「若者はなぜ3年で辞めるのか
   年功序列が奪う日本の未来」

城 繁幸 光文社新書


はっきり行って城氏の主張にはガックリきた。
若者の側から文句を言っているだけである。
それこそ若者の遠吠えである。
成熟期に行き詰まった年功序列主義、椅子取りゲーム
そして成果主義によるごまかし、なくなってしまった人生のレール
新しい主張なんてどこにもない。
また、給料の話しが多すぎる。話しのレベルが低い。
なんにもわかっていない。

おそらく10年後、20年後で歳をとってみると初めてわかることがあるだろう。
なんと自分の主張が青臭くて、思考していないかということを痛感するだろう。

教育に触れたのでオッっと期待したがたいしたことは書かれていなかった。

もっと勉強しなさいと言いたい。
こんな厳しいことは書きたくないがあまりにも残念だったので書かせていただいた。


私が知らなかったことで勉強になったのは豊臣秀吉が作った「奉公構い」という精度。

書き写すのが面倒だったのでネットで検索してみると
私と同じように読後記をブログで書いている方がいらっしゃった。
その中でこの本を取り上げてあり、まさに「奉公構い」を書いておられた。
2007年3月26日のブログ記事である。そこから引用させていただいた。

オヤマ日記飴
新宿御苑前の小さなIT企業で働く社長のブログです。
Mac、気仙沼、愛犬・小太郎のことなどを書いています。
http://blog.telepath.co.jp/oyama/cat3/

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この本によると、
豊臣秀吉が「奉公構い(ほうこうかまい)」という制度を作る前までは
「七度主君を変えねば真の士(さむらい)にあらず」と言われたようだ。

それまでは武士と領主の間はどちらかというと対等の契約関係に近かったらしい。
奉公構いとは...

たとえば、ある大名が、自分の許可なく勝手に家臣を辞めた人間を「奉公構い」扱いと宣言したとする。
すると、どんなに有望であっても、他家はけっして彼を採用出来ない仕組みだ。
これが江戸時代まで続いたそうだ。


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後半には「働く意味を考える」という私のテーマが取り上げられている。
就職氷河期の若い世代の企業について紹介している。
やりたいことがみつかった連中は成功している。

それはそれでいいのであるが突っ込みが足りないと感じた。

あれをやりたい、こういう夢があるなど、個人が抱いている自己実現に対する希望を
極限まで希薄化させ、少なくとも若い間は組織の歯車として機能させること。
それこそ、日本という巨大な年功序列組織が機能するために不可欠な条件なのだ。
ただし、歯車が自分の意志を持たされるまでに出世させてもらえる時代はすでに終わった。
そんな幸運な人は全体のなかでは少数派で、おそらく過半数の人はただの歯車のままで
一生を終えることになる。

 → こういうまとめを書いているのだが、それぞれの歯車の価値がいかに高いものであるのか
  を筆者は理解しようとしていない。
   歯車は使い捨てという感じである。
   私は組織隅々まで、各自が自分の仕事に誇りとやりがいをもって、そして自分の成長を
   感じながら働ける会社はできると思っている。
   城氏の価値観とは高給、高ポストだけという感じがしてならない。
   会社全体でこんなことをやっているんだ、その実感を個々が持ち幸せな気持ちになれる
   ようにするためには何が大切か。彼は考えようとせずレールから外れろと若者の背中を
   押しているように思えてならない。


そうだ、この本で抜けていたキーワードは「使命感」である。

あまりに酷評しているので著者に聞くを引用しておこう。