1 「転落の歴史に何をみるか」 斉藤 健   ちくま新書

   −奉天会戦からノモンハン事件へ

 通産官僚(特許庁長官)から日産副社長に転じた伊佐山 建志 (いさやま たけし)氏の講演会で
紹介があったので読んだ。
 若手がなかなかいい本を書いているということだったが、政と官それに軍が出てくるだけで
なんと民間がまったく出てこなかった。
 若手官僚がゼネラリストとして日本の政治を立て直す野望を持って書いた書だと感じた。
 経済界のことが眼中にない頭ではとてもとても任せられないなあ、まだまだ稚拙だ。そう感じた。
紹介者の伊佐山氏の公演は非常によかっただけにちょっと残念。
 ただ、斉藤氏が参考書とした「失敗の本質」は読んでみたが、こちらはすばらしかった。ただ読みにくかったが。

 そして、なんと半年後にはこの作者と名刺交換をすることになったのにはびっくり。
 経済産業省基盤整備課長として着任し、そして1年後にはなんと埼玉県副知事に転出。
 本人希望の政治への道が開けてきたようである。
 頭は優秀だけれども、ちょっと危ない印象を受ける斉藤氏である。



2 「ウェルチにNOを突きつけた現場主義の経営学」  千葉 三樹  光文社新書

GEの会社生活で絶頂と破滅を経験した千葉氏の負け惜しみではない信念の書である。
ウェルチには人材育成の面では非常に尊敬するが、M&Aを主体とした会社のっとりと
その後の血も涙もない仕打ちには許しがたい思いもある。
そういった恨みつらみを書いた本もよく出ている。
この本は部下が移動中の社内で読んでいてタイトルにひかれて読んだものである。
千葉氏には日本人の魂を感じる。

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3 「会社を変える」人材開発 プロのノウハウと実践   香本 裕世 光文社新書

 −「やらせる」ではなく「やってみよう」と思える職場風土をどうするか

この本で覚えた言葉、それは「ファシリテータ」である。
英語のfacilitateは、もともとは「グループなどで何かが起こるのを助け、促進する」という意味なので
その役割を持った人ということになる。
「トレーナー」や「インストラクター」に近い意味合いがあるが、彼らと違って「指示的」に行動する場面は
少なく、「支援的」であったり「受容的」であることが求められ、それによってメンバーの「気づき」が
促進されるというもの。
この説明にハッとした。

4 「日本の進むべき道」   衆議院議員 田中 慶秋   

昨年の衆議院選挙前のパーティでお土産にくれた非売品の本。
横浜の磯子プリンスホテルで盛大なパーティであった。
内容事態は田中議員の議員活動報告であり、非常に平易でわかりやすい。
ただそれだけ。タイトルの割りにはスケールが小さい。
人柄はよく人物はいいと感じるが大物感はまったくない。

車を自分で運転しているらしい。それを誇りにしているのがおいおいちょっと違うんじゃないの?
と思った。衆議院議員としては運転している間があったら考えて欲しい。思索をするなり活動するなり
して単価の高い仕事をしてもらいたい。
また運転手も雇ってやり雇用機会も作ってやるべきだ。
何でもかんでも自分でやるというのは実は肝心な仕事をしていないのである。
車にのらずに電車で通勤すれば世情もわかるし移動中に思索や本も読めるのである。