「伝える力」 ;「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!
池上 彰 PHP研究所
池上さんは週刊こどもニュースのお父さん役で知ったが
非常にわかりやすい説明でファンであった。
その池上さんが書いた本ということでさっそく購入。
納得のことばかりであった。
週刊こどもニュースは1994年にスタートし、池上さんは11年間も出演していたと知った。
第1章 伝える力を培う
・深く理解していないと、わかりやすく説明できない
・まずは「自分が知らないことを知る」
・謙虚にならなければ、物事の本質は見えない
・何をとり何を捨てるか
編集の話
・プライドが高い人は成長しない
最も大事なのは「聞く耳を持つ」こと
・「よい聞き手」になるために
常に「おかげさま」の気持ちを持って、陰口や悪口は慎み、相手の話をじっくり聞く姿勢を持つ
そうすることで、好感度や信頼はずいぶん高まるし、「伝える力」にもいっそう磨きがかかる。
・自分のことばかり話さない
・相手の「へー!」を増やす
このためには、まず自分自身が「へー!」と思うことが大切
第2章 相手を惹きつける
つかみの話がかなり出ているが、その部分は省略する。
・他人の自慢話はしゃべっている本人は楽しくても、聞いているほうはしらけます。
でも失敗談はおもしろがってくれるのです。
→ これは私もいつも言っていることです。
・会議では一人一人の目をみながら話す
こうしたことができるようになるためには、提案する企画の内容をしっかりと自分のものにしておく必要がある。
会議の直前に急ごしらえでまとめるようでは、とても無理です。
ということは、事前の準備が重要になります。
第3章
・その言葉に「愛情」はあるか
・成功して好かれる人、成功して嫌われる人
謙虚さの有無
人間は社会的な動物。
大成功を収めた背景には、多くの人々の協力があったはずです。
社会の一員である以上、「おかげさま」の精神は必要なのです。
・悪口は面と向かって言えるレベルで
・叱るのは「1対1」が大原則
・褒めるときは「みんなの前で」
・「聞く」ことで「伝わる」こともある
・理屈ではない感情もある
・謝ることは危機管理になる
渡部絵美がメダルが取れずに終わった後に「ごめんなさい」と言った。
この一言で日本中の雰囲気が変わった。
ひと言謝られることで、なんとなく納得し、なんとなく許してしまう。非常に日本的といえば日本的ですが、
これが多くの日本人の感性です。
・苦情を言うときのポイント、実りある苦情にするために
まずは自分がどういうものか伝える
その後、どうして電話をしたのか、全体像が相手にわかるように話す
自分として、どう対処して欲しいのか、その希望・要望を明確に伝える
話すときには、なるべく穏やかに、落ち着いて、普通の音声で話す。
これが苦情を言うときの基本です。
第4章 ビジネス文書を書く
・優れた文書を書き写す
浅田次郎さんも「文章修行のため、川端康成や谷崎潤一郎らの文章を書き写した」と発言しているそうです。
→ 丸写ししても書き写すことで力がつくんだなあ、なるほど。
自分も手書きではないが、印象に残ったところの文章をこうして書き写しているが、それはいいことなんだ
と嬉しくなった。
「緩やかな演繹法」
先に結論ありきが演繹法で、いろいろと情報を集めて結論を構築するのが帰納法。
報告書は当然帰納法がいいに決まっているが、
下調べをして仮説をたて、現地に行って調べて、修正する。
現地に行けば、仮説とは違う現実があるもの。
それを最初から念頭に置き、どこが仮説と異なるのかを調べようとすることが
効率的な調査に結びつく。
事前準備をしっかり行い、仮説をたてて現地に臨みましょう。
→ まさに自分も経験している。
2005年のアクションラーニングの企業調査。
仮説ができるまで2ヶ月かかったが、そのおかげで実り大きい調査&報告ができた。
次の「五感」を大事にする というのも私は実践している。
現地へ行って問われるのは「五感」や「雑感」です。
色、音、味、におい、手触り。五感を研ぎ澄まし、現場の空気を感じ取って、
報告書や提案書の中にさりげなく入れるのです。
そうすることで、報告書や提案書はあなた独自の文書になると同時に、臨場感の漂う文書になることでしょう。
感じた雑感を入れるのは、一ヶ所かせいぜい二、三カ所で構いません。
全編それをすると、何の報告書だかわからなくなってしまいますから。
臨場感を少し出すと、キラリと光る報告書や提案書になるものです。
第5章 文章力をアップする
・「もう一人の自分」を育てる
一人ツッコミ、一人ブレーンストーミング
見直す行為は、できるだけプリントアウトして行う。
特に重要な報告書や提案書などは、万全を期するために、そうすることをお勧めします。
パソコンで書いた文章を画面上で見直しても、まだ十分には「もう一人の自分」が育っていないのです。
画面上で読み返しているのはまだ「書いた自分」であって、プリントアウトした用紙を読むことで
初めて「読み手」すなわち「第三者」の視点にたてるからでしょう。
→ 耳が痛い言葉であった。反省。
・寝かせてから見直す
・音読する
リズムの悪さや回りくどい表現に気づく
・上司や先輩に読んでもらう
・人に話しながら、書く内容を整理する
・ブログを書く
人に読んでもらうことを前提に書くので文章力がアップする
・新聞のコラムを要約する あるいは分量を増やす
第六章 わかりやすく伝える
・カタカナ語、専門用語、業界用語は部外や社外の人には使わない
・便利な言葉を使っていると、使う人が思考停止になってしまうことを知っておきましょう。
「〜的」「〜性」
(創造性、必要性、生産性、機能的、絶対的、政治的)
もう一段掘り下げて何を言いたいのか考えないといけない。
→ うーん 困ったな。
具体的、一般的、可能性などは問題ない。
・漢語表現や四文字熟語は若い人には通じない ほどほどに
・「簡単なことは簡単に」「難しいことも簡単に」
噛み砕いて表現できるのは、そのことについて深く理解しているからこそなのです。
・図解はあくまで手段
・図にいれる文字は最小限に
第7章 この言葉は使わない
・「そして」、「それから」
幼稚、ほとんど不要
・順接の「が」
逆説ではない「が」は使わないこと 話し言葉では使ってもなんとかなるが、文章では不可!
・「ところで」、「さて」
論理の積み重ねの腰を折ってしまうので乱発しないこと
・「いずれにしても」
・メールの絵文字
ビジネス文書では厳禁
第8章 上質のインプットをする
この章はビジネスマンとしての重要事項(池上さんが実践していること)の訓示が並んでいます。
・アウトプットするにはインプットが必要
本を読む
・小説を読む
読者にイメージを持ってもらう、その伝え方を学ぶには小説が最適
頭の中に絵が浮かんでくる
・人間と語彙の幅を広げる
・落語に学ぶ
間の取りかた
・スケジュール管理がビジネスを左右する
昨今のビジネス手帳はほとんどアナログ手帳に回帰している
・スケジュールは公私とも1冊で管理する
・年始に大まかな1年の予定を組む