「任侠シネマ」
今野 敏/著 中央公論新社
【内容紹介】
義理人情に厚いヤクザの親分・阿岐本雄蔵のもとに、北千住にある古い映画館の経営再建の話が舞い込んだ。
マル暴に監視されながら、阿岐本組の面々は、存続危機の映画館をどう守る!?
痛快ヤクザシリーズ。
代貸日村誠司を主人公に話が進む。
今回、初めて女子高生の香苗ちゃんが登場するが大活躍。
そしてパソコンオタクの徹ことテツもアイディアを出して親分に感心されるという痛快な進展。
阿岐本親分は本当に人望があるがそれは間違いなくいい人物である。
ワルガキの再生を見事にやってのけ、ちゃんとしたやりがいのある仕事を与えている。
働くとは何か、会社は何のために存在するのかという根源的な問いを気楽に読ませてくれる。
その思いは私自身のものと今野敏さんのものは価値観がよく似通っているのだと思う。
それだけに読んでいて気持ちがいいのである。
ただ、阿岐本組はちゃんとした報酬は今回の成功でも何ももらっていないのである。
大丈夫かな?なんてつい心配してしまう。
この映画館再生劇場の話の前は、公衆浴場をやっているようで読んでいなかったのでさっそく手配した。