「<育てる経営>の戦略」
高橋 伸夫 講談社
全般的に虚妄の成果主義と同じことを書いているだけであるので
あえてここに抜き出すことはない。
唯一、あとがきに書かれたこの気づきには大いに賛同する。
私がここ2〜3年で気づいてきて、実践してきていることである。
○ 若い世代は大人の言葉を求めている
日頃若い人と接している大人の一人として、私はそのことを確信している。
なぜなら、若い人は、大人が自分の言葉で大人の話をしてくれることを待っているからだ。
大人の素直な言葉を若い世代は求めている。
親からあまり説教をされることがない彼らゆえに、上司や先輩から真剣に指摘されると意外と
素直に感動したりするのである。
だから、大人の世代も、若者に媚びることなく、彼らに嫌われることを恐れず、
自分たちの体験や考えを飾らずにストレートに伝えることが大切なのである。
彼らが説得力を感じる話とは、評論家的でスマートな分析なのではない。
偉い学者や経営者の説の受け売りでもない(そもそもそんなことは本を読めば書いてある)。
たとえ失敗談であろうとも、ぎこちない体験談であろうとも、
自分できちんと責任を引き受けた人が、自分の言葉で語る話にこそ説得力を感じるのである。
聞いたときは馬鹿みたいだと思っていた話が、何年かたってから納得できたという経験は、
誰にだってあるはずだ。
そんな大人の話のできる人間になろうではないか。
そんな資格のある人間になろうではないか。