用によって約20%細くなる。


○ 女性脳の特徴

その1 女性部下は直感の生き物だと思って
  お客様対応にはこの直感力が大きな武器となる
  男性脳には数字が重要な納得材料となる

  男性脳には数字で示せ! これは女性社員へのアドバイス。
 女性脳同士ならこれでOK。
  「ロールケーキのシリーズ展開は外せませんね。デパ地下や街を歩けば、一目
瞭然でしょう。
  私も、同僚の女性たちも、なぜかここのところロールケーキばかり食べてます
もん」
   ⇒うちの家内ロールケーキは大好きでよくわかります。

 ただこんな感情的で根拠もない(ように見える)意見では男性脳は納得してくれ
ません。
 「調査会社のアンケート結果によりますと、20〜40代の女性の70%がロー
ルケーキが好きと答えています。
  雑誌のスイーツ特集でもこの春は5社が特集しており、ロールケーキのシリー
ズ化の導入を検討すべきかと思います」
 てな具合。


その2 「私だけの特別」に気づいて欲しい

 一見して何でもないことだけれど、ちょっと褒められただけで数年後も記憶に残
るほどの喜びを得、明日を生きる糧にすることができる。
女性部下をやる気にさせるのって、ちょっとした一言でいいんですね。

 ⇒ 納得である。そのような目立たないけれども私がいいなと思っていること
は、褒めるようにしています。
   姿勢がよい、挨拶が気持ちがいい、しっかり手をぬかずきっちりやり遂げて
くれる、などなど
   気持ちをこめて褒めると本当に嬉しそうな表情を見せてくれるとこちらもう
れしくなります。

 男性脳は、誰もが認める結果を出したいと意気込むものだが、女性脳は、そもそ
も世の中グレーゾーンが当たり前だと
 心底思っていますから、成果にも一番にも興味はありません。経緯が大事なので
す。

 育児や家事はゴールのない経緯の連続。

 仕事は、評価してもらうためにしているわけではない。ただ目の前にあるか
ら、自分がすべきだから行う。
 では女性脳のモチベーションはどこにあるのか、というと、女性脳は共感力が強
いので、「上司(クライアント)を男にしてあげたい気持ち」で
 頑張るのです。

 女性脳は、尽くした相手が喜んでくれることが自分にとっての喜びでもあります
から、仕事を懸命にすることが喜びそのものでもあるのですね。

 男性上司のみなさんも、ぜひ、部下の女性から「上司のために頑張りたい」と思
われる上司になってください。

  → はい、そのようになりたいとがんばります。


☆ 女性脳のコミュニケーション 〜共感力〜
 感じたことを口に出し合い、共感しあうことに快感を得る女性脳は、実はこの能
力でコミュニティの形成、感性の微調整をしているのです。

☆ 男性脳のコミュニケーション 〜鈍感力〜
 脳梁が細い男性脳。女性脳ほど、縦横無尽に情報が脳内を駆け巡りません。
 したがって、よくよく注意していること以外は、基本的に変化に気がつかない。
 女性脳は、五感でキャッチしたあらゆる分野のあらゆる情報をダイナミックに構
築し、臨機応変に対応できるのですが、
 男性脳は、変化に弱く、ひとつのことに実直に対応するので精一杯です。
 …
 そのおかげで、客観性が高く、公平さを失いにくく、長く続く集中力があるので
す。
 人間がマンモスを狩猟していたころ、マンモスを仕留める瞬間に、行ってらっ
しゃいと言った妻の顔が少し元気なさそうだ、
 などということが気にかかり、脳裏をかすめたら、その隙にマンモスに踏み潰さ
れて命を落とすでしょう。
 変化にも、自分の感じたことにも、相手の感じたことにも鈍感だからこそ、命が
けで集中して働けるのです。
 このような男性脳の能力を、敬愛をこめて「鈍感力」と言わせてください。
 気にしなくていいことは気にしなくてよい。
 サバイバル社会を行き抜く上での不可欠な能力といえましょう。


☆共感を示すことが女性脳の満足に
 女性がストレスを感じずに過ごせる1日の言語数は2万語。口から2万語のこと
ばを吐き出してやっと、その日、女性はすっきりと眠ることができる。
 したがって、女性の話しを、どれだけ聞いてあげたか、どれだけ共感してあげた
かが女性の満足度につながるのです。

 ただ聞くだけではNG。深い共感が必要!
「ふむふむ」と懸命に相槌を打ちながら1時間を費やしても、女性に「共感してく
れなかった!」「話しを聞いてくれなかった」と取られてしまうことも
少なくありません。

 大事なのは言葉の反復。

 「今日は寒かったのよ」 ⇒「ああ、寒かっただろうね」
 「ランチの海鮮丼がおいしかったの」 ⇒「ああ。おいしかっただろうな」
 「急な案件が発生して、焦ってしまって」 ⇒「それは焦るよなあ」
 と反復してあげる。
 これで、女性脳は深く共感してくれた、と感じ明日への力をチャージできるので
す。

 ⇒ この教えは心がけております。
   反復、共感 を示し、間違っても問題解決の言葉を発することがないように
と。
  ただ1日2万語も相手はできません。
  せいぜい30分くらいの会話だから、2000語くらいかなあ…。


【ビジネスシーンでの女性脳】
営業編を引用

女性脳 顧客ごとのニーズを感知し、「あなたのために、この商品がある」という
物語を語るのが得意。
     商品のスペックを緻密に語るのは不得意

男性脳 「商品がいかに優れているか、いかにリーズナブルか」のスペックを俯瞰
的に語るのが得意。
     その商品を手にする顧客の個別事情に、親身に共感してあげるのが苦手

 男性脳は、うっかりすると目の前の顧客より、営業する商品を愛しすぎてしまう
ことがあります。
 営業は、対人関係の仕事。
 商品について語りすぎないようにすることが肝要となります。
 聞いてもいないのに、スペックを語り尽くされてはお客様はうんざり。
 特に顧客が女性の場合には、親身に共感してあげられるかどうかが重要。

 ⇒ この本を読んだせいかもしれませんが、営業の顧客アカウントにもっと女性に
入ってもらいたいと強く思うようになりました。
   STNetは女性が比較的多い会社です。営業は女性の能力をもっとも発揮で
きる場ではないかと思います。
   できれば男性、女性の比率を半半くらいにしてみたいなあとの夢を持ってい
ます。
   そのために一番重要なのは管理者が女性脳を理解し、うまく采配できるかに
かかっているでしょう。


ということでありがたいことに要約がなされています。

ビジネスシーンでの、女性から見た男性

・目標を決めたがる
男に言わせれば→目標は明確に。それに向かって邁進すべし!

・正しいことは何かを決めたがる
男に言わせれば→悪は退治せねばならぬ

・客観的な数値や権威で、正しさを証明したがる
男に言わせれば→当然のことだ

・合議が得意で、決めたルールは死守する
(状況の変化にもかかわらず「ルールはルール」と言い放つ)
男に言わせれば→秩序は乱してはならない。

→女から見れば、「愚直で、にぶちん」


ビジネスシーンでの、男性から見た女性
・ポンポンといろいろなことを思いつき、おしゃべり。話しが飛びすぎる。
女に言わせれば→発想や情感が豊か、おしゃべり好き。
            おしゃべりをすることによって、直観力を養っている!
            おしゃべりは発想の源泉。

・目的をしっかり定めず、「何となく」で適当に動いているように見える
女に言わせれば→直感が鋭く、「どうすべきか」がつかみでわかる。
            そのため、数値や権威で証明しなくても、「で
しょ」「うんうん」「ね〜」で共感できる。

・合議は苦手なのに、最後はいきなり協調する。にもかかわらず、決めたとおりに
動かない。
女に言わせれば→もちろん、臨機応変だから。

→男から見れば、「…」。キャッチフレーズのつけようもない、とらえどころのない
存在。



● ナチュラル女子脳とは

(このタイトルの言葉の意味がよくわからなかったが、最後に書かれてあり、納得
であった。)


一時代前の女性部下は、男性脳の殻を被った女性脳。この女性脳と、男性上司と組
み合わせは
ある種、男性脳+男性脳の組み合わせ。

現代の女性部下は、その殻を被っていない「ナチュラルな女子脳」というもの。
この組み合わせは、全方位型のペアとなってマルチな活躍が期待できます。

ということです。

→ なるほど。見渡せばナチュラル女子脳の囲まれた恵まれた職場環境といえます。
  新しいお客様価値創造を、ナチュラル女子脳と、男性脳の多様な組み合わせで
行いたいと思います。


当社には幸か不幸かキャリア女性問題はなさそうです。
1980年代に新人時代を過ごしたキャリア女性(アラフィフ世代)の中には、男
性よりも男性脳化に進化してしまった人たちがいます。
もちろん、若い世代の中にも、上昇志向が強過ぎて、男性脳型に凝り固まってし
まった女子は存在します。
実はナチュラル女子脳の本当の敵は、その女性たちだったりするのです。
女性脳の柔らかな補完力を否定して、「男子と同じように」どころか「男子の何倍
も!」を標榜するキャリア女性は、現実の男性よりも
はるかにとんがっていて、冷徹だったりします。彼女たちから見れば、ナチュラル
な女子脳は歯がゆくて仕方ありません。
しかも今の時代、「天然な発言」がヒット商品を生んでしまったりするので、むか
つきは倍増。擬似男性脳から敵視されるナチュラル女子脳は、
意外にも多くて、しかも深刻なのです。このストレスからナチュラル女子脳を庇護
することは、実のところ酸いも甘いも噛み分けた大人の
男性脳にしかできないのです。
たしかに、圧倒的に男性優位だった20世紀の産業構造の中で、女戦士のように
戦ってきた女性たちにも同情の余地はありますが、
21世紀、市場の感性地図が変わり、商品展開自体が多様性の時代に入りまし
た。職場のナチュラル女子脳を温存しないと、
企業は市場の気持ちを見失います。


→ ナチュラルという言葉は好きですね。自然体。
  力みがなく自然で賑わいがあり、しかも規律があってまとまっている職場にし
たいですね。


以 上