「なぜ日本人は落合博満が嫌いか? 」
テリー 伊藤 (角川oneテーマ21) [新書]
ついタイトルに釣られて買ってしまった。
週刊ダイヤモンドの書籍紹介で目に留まった。
さっそくネットで頼もうとしたらいつも使っている楽天では在庫切れだったのでアマゾンにて購入した。
落合は私と同じ昭和28年生まれであるので、現役当時から注目をしていた。
巨人入りが解せなかったが(落合おまえもか!)、長島が大好きだったからと知るところとなった。
プロボーラーになろうとした話しは知っていたが、プロ野球会に入るまでの
紆余曲折をはっきり知ることができた。
そのくだりを書き写しておく。(P142)
大学をやめて実家の秋田に帰り、ボウリング場でアルバイトをしていた落合は、そこで
ボウリングに目覚め、本気でプロボウラーになろうとしていた。
たまたまプロテストを受けられなくなってしまったからプロボウラーにならなかった
だけで、もし無事に受験していたら、まちがいなくずっとそこで生きていたことだろう。
その後、東芝府中に「臨時工」として就職し、野球部に入った落合は、ここで再びバット
を手にすることができた。だが、そこは川崎市の名門チーム「東芝」とは似て異なるチーム
で、非常にマイナーなノンプロ軍団だった。
しかし、そのチームを落合のバットで初の都市対抗野球出場までもっていった。
この活躍が、日中はトランジスタラジオの基盤をコツコツ組み立て、夕方から野球の練習を
していた臨時工員を25歳にしてプロ野球選手に出世させたのだ。その東芝府中野球部も
リストラのあおりで、いまはもうない。落合物語の郷愁である。
これ以外はふーん、それで??
ちょっと著者のテリー伊藤氏の思い込み、自分の思いがたくさん出ているが
ちょっと書きすぎではないかと強く感じた。また同じことが何度も出てきてくどい。
落合が嫌われる理由
・ファンサービス(というよりもマスコミサービス)精神がない
・名球界入り拒否 カワイクない
嫌われることを怖がらない、気にしない落合力こそ日本を救うとテリーさんは言っているが
そんなに仰々しく言うこともなく、淡々とプロの仕事をしているだけということでは
ないのだろうか。
私自身個性的な落合は好きでも嫌いでもなく、野球人として立派だと思っている
それだけである。
嫌いだなんて思ってもいないのでタイトルに惹かれてしまった。
監督の話しで少し勉強になったところを書いておくと、中日の監督を引き受けた初年度の話しである。
これはスゴイと思った。
◎ 「指導者とは、教えるのが仕事じゃない。見るのが仕事だ」
見て、判断する。
見て、決断する。
言い得て妙である。指導者は「経営者」に置き換えることができるのではないだ
ろうか。
就任早々のキャンプでは1,2軍の枠を撤廃。
投手も10人が投げられる大部屋ブルペンを作った。
この仕掛けには驚かされた。
このまま優勝するなんて言い切って大丈夫ですか?には
「何言ってんの、テリーさん。できるから、できるって言ってるだけ。
単純な話しだよ。ただ、俺は「このまま」とは言ってないよ。いまここにいる
選手が、
それぞれ10%ずつ力を伸ばしてくれれば、必ず優勝できるっていうこと」
そしてキャンプ初日からいきなり紅白戦。
「だって、俺、ドラゴンズの選手のこと、まだ何もしらないんだもん。選手を知るのは
試合が一番いいんだよ。100の練習を見るよりも1の試合を見れば選手がわかる。
だから試合から始めたの」
「いままではいままで。今年はこうやるの。それは去年の秋から選手たちにも伝えてる
わけだから」
以 上