「知識ゼロからの論語入門」
谷沢永一、幻冬舎
これまた家内が図書館から持ち帰った新刊」です。
(古谷三敏のマンガイラストつきなので読みやすい)
【泰伯第八】
不在其位。不謀其政
其の位にあらざれば、其の政を謀らず
訳) 領域を区切って支配を任ぜられ、責任を負うべき地位に就けられていない身
分である時期には、
何事も請け負っているわけではない分野にまで建白書を奉るのは
日経ビジネスでも同じような内容のところに出くわしました。
日経ビジネス 2007.10.1 号
有訓無訓
大澤 佳雄 許斐会長(みずほ証券元社長)
「素平さんに学んだ我慢 思いを温め「時」を待つ」
日本興行銀行に入った1964年、頭取だった中山素平さんの入社式の言葉
「社内の仕組みに不満を感じても、それを改めることができる立場になる
まで、温めておきなさい。我慢の時間は、不満に意味のないものだと
分からせることもあるし、本物ならばそれを志にまで熟成する」
【学而第一】
有朋自遠方来。不亦楽乎。
ともあり、遠方よりきたる。またたのしからずや。
(訳) かねて親しい間柄ではあるものの、しょっちゅう往来することのできない、やや遠方に住む心の友が、
折りあって訪ねてきたものだから、積もる思いに時間を忘れて話し込む、
この時の楽しい気分は、殊のほか嬉しく有り難い。
【述而第七】
子以四教。文。行。忠。信。
子は四(し)をもって教う。文。行。忠。信。
(訳) 孔子の教えを要約すると次の四か条であった。
すなわち、表現の能力、実践の意欲、他人に対する思い遣り、人間関係の
軸となる信。
・他人の心を動かすには平素から言葉の用い方を練習しおく必要があります。
見えない誠意を、相手が受け止めてくれるように、熱意のにじみ出る言い表し方
が自然に湧いてくる
ように練習するのです。出たところ勝負では、有り合わせの言い方しか出来ず、
意志が通い合うに
至らないでしょう。
⇒孔子の四教は初めて知りましたがYさんのキーワードにも通じるものがありま
す。「ことば」の重要性を再認識しました。
そういう意味でも、自己実現道場は自分の想いを表現する訓練の場にもなっていると思います。
【里仁第四】
惟(た)だ仁者のみ、能(よ)く人を好み、能く人を悪(にく)む。
惟仁者。能好人。能悪人。
敬服すべき人には好意を示し、害のある人には近づかない。
どの集団でも1割は自分で勝手にひねくれる。
残念だが、この経験則は意識しておいたほうがいいだろう。
【雍也第六】
知之者。不如好之者。好之者。不如楽之者。
これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好むものはこれを楽しむ者に如かず。
学んでいること自体が楽しいという心境になれば、学びは深まってゆく。
【述而第七】
志於道。拠於徳。依於仁。游於芸。
道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ。
人格修養だけでなく趣味にも励む、人の成長に適わしい暮らし方である。
芸事は人柄に幅を持たせる効果を生みます。
渋沢栄一 1840〜1931
「論語と算盤」のなかの言葉
正しい道徳の富でなければ、その富を永続することができぬ