● 図書案内
「ONとOFF」 出井 伸之 ソニー会長兼CEO 新潮社
最近は読書が少ない。本を読んでいない。
出井さんはよく本を読んでいるなあ。
この本は日経ビジネスに紹介されていたので購入した。
ソニーのホームページで社員に発信したエッセイ集である。
IT戦略を推進した出井社長ならではの試みである。
社内文書をこうして公開されることも素晴らしい。
非常に共感を覚えることが多く、自分にとって大きな支えになるような気がした。
○タイトルの意味があとがきにある。
「これからの時代、会社の仕事とは関係なく外の世界とコミュニケートする「裏番組」や趣味が最も
必要だと思えてなりません。いわば「OFF」の世界です。
…中略
「裏番組」や趣味を持つ人は、ビジネス以外の話しも面白く、幅広い視点を持っていますから、会社でも
人が寄ってきますし発想力も豊です。「OFF」の世界での蓄積が、いつの間にか会社の仕事(「ON」の世界)
に環流して、「良い循環」が生みみ出されていく。
以下、自分が大事にして行こうと思えたフレーズをいくつか取り上げる。
センスオブワンダー
何か新しいものに出会うわくわくする気持ちを大切にしよう
私の言葉:好奇心を持ち続けよう
セカンドランナーからファーストランナーへ
ファーストランナーとは、クリエイティブな失敗やリスクテイクをおそれない、自己発見につとめる人たち。
Visit The Future To Find The Guide
(江崎玲於奈先生の講演会スピーチ)
私の言葉:これをフロンティアという言葉で使っていた。
仕事はプロ
プロのピアニストのアルノー会長(モエ・ヘネシー・ルイヴィトン社)の奥様はプロのピアニストだそうで、
練習は毎日5時間!
「出井さんも毎日5時間以上働いているでしょう」 ハッ!
仕事はプロ。
プロ意識をしっかり持って仕事に臨まなければならない!
ビジネスの連続と非連続
ビジネスには連続線上で考えていける部分と、技術革新などで起こる非連続の部分が共存する。
「競争戦略」と「成長戦略」という言い方もできる。
企業のリーダーシップ
創世記は「人」であるが、維持・成長時代となるとリーダーシップ/求心力は「企業理念/ビジョン」であって
そこに全員が帰属しその理念に向かって努力していくという風になる。
出井さんの経営者像
・孤独である
・常に勉強し続けなければいけない
・基礎に忠実な部分と、革新を意識する部分とが両立しなければならない
・人材育成への情熱
私は勉強しとらんなあ。人材育成への情熱はすごく持っているが…
ビジネス以外の話しでは
1にゴルフ
2にワインで
その他読書、音楽、食事、クルマ等々いろいろな話題が出ております。
それにしてもほとんどが海外の話であり、ソニーのCEOとして飛び回っておられることがよくわかります。
そんな忙しいなかでも夏休みはしっかり取ってゴルフ三昧をやっている。
一回放電してからの方が仕事が進む。
OFFの世界を持つことの重要性がよくわかります。
● 図書案内
世界一やさしい連結決算 金児 昭 エコノミスト 信越化学工業顧問
連結決算の勉強のためにタイトルにつられて購入。
入門書が前半部分、そして連結経営に対する筆者の熱い思いが後半のインタビュー記事に出ており、
共感を覚えた。
・恥ずかしながら関係会社と関連会社をよくわかっていなかった。
親会社・子会社・関連会社を総称して「関係会社」と呼ぶ。
○あったかい経営の条件
・親会社は威張ってはいけない、子会社は甘えてはいけない。
・自由の後ろには規律があり、規律の後ろには自由がある。
・社長には「責任(権限)と義務」がある。企業グループとしての経営も大事であるが、その中のひとつひとつの社長以下が
権限と責任を持って経営をきちっとしていくことが肝心。
・連結決算では「子会社が親会社に払った配当は、ないしは親会社が子会社から得た配当は相殺消去されてしまう」ということ
は、全社をあげて一言も口に出してはいけないし、また出す必要もない。
○連結は「廉潔」