「ラプラスの魔女」
東野 圭吾 角川書店
人気作家の東野圭吾の最新作。
いきなり竜巻でお母さんが亡くなってしまった。
そして温泉宿での映画プリデューサの死亡事故。財産目当ての若い妻が怪しい。
登場人物があちこちからいろいろ現れて一体どうなるんだ?
どうつながるのか?
と不安なまま物語は進み、
硫化水素中毒による死亡、殺人?の疑惑ということで中岡刑事と青木教授が捜査を
進める。
そしてお母さんを亡くした羽原脳神経外科を父に持つ円華のボディガードで雇われ
た武尾。
しかし不思議な能力を持つ円華にまかれてしまう。
甘柏映画監督の甘柏家は娘の硫化水素自殺で母も巻き添えで死亡し、
息子の謙人は植物状態で助けられたが、羽原教授の手術で奇跡的に回復する。
この病院で二人はつながり、円華は謙人を探している。
てなところまでで約半分。
どういう展開が待っているのかワクワクするが、東尾作品は暗い部分があるので不
安な面もある。
その後、中岡刑事、青江教授がそれぞれナゾに挑む行動をし、円華の超能力が随所
に見せつけられ
ストーリーは進む。
少しづつ紐が解けていく感じがする。
ここまでとしておこう。
やはり暗い。東野作品は暗い。
愕然とさせられた容疑者Xのときもそうだったが、後味はスカットせずあまり好き
ではない。
構想力はすごい感心するが…である。
ラプラスの魔女というタイトルが謎だった。
これが後半になってやっとわかった。
該当部分を引用しておく。
数学者ラプラス。
ピエール・シモン・ラプラス フランス人です。
もし、この世に存在する原子位置と運動量を把握する知性が存在するならば、
その存在は、物理学を用いることでこれらすべての原子の時間的変化を経産できる
だろうから、
未来の状態がどうなるかを完全に予知できる。
この存在のことをラプラスの悪魔と呼ばれるようになる。
「自分はラプラスの魔女になりたかった」
彼女の心を動かしたのは、竜巻です。