「偽善のエコロジー」
武田 邦彦 幻冬舎新書
この本は、環境川柳に募集して佳作になった景品で500円の図書カードをもらったので
購入した。
その句は
「低炭素、忘れちゃ困るよ、原子力」
だったのだが、選者の修正で
「温暖化、忘れちゃ困る、原子力」となっての入賞であった。
武田先生は有名になっているが、
意味のないリサイクル、分別回収に疑義を唱える書である。
納得させられる。
環境対策はもっと合理的に実施しないといけない。
科学者がしっかりした説明が出来ておらず、環境商人に金を渡して無駄なことを
しているという意見。
随所に出てくるこの表現がそれを表している。
リサイクルの分別回収に使われているコスト 自治体だけで5000億円
国民一人当たり1年間で約5000円
この税金をもらう人は1万人程度
払うほうは5000円ですがもらうほうは5000万円なのでこたえられません。
詳細は書くまでもないのでポイントだけメモしておこう。
● レジ袋は使わない ×
レジ袋は石油の不必要な部分を活用した優れもの
● 割り箸を使わない ×
国産の割り箸は間伐材(「端材」)であり、国有林の保護のために価値がつくことは大きな意義がある
◎ ダイオキシンは無害
毒物学の専門家である和田攻教授が学士会会報に発表。
(私も学士会に入っていたがここへ発表したといってもインパクトは低いなあ」)
結論 : 少なくともヒトはモルモットのようなダイオキシン感受性動物ではない。
また、現状の環境中ダイオキシン発生状況からみて、一般の人々にダイオキシンによる
健康障害が発生する可能性は、サリン事件のような特殊な場合を除いて、ほとんどないと考えられる。
● ペットボトルリサイクル × 意味がない
そのまま燃やしたほうが生ゴミを燃やすエネルギーになる
ゴミの分別は意味がない ⇒ 今の焼却炉は優秀 燃やすときに分別するのが合理的 (なるほどなあ)
ゴミは金属とそれ以外に分けるだけでいい
◎ アルミ缶のリサイクルは優等生
アルミ缶リサイクルは商売になるので業者に任せばいい
☆☆ リサイクルよりも、物を大切に使う心を!
自然を大切にする心を持つこと
農業を大事にすべき
☆☆ 北風より太陽、物より心
ゴミ袋の値段を上げてゴミを減らそうとする政策 ⇒ 北風
楽しい市民生活ができるような設計をする政策 ⇒ 太陽
市民は楽しいと物を買わなくても充実した毎日が送れるので、ゴミは自動的に減る
「環境のため」と思ってきた生活を「人生のため」という生活に切り替えよう。
そうすると、その結果として、環境にいい生活に自然になる
ということで結ばれてました。
思いのほどは共感できたような気がする。