「廉恥」 警視庁強行犯係・樋口顕
今野 敏 幻冬舎
家内が後味がとても良かったと絶賛していたのだが私の場合はあまりピンとこなかった。
今野氏の作品は警察庁のキャリア官僚を良いイメージで仕上げている。
樋口シリーズの第4巻である。
今回は女性キャリアの小泉蘭子刑事指導官が活躍する。
ストーカ犯罪対策のための応援であったのだが、彼女が光り輝いている。
家内が良かったと思うのは樋口係長の職業倫理感であろう。
いかなる場合にも正しい職業倫理を守っている姿勢である。
娘のパソコンが脅迫メールに使われていて、強制捜査が入るかもしれないというときにも
決して情報を漏らさなかった。
そんなところが響いたのであろう。
ストーカ殺人とみせかけて、逆にストーカ呼ばわりされて被害者になっている男性の気の毒なこと。
そんな理不尽な点を訴えたかったのであろう。
筋書き、トリックは特になんとも思わなかった。