「女性部下をうまく動かす上司力 」
すぐに使える10のルールと18のスキル
嶋津 良智 (著), 平川 理恵 (著) 日本能率協会マネジメントセンター
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男と女の脳科学で盛り上がっていたところ、三井物産の高松支店長からこの本の名前が挙がった。
部下にも読ませているというので取り寄せてみた。
完成度の点では黒川さんの脳科学に軍配が上がるが読みやすい本でありすっと入ってくる。
男と女の脳科学でしっかり勉強が出来ているので、新しい発見というものはなかったが
いくつか印象に残ったフレーズがあるので掲載しておく。
◎ 男を動かすSOS、女を動かすAUTO
一番強く残ったのはこの言葉である。そして納得であった。
覚えておこうと思った。
S すごい
O 教えて
S さすが
男性は自尊心をくすぐればいいのである。
よくわかる
A ありがとう
U うれしい
T 助かった
O おかげで
女性には感謝の言葉か。そうだよなあ。
家内になかなか心からの言葉が出せないでいる。
そう思っているのに残念である。
G ゴメン
S スマナイ
W 悪い
というネガティブな表現はNG
言葉の使いかたで印象が正反対に違う。
4Dシステムの行動基準にも入っているが
「こころからの感謝を示す」ことが重要である。
◎ 哲学のない上司は去れ
上司として哲学を持つこと自体は、部下が男性だろうと、女性だろうと関係ありません。
しかし、女性の場合は、特に哲学や理念を持たないまま数字だけを追ったマネジメントには敏感です。
なぜなら、平川さんが述べるように、「期限付きの(かもしれない)」だからこそ仕事に意味を持たせたい。
よい意味で自分のすべてを賭けてしまおうと思っているのが女性だからです。
女性の平川さんが書いているところでインパクトがあったのはこれ
○ 女性が男性上司を判断する4つの視点
1 当たり前のことが当たり前にできているか
挨拶のことを例として挙げていました
2 清潔か
これは自宅でも家内と娘から「手を洗った?!」といつもチェックを受けて
いるので
なるほどと納得
3 「いい人」か
基準はあいまい。感覚的なもの。
これまた納得。
4 哲学を持っているか
既出なので説明は省略
平川さんの自分自身のキャリアや思いから書かれている言葉には説得力がある
女性には辞めるという選択肢がある
女性には仕事に大きく影響を与える出来事として「結婚・出産」があり意識する、しないに関わらず、
それらを退路として用意している可能性がある。
このため、短期的な視点で未来を描いてあげる必要がある。
いきなり30年スパンで未来像を描けと言っても無理な話。
女性は35歳(子供を産むのが難しくなる)をひとつの区切りとして人生戦略を漠然と描いている。
卵は1ヶ月に1個しか排卵されません。ということは、1ヶ月に卵が1個ずつなくなっていっているのです。
例えば32歳の人が35歳までにあと3年とすると36個。この36回のチャンスをすべてダメにしたら……。
だとしたら、もしあなただったら……若干でも焦りませんか?男性のあなたにはわからないかもしれませんが、
女性はそんな心境なのです。
→ ふーん。言われたとおり、これはわかりませんでした。ということで印象に残ったところでした。
【男性は1000キロマラソン、女性は10メートル走】
女性はいつでもあと10メートルと言われて全力疾走しているというたとえが正しいかも知れません。
なぜならあと数年で、あれもしなくっちゃ、これもしなくっちゃ、と常に年齢にせかされて生きているのですから。
女性は、なんとなく出産と、結婚のリミットをどこか頭で意識しながら働いていますから、「今」の瞬間を大事に
します。もしかしたらあと2年くらいでこの職場から去ってしまうかも知れない。もしかしたら働くという経験も
あと3年くらいかも……。こう考えると「後悔のないように今の瞬間を思いっきり満喫しておこう」と考えるものでしょう。
忌憚のない意見を出せるのが女性。女性は退路をちゃっかり確保していますから、おかしいと思ったことは
とことん言います。時にはこの忌憚のない意見が職場の風通しをよくしたり、本人への高評価につながったりもします。
→ 果たしてここまで極端なのだろうか?
平川さんは特別だろうという感もするが、ベースとしての分析はこれは知っていて損はないだろう。
平川さんの論理でいくと、35歳を過ぎた場合も果たして同じなのか?という疑問も湧いた。
○ 哲学と感動を
上司が部下に哲学と感動を示すことができると、職場の雰囲気は明るく朗らかになる
→ 哲学だけでなく「感動」をというところがよかったので書き残した
以 上