「置かれた場所で咲きなさい」
渡辺和子 ノートルダム清心学園理事長 幻冬舎
この本は新任監査役合宿研修の時に、グループの講師の最後の挨拶で読むように勧められた本である。
図書館ではずいぶん予約の入っていたがなんとか借りて読む。
薄いのですぐに読める。
Bloom where God planted
you.
30代半ばで岡山に派遣され、翌年大学学長に任命されて、こころ乱れることも多
かった時、
一人の宣教師が渡してくれた短い英詩。
この後に続く言葉が、
咲くということは、仕方がないとあきらめることではありません。
それは自分が笑顔で幸せに生き、周囲の人々も幸せにすることによって、
神が、あなたをここにお植えになったのは間違いでなかったとを証明することなの
です。
この言葉ですっかり立ち直った渡辺さんであった。
咲けないときは無理に咲かなくてもよい。
その代わり、根を下へ下へと降ろして根を張るのです。
次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。
以下響いた言葉を引用しておく。
○神は力に余る試練は与えない
「神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、
試練とともに。それが耐えられるよう、逃げる道も備えてくださいます」 聖書
○ 一生懸命はよいことだが休息も必要。
「私は木を切るのに忙しくて、斧を見る暇がなかった。(後悔の言葉)
木をきる斧に油をさしいたわる日間を忘れないように。
○まず考え、次に感じ、その後に行動する。
考えるということは、自分と対話すること。
自分自身に語りかけ、次の行動を決めなさい。
これこそ「一人格」としての生き方。
⇒これはちょっとピンとこなかった。
その答えは後半にあった。
私は今、大学生に「人格論」という授業を教えています。
人間は一人ひとり「人格」、「Person(パーソン)」なんだと。
自ら判断して、その判断に基づいて選択、決断して、その決断したことには責任をとる、
そういう人がパーソンと呼ばれるに値する。
右を向けといわれてただ右を向き、一人では渡らないのに、みんなが渡るから赤信号でも渡る。
そういう人は人間だけれども人格ではない。
○人生にポッカリ開いた穴から
これまで見えなかったものが見えてくる
思わぬ不幸な出来事や失敗から、
本当に大切なことに気づくことがある。
○ 老いは人間をより個性的にするチャンス
老いは悲しいことばかりではない。
人間関係を「量から質」に変え、自分を豊かにすることができる。
ここでは坂村真民さんの詩を引用されていた。
その坂村真民記念館をこのあいだ(2012年9月)に訪問してきたばかりであったので嬉しかった。
坂村さんは、九十歳のことを 「鳩寿」と表現していたことが強く印象に残っている。
○ 老いは神様からの贈り物
「人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり………、まことのふるさとへ行くために。
自分をこの世につなぐ鎖を少しづつ外してゆくこと」
上智大学学長を務められたホイヴェルス神父 「最上のわざ」
老いを意識するとき、人はより柔和で謙虚になることができる
お父さんは渡辺さんが9歳の時に2.26事件のクーデーターで目の前で殺害されたとの衝撃の文章があった。
お母さんが44歳の時に生まれた末っ子だった。両親の深い愛情と教えに深く感謝している渡辺さんである。
○ 信頼は98%。
あとの2%は相手が間違った時の
許しのために取っておく。
○ 大切なのは「人のために進んで何かをする」こと
○ 「私は神様とお約束がしてあるの。フラッシュがたかれる度に、笑顔で応じますから、
魂をひとつお救いください」
祈りの人であったマザーテレサの言葉
日々遭遇する小さな苦しみを笑顔で受け止め、
祈りの花束にして神に捧げたい。
○ 「ていねいに生きる」とは、自分に与えられた試練さえも
両手でいただくこと。
以上