「小説UDON」

東野ひろあき/著

出版社名メディアファクトリー



映画を見ると言ったら家内が図書館で借りてきてくれた。
字が詰まっていないのであっと言う間に読めてしまった。
映画を見る前の待ち時間でさわりを20分ほど読み、終わってから続きを読んだ。
映画と違うところがちょっとあったが、全般的には本よりも映画の方が
よくできているなと思った。
東野氏自身の経験に基づいているとは思うが、
軽い。重くない。
小説としての重みはほとんどない。
人生経験が浅いのだろう。
考え抜いていない上っ面の人生のような感じを受けた。
これで感動を与えようというのはムリである。

一方映画は結構楽しめた。
地元で現在息子とセルフうどん屋めぐりをしている人間には応えられないねえ。
息子と9月10日の日曜日にマイカル宇多津で見た。
満員御礼の盛況で1本後らせてみた。(9時30分×、10時20分○)


うどんブームを仕掛けた、「恐るべきさぬきうどん」がブレイクしたのを
http://www.e-udon.jp/book.html
タウン誌で展開し、3ヶ月に凝縮して見せた。
そして祭りは終わる。
果してそうなの?持続可能な長いブームというのはないの?
バーット咲いて、パッと散る。
桜の花のような盛り上げ方だったのだが、桜は来年も再来年も咲くのである。

ま、そういうものではなく、本当に地域の人に愛され、喜ばれる
あいさつのようなうどん
それを監督は描きたかったのかな?
連絡船うどんのまずいがうまいというのはよくわかった。
この部分は本では強く出てなかった。

本には愛想のない親父が小学校で子供達とうどん怪獣になって遊んであげていた
という下りがあり、これは映画にはなかった。

お笑いを目指すユースケ・サンタマリア扮する香助(こうすけ:香川と助ける)に向
かって
親父の一言がいい。
「おいしいもの食えば人は自然に笑うんだ」
おいしいものを食べさせてあげたい。
そのためプロとしてこだわる。
徹底してうどんに真善美を追求する姿が親父さんにはあった。

香川県人やうどん巡りをした人達には楽しい映画だ。
ただ、知らない人が初めて見て面白いかどうかはよくわからない。
とにかく軽い映画だ。


映画の解説

 「踊る大捜査線」シリーズの名コンビ、亀山千広プロデューサーと本広克行監督が
再びタッグを組み、うどんを愛する人々の心の交流を描いたエンターテインメント
作。ユースケ・サンタマリアがうどんとの出会いによって人生を取り戻していく主人
公にふんし、共演者には小西真奈美、トータス松本、小日向文世、鈴木京香ら個性豊
かな面々が集結した。“うどん”という日本独自の食文化を通し、日本の魅力が存分
に表現されている。

http://www.udon.vc/movie/