「モチベーション・リーダーシップ」
組織を率いるための30の原則
小笹 芳央 PHPビジネス新書
小笹さんの新刊の案内がアマゾンからあったので興味を持った。
リーダー信条の見直しにもヒントがあるかも知れないと思って購入した。
しかしガックリである。
これまで読んだ本と内容はほとんど同じ。
とりたてて書き上げる点はない。
ま、せっかく読んだのだからちょっと書いておくか。
と一応マーク塗ったところを書き抜いたら、結構なもんになってしまった。
☆ ビジョンを語れ
自らのビジョン(実現したい未来図)を明確に掲げ、
人々の共感を得るように努めなければならない。
見えない未来を見る、そして示す。これがリーダーに必須の条件なのだ。
ビジネスとはメッセージを伝えること。
リーダーショップも突き詰めるとコミュニケーション行為
利益だけを追い求めるだけで確固たるメッセージのない事業は長続きしない。
リーダーが追い求めるのは「数字」としての「利益」ではなく、「利益」につながる具体的な価値の創出でなければならない。
☆ 判断行動 上司の父性的ファクター
公平で適正な評価を下すこと (これは今のリーダ信条に抜けている点)
☆ エントリーマネジメント
この言葉は以前も小笹さんの本で読んで知っていたが、今回一番印象に残った。
自分のリーダーシップを発揮しやすいように入口を管理するということ。
すなわち、「人材という資源を外部から調達する活動」と捉えるのではなく、
「組織の入り口を管理する」という広い概念で採用活動を捉えなおす。
確固たる「共感の接点」を創造すること重要となる。騙しあいではいけない。
・事業戦略のための人材でなく人材力が事業戦略を決める
・入りたい人材を選ぶのではなく、採りたい人を口説く
エントリーマネジメントこそリーダーが積極的に関与すべき。リーダーが組織を代表して社会を語り、
仕事を語り、自分を語るのである。
人生のおける重要な選択の岐路にたっている応募者は、非常にテンションが高い。
そういう相手にしっかりと対峙するためには、自らの理念やビジョンを明確に示すことが必要となる。
「質の高い共感者の創造」
共感してもらいたい会社の理念や価値観を応募者の頭の中に入れ、
迎え入れた後も継続的に価値観の共有に努めなければならない。
企業理念やDNAと呼ばれるものの共有の度合いが、真の意味での組織力を強化することにつながる。
リーダーは「共感の接点」を作り出すことに十分な時間とコストを費やせと言っている。
→ 採用活動にボランティアで参加しつづけた自分としては非常に心強い応援メッセージと感じた。
最後の語りは、常に必要なことであろう。
☆ エグジット・マネジメント
関係の解消の方が関係の構築よりもはるかにエネルギーがいる。
全員が辞めやすい環境を作ること。
☆ 人材ポートフォリオの視点を持て
☆ 信頼は約束と実行の積み重ね
によってしか構築できないとかかれているが、ちょっと違和感ありだ。
愚直に義を果たす、ぶれないという姿が信頼を生むのではないだろうか。
できそうな約束をコミットしていくら実行しても信頼は生まない。
その人の人間性を人は見抜く。「徳」ある人である。
「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」
信頼されるたる人間たれ。
☆ 「間」に生じる問題
問題を「個人」に帰結させるのではなく、
「どの人とどの人の間で問題が生じているか」
「どの部署とどの部署の連携が悪くなっているか」という視点で、
問題を見極めることである。
☆ コミュニケーション報酬
出た!これです。
「コミュニケーションを報酬としてとらえる」
この新しい発想が、組織の活力を生み出すとと同時にリーダーシップの成果を大きく左右する。
☆ 新しい言葉を創造する
KTCチームというチーム名を作ったことが大きかったと思っている。
活動を開始する前に一所懸命名前を考えた。
このときにすでにKTCチームのリーダーは自分になっていたのかも知れない。
その根拠を小笹さんは示してくれた。
唯一今回の本で新しかったところである。
組織の変革に大きな威力を発揮する要素、
それは「新しい言葉を創造すること」である。
リーダーは、言葉が持つ威力についても十分認識しておくことである。
☆ アクティブ・マイノリティ
この言葉も気に入った。元気をもらった。
もしもあなたが「自分ひとりではできない何か」を成し遂げたいと願い、
そのためにリーダーシップを発揮したいのであれば、「アクティブ・マイノリティ」になる覚悟が、
ほかの何より重要なことなのである。