「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」

   山中 伸弥 (著), 緑 慎也 (聞き手)  講談社







出たばかりの本を家内が借りてきてくれた。

ニュースや新聞で読んではいたがいまひとつiPS細胞というのがよくわからなかったが
この本を読んでよくわかった。

「京都の作り方」「しおり」の引用でよくわかった。

ほんとすごいわ。
身体の一部の細胞に遺伝子を4つ加えると初期化したiPS細胞ができる。
たった4つ。
受精卵から作るES細胞のように倫理上の問題はない。

発見の経緯を詳しく説明してくれているが、
山中さんはビジョンを提示し、研究所のメンバーが成し遂げた。

iPS細胞樹立の立役者は、徳澤さん、一坂さん、そして高橋君の3名です。
と言い切っておられろ。チーム山中の真骨頂である。

座右の銘が私とおなじ「人感万事塞翁が馬」
この本ではちゃんと「じんかんばんじ」とふりがなが打ってあった。

◎走り方が変わった
焦る気持ちをおさえて慎重に、しかも着実に課題を乗り越えていくこと。
結局は、それが一番早くゴールへたどりつく道だと思うんです。
誰か一人だけ早くてもダメです。
全員がバテずに最後まで走り続けるのが、ぼくたちの使命です。

と冒頭のマラソン完走(若いときよりも速いタイム)のことで述べている。


アメリカの恩師 メーリー先生の言葉 「VW」が研究者の成功の秘訣
これは私も報道で知っていた。(根岸さんの私の履歴書だったっけ)
ビジョンとワークハード

PAD アメリカ後うつ病なる用語も知りました。
Post America Depression


この時に読んで元気づけられた本(何度も読んだそうである)
「仕事は楽しいかね?」(デイル・ドーテン著、野津智子訳)


「ジャンプのためにかがむ」
これは岡田監督と王さんの対談でも知っていた。⇒第二話



VWのビジョンを奈良先端大の新入生獲得で使っている。

☆ヒトの胚を使わずに、体細胞からES細胞と同じような細胞を作る!

まさにこのビジョンを成し遂げておられるのである。


(参考) ネットでの関係情報

山中らはマウスの胚性繊維芽細胞に4つの因子 (Oct3/4, Sox2, c-Myc, Klf4) を導入することで
ES細胞のように分化多能性を持つマウス人工多能性幹細胞( iPS細胞)を確立した。
生命の萌芽とされる受精卵を壊して作る胚性幹細胞(ES細胞)と違い、倫理面の問題からも特に欧米社会で高く評価された。

アイピーエス‐さいぼう〔‐サイバウ〕【iPS細胞】
《 induced Pluripotent Stem cell 》
万能細胞の一種。ES細胞と同様に増殖して各種の細胞へと分化することが可能な細胞。
ES細胞は受精卵から採取して作るため倫理的に問題があるが、この細胞は皮膚細胞など
から作り出すことができる。
自分の体細胞から臓器などを作れば拒絶反応を回避できるため、再生医療への応用
が期待される。


胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう、Embryonic stem cells)とは、
動物の発生初期段階である胚盤胞期の胚の一部に属する内部細胞塊より作られる幹細胞細胞株のこと。
英語の頭文字を取り、ES細胞(イーエスさいぼう)と呼ばれる。