今日の一言 2006年 

今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日:12月13日(水)19時03分11秒
  久しぶりに掲載しましょう。

ちょっと古いですが、
日経ビジネス2006年11月6日号から

ちょっと日経ビジネスたまっていたので、伊方発電所の往復の際に一気に読みました。
その中から、

管理者が身に付けるべき10の能力

日本ゼオン 中野克彦会長の話を基に日経ビジネスがまとめたもの

http://www.zeon.co.jp/


 1 世の中の流れを予知して準備する
 2 5年後のあるべき姿を描き、挑戦する
 3 当面の目標・課題・評価を上手に行う
 4 戦略的指向で処理すべき仕事に重点を置く
 5 権限を委譲し、部下教育や自分の時間を確保する
 6 部下に与えられた仕事の達成を支援する
 7 真の原因をつかんで問題を解決する
 8 何を話したか以上に何を理解させたかである
 9 何を理解させたか以上に何を感じさせたかである
10 部下を感動させる力を持つ


いつも議論していることがそのままだと思いました。
非常にまとまっているのでいいなと思って書き留めました。



中野さんで検索したらこんなものを見つけました。

対談
アイスホッケーにみる人材育成と企業経営
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2005/04/pdf/026-034.pdf

中野克彦(日本ゼオン(株)会長)

藤村博之(法政大学教授)


読んでみましたが、非常に良かったです。
上記10の考えが出てきています。

◎ 7年間母校慶応大学のコーチをやった。
  その時のことを以下のように書いてます。
 鍛えるのも、技術の問題だけじゃなくて、学生としての行き方とか、
人生の生き方とか、先輩ですから、語れるようなことを語ってやることによって、
彼らが育っていくのを手助けする。そういうのを体験することによって、
あの頃はほんとうに一所懸命で充実していたなと。
仕事もやって、人間教育もやって、人生ダブルで生きるというのはこういうことだなと
感じていた。

◎ 大学3年生=中間管理職
 強いチームはこの層が強いのである。

◎ アイスホッケー部は勝つことが目的だけど、人間をつくることがまず前提にあって、
 人間がしっかりできて初めてアイスホッケーも勝つんだよ。
 部活は人間形成の場でもあるんだ。


◎ 小さい戦いに勝て

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2005/04/pdf/026-034.pdf

 




六正  投稿者:四国の井崎  投稿日:12月16日(土)06時44分17秒
  会社の上司の常務から「貞観政要」を読みなさいと言われて読み始めています。
中国史に詳しい常務は、中国一の名君といわれた唐の太宗のことを勉強しろということらしい。
はやし君ぐらいでしょうなあ。これを読んでいるのは。

私は漢文は大の苦手。
ということで山本七平さんの帝王学(文芸春秋)を読み始めたところです。

まだ10分の1くらいですが、いいこと書いてますわ。

「六正六邪」のところ
なかなか六正の人間なんていない。
競馬をやるのは邪だそうで、わたしは失格ですわ。ははは。

余暇はもっぱら競馬・競輪・遊里という人も信用できないし…。
との下りがあります。

私は競馬の友はとても信頼できると思っております。


「聖臣」
きざしがまだ動かず、兆候もまた明確ではないのに、そこに明らかに存亡の危機を見て、
それを未然に封じて、主人を、超然として尊栄の地位に立たせる

「良臣」
とらわれぬ、わだかまりなき心で、善い行いの道に精通し、主人に礼と議を勉めさせ、
すぐれた計りごとを進言し、主人の美点をのばし、欠点を正しく救う

「忠臣」
朝は早く起き、夜は遅く寝て勤めに精励し、賢者の登用を進めることを怠らず、
昔の立派な行いを説いて主人を励ます

「智臣」
事の成功・失敗を正確に予知し、早く危険を防いで救い、くいちがいを調整してその原因を除き、
災いを転じて福として主人に心配させないようにする


「貞臣」
節度を守り、法を尊重し、高給は辞退し、賜物は人に譲り、生活は節倹を旨とする

「直臣」
国家が混乱したとき、諂(へつら)わずにあえて峻厳な主人の顔をおかし、
面前でその過失を述べて諌める

いやー、汗が出てくるわ。
6正の人を見たことがあるかなあ…。

太宗は最後の直臣の意見をよく聞いた。
諫言を職務とする「諫義大夫(かんぎたいふ)」という人を置き、
諌めてもらっていたのである。
その諫義大夫の「魏微」がこの六正・六邪を説いたものである。
 



「十思」「九徳」− 身に付ける心構え  投稿者:四国の井崎  投稿日:12月20日(水)09時01分14秒
  九徳
1 寛にして栗 : 寛大だが、しまりがある
2 柔にして立 : 柔和だが、事が処理できる
3 愿(げん)にして恭 : まじめだが、丁寧でつっけんどんではない
4 礼にして敬 : 事を治める能力があるが、慎み深い
5 擾にして毅 : おとなしいが、内が強い
6 直にして温 : 正直・率直だが、温和である
7 簡にして廉 : 大まかだが、しっかりしている
8 剛にして塞 : 剛健だが、内も充実している
9 彊(きょう)にして義 : 強勇だが、義(ただ)しい

裏返しをなぜか十八不徳(九不徳と言わないのかな?)としている
1 こせこせうるさいくせに、しまりがない
2 とげとげしいくせに、事が処理できない
3 不真面目なくせに尊大で、つっけんどん
4 事を治める能力がないくせに、態度だけは居丈高
5 粗暴なくせに、気が弱い
6 率直にものを言わないくせに、気が弱い
7 何もかも干渉するくせに、全体がつかめない
8 見たところ弱弱しく、内もからっぽ
9 気の小さいくせに、こそこそ悪事を働く
 


「十思」「九徳」− 身に付ける心構え  投稿者:四国の井崎  投稿日:12月20日(水)08時59分3秒
  引き続き貞観政要から

「十思」

 1 欲しいと思うものを見たら、足る事を知り自戒する事を思う
 2 大事業をしようとする時は、止まる事を知り民の安楽を思う
 3 高ころびしそうな危ない事を考える時は謙虚に自制する事を思う
 4 満ち溢れるような状態になりたいと願望が起これば、
   老子の『江海の能(よ)く百谷の王たる所以は、其の善く下る以ってなり』で、
   満ち溢れる海はすべて川より低い事を思う
 5 盤遊(遊び)したいと思うときは、必ず限度をわきまえ、
   狩のとき『三駆以て度となる』
   すなわち一方に逃げ道を用意してやるのを限度とする事を思う
 6 怠け心が起こりそうだと思えば、始めを慎重にして終わりを慎む事を思う
 7 自分の耳目を塞がれているのではないかと心配ならば、虚心、部下の言葉を聞く事を思う
 8 中傷や讒(ざん)言を恐れるなら、まず自ら身を正して悪を退ける事を思う
 9 恩恵を与える時は喜びによって賞を誤る事が無いように思う
10 罰を加えようとするときは、怒りによって重すぎる罰にならないように思う


裏返しを考えてみると明瞭になる
十不思

 1 欲しいとなれば、前後の見境なくやみくもに欲しがる
 2 企画を思いつくと社員のことなど忘れて突っ走る
 3 名誉職を高望みして自分の位置を忘れる
 4 まだ足りぬ、まだ足りぬ、と上へ上へと事業を拡張して破綻し、
   静かに、低く堅実にやっていればそうなることを忘れる
 5 遊び出すと限度なくそれに溺れ
 6 軽率に始めてすぐいやになって関心を失い、終わりを全うせず放り出してしまう
 7 おだてられて耳目を塞がれていることを思わず、部下の直言に耳を貸そうとしない
 8 中傷や告げ口に楽しそうに耳を傾け、厳然たる態度でそういうことを言わせないという態度がない
 9 恩恵を与える時は喜んで無茶な恩恵を与え
10 罰するときは怒り狂って罰に限度がない
 


「貞観政要」六邪  投稿者:四国の井崎  投稿日:12月18日(月)09時29分23秒
  六邪

「見臣」
 官職に安住して高給をむさぼるだけで、公務に精励せずに世俗に無批判に順応し、ただただ周囲の情勢をうかがっている

「諛臣(ゆしん)」
 主人の言うことにはみな結構ですといい、その行いはすべてご立派ですといい、
  密かに主人の好きなことを突き止めてこれをすすめ、見るもの聞くものすべてよい気持ちにさせ、
やたら迎合して主人とともにただ楽しんで後害を考えない

「姦臣」
 本心は陰険邪悪なのに外面は小心で謹厳、口が上手で一見温和、善者や賢者をねたみ嫌い、
  自分が推挙したい者は長所を誇張して短所を隠し、失脚させたいと思う者は短所を誇張して、長所を隠し、
  賞罰が当たらず、命令が実行されないようにしてしまう

「讒臣(ざんしん)」 讒とは事実にないことを言って他人をおとしめること
 その知恵は自分の非をごまかすに十分であり、その弁舌は自分の主張を通すに十分であり、
 家の中では骨肉を離間させ、朝廷ではもめごとをつくり出す

「賊臣」
 権勢を思うがままにし、自分の都合のよいように基準を定め、自分中心の派閥をつくって自分を富ませ、
 勝手に主人の命を曲げ、それによって自分の地位や名誉を高める

「亡国の臣」
 佞邪(ねいじゃ)をもって主人にへつらい、主人を不義に陥れ、仲間同士でぐるになって主人の目をくらまし、
 黒白を一緒にし、是非の区別をなくし、主人の悪を国中に広め、四方の国々まで聞こえさせる


「六邪」がいると「六正」は自ら去るか失脚するかだから、結局は「六邪」がすべて取り仕切ることになってしまう。
そうならない場合は「賢臣は六正の道に処(お)り、六邪の術を使わず、故に上安くして下治まる。
これを現出するのが「人臣の術」なり。
 





今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日:10月 5日(木)06時20分29秒
  今週の日経ビジネスは人材特集「人材沈没」です。
P45にこんな言葉がありました

「熱い心」を持って働く人の陰には、
同じように熱い心を持って支える上司がいる。


「人材投資」という言葉が何度も出てきますが、
5年前に私はこれからは設備投資ではなく人材投資だ
と社内で熱っぽく語っていた言葉です。

そして昨年来の活動のなかでP33
-濃密な対話成長が成長の「原点」-に書いてあることを気づいています。

一見、遠回りのように思えるが、トップと社員との本音の対話を通じて、
働くことの意味や価値感を共有することが、
社員の「やる気」を高め、組織力の向上にもつながっていくのである。

ANAの大橋社長が行ったダイレクトトークがまさにそうでした。

ところでJALの安全啓発センターに、次回東京遠制11月18日関係の出張にあわせ
16日(木)11時に予約が取れました。(なかなか予約が取れないのだ、これが。)
2名で申し込んでいますが、東京のかたで行きたいとの希望がありましたら
1,2名はなんとかなると思います。
いかがですか?
 


今日はお休み  投稿者:四国の井崎  投稿日:10月 7日(土)06時39分43秒
 
昨日、今日と伊方発電所リーダークラスの異業種交流研修を実施しています。
仕掛け人としてはフルに面倒をみないといけないので今日はの競馬は
お休みです(HPの更新は休みということでメインくらいは投票するでしょう)。

今日のところは昨日のコンサルの先生のお話のメモを掲載しておきます。
普遍的な内容なので問題ないでしょう。

初めて管理者に配属になったときの気持ち。

1 義務感     しんどいなあ。
2 責任感     与えられた以上はやる。
3 使命感 天職  ワクワクしてやるぞー。


現代の方向性
先端技術 ⇒ そもそもの話題に回帰

過去の反省
現場の品質の強さ
その本質を理解しないままグローバル戦略へ
大混乱

不易と流行

変えてはいけないものの見極めできなかった日本

松下電器
不易が一杯あった
中村さん社長就任時の宣言
幸之助の7信条以外は全部変えるよ
呪縛から解かれて一気に

ソニー
変えることが風土だった会社
かえちゃいけないものがあった
メーカとしてのスピリット
出井さん ソフトのほうに注力
土台揺らいだ

中鉢さん
就任演説
心のV字回復をしたい
ソニーのライバルとは創業時のソニー

トヨタ
ちゃんとわかっていた。
現場の言葉に落としていた。現場力
95年からグローバル戦略


今は心の時代

現場力の本質は人の心にある
企業の戦略と結びつけないといけない

内発的報酬

リーダーの役目は2つ
◎機能的  代わりはいない
 作業的  代わりはいる


平時 マネージャ  How
◎ 激動時 リーダー  WHAT WHY


リーダーはどう育ったか?

修羅場の経験
勉強+死ぬほど考える
さらなる修羅場の経験

大企業の中での修羅場は?
今は敢えて与えないと
経験のチャンスがない。

研修の場がどのように変わってきたか

ビジネススクール

◎ 知的な修羅場の体験

本人が考え抜くことで獲得する

今回の交流会の流れ

「拡散」と「収束」

今日、明日は拡散
3月は収束

経営者としての視点
全社レベルでの問題の確認

で進めましょう。
 




交流研修終了  投稿者:四国の井崎  投稿日:10月 8日(日)07時11分47秒
 
講師の2日目の話のメモを披露しておきます。

現場力と人材育成

経営とは

1 利益の創出
2 事業の拡大再生産 新規事業
3 社会貢献
  税金
  雇用
  製品・サービス
  環境

経営者の役割

意思決定:固有の役割
判断+決断=合理的+情緒的(夢と価値)

戦略性を持って合理的に判断
決断には責任が伴う  ⇒ 正しい価値観・哲学が必要

戦略とは
明確な目的を持って仮説

価値前提
理念
経営ビジョン 職場のあるべき姿
事業領域

会社は誰のもの

 純粋資本論  株主
◎純粋人本論 人のもの お客様・社員  ⇒製造業が回帰

経営者は自分の価値観をしっかり持つことが重要

経営者は徳が必要
公平、公正、正義、勇気、誠実、忍耐、努力、博愛

将来像(自分でやりたいもの)から現在を眺めて、道筋をつける


意思決定とは
期限までに具体的な方針をたてること
 









今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日:10月17日(火)08時46分55秒
  日経ビジネスの今週号から

吉野家の阿部社長が経営学を連載しているが、今週が3回目。
私のテーマのモチベーションだ。
「5%の社員が決める」

組織は30%を支配すれば動く!(伝染病のウィルス蔓延のしきい値より)
これが近藤会長(当時)から組織課長就任挨拶時にいただいた言葉であった。
エプソン道場のS部長からは20−80 トウェンティ-エイティの法則とも言われている。

そこへ引っ張る核となる社員は5%というのが阿部社長の論であった。

それはさておき、気にいったフレーズはここ

「希望のタネは必ずある」
どんなことでもエネルギーになるんですね。
恵まれた環境とか、豊かな報酬とかはあまり関係がなくて、
何に頑張れて何にしらけるかという普遍的なマインドは、基本的に変わらないと思います。
どんな環境であっても、働く意義や楽しみはあります。
一生懸命のタネはどこにでもあるのですから、それさえ見つければ働けるということになるんです。


「戦術思考」と「戦略思考」  投稿者:四国の井崎  投稿日: 9月 6日(水)11時47分43秒
  昨日の続きです

機長の危機管理 (講談社)より

第3章 危機管理の仕組み

「戦術思考」と「戦略思考」

「戦術思考」: 作業主体の考え方 (Tactical Thinking)
         「今」のことに目を向けて「業務」を手落ちなく「実施」すること

「戦略思考」: 「もしも…」のことを主体的に考えること (Strategic Thinking)
         「先」のことを考えて「危機」に陥らないように「方策」をたてることです。

近視的 vs 遠視的
具体的 vs 抽象的
現象的 vs 予知的
現在的 vs 将来的
作業的 vs 政策的
現場的 vs 本社的
手足的 vs 頭脳的
合理的 vs 合目的的
速い、疲れにくい(持続性がある) vs 遅い、疲れやすい(持続性がない)
未経験のことには対処できない vs 新しいことに対処できる、工夫や創造ができる

そして戦略思考ができることが機長の条件、エアマンシップと言い切っています。
 

今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日: 9月 4日(月)08時26分23秒
  機長の危機管理 第2章 機長の実像 より

なりたての機長に贈る言葉

「機長は偉いがゆえに長(おさ)たらず、責任のために長たらん」

この言葉どおりの感じを昨年の花王の企業訪問で感じました。
 

近江商人の「三方よし」  投稿者:四国の井崎  投稿日: 9月 3日(日)07時18分37秒
  「江戸に学ぶ企業倫理」より

近江商人の「三方よし」
「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」


◎身分制の底辺に末業として制度上位置付けられ、
 道徳上でも賎商意識に囲まれていた江戸商人が、
  自らの存続を維持し営利追及の正当性を根拠づけるには、
  社会と共に生きること(三方よしなど)、
  公正な価格と利益、正直、質素、勤勉、謙譲、陰徳善事(陰での善行)……
  等々に留意して行動することが何よりも大切であった。

この三方よしの流れをうけているのが大阪堺発祥のサントリーの利益3分主義であろう。

サントリーは広範にわたる社会・文化活動を展開していますが、
その原点は、創業者鳥井信治郎の「利益三分主義」にさかのぼります。
信治郎は、利益の3分の1はお客さまへ、そしてもう3分の1は社会に還元すべきとの
強い信念を持ち、恵まれない人たちへの慈善活動、社会福祉事業に熱意を示しました。

 http://www.suntory.co.jp/company/info/idea/contents1_5.html
 
恩田 杢  投稿者:四国の井崎  投稿日: 9月15日(金)06時45分56秒
  すっかり涼しくなってきましたね。
先月の長期予報では秋晴れが続くと言っていたのにゼンゼン違うじゃん。
16日はゴルフなのでメインだけ投票する予定。
土曜日は夜も出かけるのでHP更新は日曜の午前になりそうです。
そろそろヒットを飛ばしたいなと思っているところ。

読書の秋でもありますので読後記にも精を出しましょう。

信州松代藩の藩政改革を行った家老恩田杢(おんだもく)のことが
「江戸に学ぶ企業倫理」に熱っぽく書かれていました。

恩田は宝暦4年(1754)家老に就任、改革に実績をあげた。

ひぐらしすずり【日暮硯】(著者・成立年未詳)に書かれているようですがこっちは読んでません。

http://www.siawase.info/wado/mk.html



杢は足軽派遣を廃止する。これは、農民の負担軽減だけでなく、取り立て費用の節減にも貢献する。しかし、それは農民観の転換がなければできない。足軽派遣は、農民は怠け者であり、年貢を出し渋り誤魔化すという不信感に基づく。杢の農民観は正反対である。本来、農民は決して怠け者ではなく、正直者であり、農耕に勤しみ、納得すれば進んで年貢
上納に応ずるものである。このような農民観・人間観に立たなければ、
農民の自主性・自発性に依拠した年貢収納システムへの転換は不可能である。
杢の人間観はマクレガーのY理論そのものである。


現代のリストラや成果主義が少なくない従業員に支持されず、また企業不祥事が絶えない背景に、経営者の公約不履行、自己犠牲の精神の欠如、結果責任の不明確さ、
などに象徴される経営者側における率先垂範の姿勢の欠如があることを否定できない。
家族や同族にまで公私混同の非難を受けない行動を求め、信頼関係の構築に腐心し、
改革の実践を率先垂範する杢の姿勢に学ぶ意義は大きい。

コミュニケーションによる参加者意思決定が関係者の人間的相互作用を通じて相互信頼と相互支持の関係を構築・強化することは今日では実証的にも解明されている。
上位下達ではなく、コミュニケーションにより関係者の同意・承認を求めた杢の意思決定の方法は「権限受容説」の実践である。
権限受容説 : 意思決定は関係者が同意・承認した時に実効性のあるものとして機能する
人間は同意・承認した決定には自主的・自発的に取り組み、その効率性も高まるという人間性の理解に立脚するものである。
同様な杢の思想は身分制を根幹とし、上位者の絶対権限を前提とする封建社会においては稀有のものである。

○価値観の共有と協働意識
杢の財政改革の特徴は、その責任者である自分自身の質素倹約は別として、
人々には画一的な経費削減を強制していないことである。
現代のリストラでは経営者の報酬や従業員の賃金が真っ先に、しかも画一的に削減されることが多い。
しかし、画一的な経費削減で再建が成功した企業は少ない。
一律の経費削減は何よりも関係者の勤労意欲や組織帰属意識を減退させるからである。
経費節減に関係者の理解・支持がなければ積極的な協力は確保できない。
逆説的であるが真田公に入費削減を求めない方針は、君主が持つ組織凝集力や武士の価値観を考慮した
判断である。人間は価値観を共有でき行為の意義を理解できれば、多大の犠牲を伴う行為にも自発的な
協働意欲を発揮することができる。これは歴史を超越した人間の本性である。
当然ながら、杢も「極力冗費を省く」ことを関係者に求めているが、俸給カットはせず職責を果せば娯楽も
認めている。人間の動機・欲求が充足できなければ、継続的な組織貢献意欲は担保できない。
バーナード流に捉えれば、個人の動機・欲求を充足し自発的協働意欲を確保し改革を成功させようとする
杢の姿勢は極めて近代的であり、現代においても人材活用の根幹に位置付けられるべきものである。
人間の本性を理解しない経営は長期的な繁栄を保障するものではない。
 


ありがとうのフィードバック  投稿者:四国の井崎  投稿日: 8月10日(木)08時13分43秒
  ANAのTさんのメールから


「ありがとう」のフィードバックはとても大切なことであると思います。
言う方も、言われる方も、優しい気持ちになったり、嬉しく感じたりします。
私はこれを、10年弱の大阪在勤時に肌で感じました。

例えば、
会社のドアやエレベータで自分の後から来る人のために、扉を手で押さえている場面。
多くの人は「すいません」  大阪では「ありがとう」
(mailではイントネーションが伝えられず、歯がゆいですが。)

例えば、
店で買い物をして、お釣りを受け取る時。
大抵は無言、言ってもせいぜい「どうも」、大阪では「ありがとう」

「ありがとう」と言われる方が絶対気持ち良い。

海外旅行に行っていると、気軽にThank youと言えるのに、
日本語で言えないのは何故でしょうか。

10年弱もいましたので、大阪には好きなモノや場所が沢山ありますが、
タイガースでもなく、たこ焼きでもなく、
この「ありがとう文化」が私は最も好きです。
また、この「ありがとう文化」は、CS意識とその向上につながるものと
確信しております。

(昨年10月)

そして今年7月


私のメール
☆ ありがとうのフィードバックやってるじゃありませんか!!!!!

最後に大橋会長が見せてくれました。
ダイレクトトークで従業員の意見で聞いて始めたもの。
給料明細書に「お客様のありがとうのメッセージを印刷」
あなたのお給料はお客様からいただいたものです。

イヤー、こんないいお話があったなんて。
KTCのありがとうのフィードバックの気持ちとおんなじです。
嬉しくなりました。

てな、ことでこの26日の大橋さんのプレゼン資料のPPTはファイルでなくて
印刷したものでもいいのでいただけませんか?
もし取りにくればということであれば東京支社のものをとりにいかせます。
どうぞよろしくお願いします。

その返事


給与明細の件は、基本的にはあまり社外にはお知らせしておりません。
が、会長がセミナーで話してしまったのですね。
苦笑いです。

実際には会社が給与を支払っていますので、
通常、会社または社長から給与を貰っているという感覚になってしまいますが、
そうではなく、本質的にはお客さまにお支払いただいた運賃によって、
我々の給与があるという感覚を持ってもらうため、
このようなことを行なっております。

ちなみに先月は、悪天の中、無事に着陸を行なった機長の話でした。
着陸前の機内アナウンスぶりと、スムーズなランディングの一方、
降機時に搭乗橋の窓から見えた操縦室内の「ぐったり疲れきった表情」の
ギャップに、プロの仕事ふりを感じました、という内容のお褒めのお言葉です。
 

英 俊 豪 傑   投稿者:四国の井崎  投稿日: 8月 7日(月)21時35分20秒
  鶏肋は話しのイントロで

常盤社長が引いていた
「時務を識るは俊傑に在り」
だが俊傑なんぞはたいしたことない。
俊傑を見つけてうまく使えば英になれるのである。

英 10000人に1人
俊  1000人に1人
豪   100人に1人
傑    10人に1人

だそうです。
こういう中国古事の教育を時々受けておりまする。

ありがたいことです。

ということで最近休業状態の掲示板に書き残しておくことにしました。

下記サイトからの転掲です。

「智、万人に過ぎたるは、之れを英と謂い、
千人は之れを俊と謂い、
百人は之れを豪と謂い、
十人は之れを傑と謂う」。

http://www.zenbunka.or.jp/03_magazine/mumon/007.htm

 

鶏肋(けいろく)  投稿者:四国の井崎  投稿日: 8月 7日(月)21時24分13秒
  http://www.mizz.jp/word/word_26.html より引用

韓国の大統領は鶏肋大統領と揶揄されているらしい。
韓国の方が中国古事をよく勉強している。
日本のマスコミはそんな記事はとても書けないだろうということを
中国史に詳しい上司に言われて、きょとん。
すぐに調べました。



鶏肋(けいろく)

 後漢(ごかん)の末に魏(ぎ)の曹操(そうそう)は蜀(しょく)の劉備(りゅうび)や諸葛孔明(しょかつこうめい)たちの軍と漢中(かんちゅう)で戦いました。曹操の軍は、さらに攻(せ)め込もうとしましたが、あまりに遠征(えんせい)が続いたため戦況(せんきょう)も一進一退(いっしんいったい)の状況(じょうきょう)でした。

 そこで、さすがの曹操もこれ以上戦っても無駄(むだ)なことだと判断し、一言「鶏肋だ」と言いました。

 ところが、配下(はいか)の武将(ぶしょう)たちは曹操の言った言葉の意味がわからず困っていました。しかし、その中で一人楊修(ようしゅう)だけは、さっさと引揚(ひきあ)げの準備(じゅんび)に取りかかっていました。楊修は魏で一番の切れ者と言われた人で、いつも曹操の心を読み取るのに長(た)けている人でした。

 他の武将たちは驚(おどろ)いて楊修に、どうしてわかったのかとたずねました。すると、楊修は答えました。

「そもそも鶏肋(ニワトリのあばら骨)は、食べようとしても肉は無く、捨(す)てるには味があって惜(お)しい。我(わ)が魏王(ぎおう)の心中(しんちゅう)もそのようなところであろう。」

 こうして、他の武将たちも引揚げの準備を始めました。

 このことから「鶏肋」とは、大した物では無いが捨てるには惜しいという意味で使われるようになりました。

 しかし、楊修はいつも曹操の心を言い当てていたので、この件でとうとう曹操の怒(いか)りにふれ殺されてしまいました。そして、曹操の軍は無理(むり)して戦いを続け、散々(さんざん)な目にあってしまいました。

 また、他に「鶏肋」は体が貧弱(ひんじゃく)であるという意味でも使われることがあります。

http://www.mizz.jp/word/word_26.html

日本海軍「初級仕官心得」  投稿者:四国の井崎  投稿日: 8月16日(水)18時17分19秒
  今週は夏休み。
サントリー佐治敬三伝を読んでます。

「ほんきげんよう遊びなはれ」 これがいいですなあ。


さて海軍大尉だった敬三氏であるが
サントリーには海軍の匂がすると筆者の廣澤昌氏は書いている。
「新しきこと、面白きこと」


日本海軍「初級仕官心得」
戦後の日本経済の復興は、こうした訓練を受けた若い士官経験者が復員して、
リーダーとして社員を引っ張っていったことが大きいのではなかったかと
思われる。

全部で29項目


 1 熱と意気を持ち純真であれ
 2 つねに修養につとめよ
 3 広量大度でつねに快活であれ
 4 礼儀正しく、敬礼は厳格であれ
 5 旺盛な責任感をもて
 6 すすんで雑事にあたり、常に縁の下の力持ちとなれ
 7 日常座臥・研鑽に勤めよ

(注)座臥
  ざ‐が〔‐グワ〕【座×臥・×坐×臥】
「ざが」を大辞林でも検索する

座っていることと寝ていること。
おきふし。また、日常。ふだん。「行住―」「常住―」

○ いつでも研鑽しなさいということかな。

 8 信じるところを断行せよ
 9 自分で問題を解決せよ
10 報告はマメに行え
11 骨をおしむな
12 命令は忠実に、その実施は迅速確実であれ
13 船乗りらしくあれ
14 技術に対する関心を深めよ
15 回覧類は熟読せよ
16 小言を言われるうちが花
17 デアレ、ラシカレ主義であれ
18 常に整理整頓を心がけよ
19 5分間の精神を持続せよ  ← これってよくわからん 誰か解釈してくれ
20 公私の別を明らかにせよ
21 他者の依頼には快く応ずる心がけを持て
22 ものごとにはけじめをつけよ
23 常に部下とともにあれ
24 部下の指導には援厳よろしきを得よ
25 短絡(ショート・サーキット)を慎め
26 感情に訴えるような部下指導は避けよ
27 率先垂範の実を示せ
28 テーブルマナーは一通り心得ておけ
29 上陸して飲食や宿泊をするときは、一流の店を選べ
 
利便性を追求する顧客  投稿者:四国の井崎  投稿日: 8月23日(水)09時04分46秒
  自己実現道場というのを1年ほど続けています。
なかなかの模範回答が出たのでご披露しましょう。

◎ 顧客満足を追及することが本当に「真」なのか?

 私は、顧客満足を追及することは「真」だと思います。

 確かに、顧客は、往々にして、移り気で、わがまま、めんどくさがり、身勝手・・・なものだと思いますが、
 古今東西、顧客のその際限ない要望に応えようとする取り組みが、社会を発展させるエンジンであるといっても過言ではないと思います。

 ただ、顧客満足を追及すること=顧客に媚びること、ではないと思います。


 鉄道や飛行機の例でいえば、定時運航やさらなるスピードアップを求める顧客の声は多いことでしょう。
 それに比べ、安全運転についての具体的な要望は少ないことでしょう。

 しかし、だからといって、安全を犠牲にしてスピードを上げることが顧客満足の追及とはいえませんよね。
 なぜなら、「安全」は、いうまでもなく最優先で考えるべき大前提であり、これを欠いたサービス向上などありえないからです。
 (お客が急げというから急ぎました、というのは、値段を下げろというから柱を間引きました、という あの“紛いもの(耐震偽装)マンション”と同じですよね。)

 コストと品質、安全性を、単純なトレードオフの関係でとらえるのではなく、
 供給信頼度を損なうことなく、新たな発想や創意工夫で原価低減を図ってこそ、より高いレベルでの全体最適を実現してこそ、電力供給のプロだと思います。
 価格競争に勝つための、なりふりかまわぬ無節操、無定見なコスト切り下げは、・・・顧客を無視した暴挙ですよね。


 顧客の声に真摯にこたえつつも、表層的な要望に振り回されるのではなく、事業者としての責任と誇りをもって顧客価値の本質を掘り下げること、
 これが真の顧客満足の追及であり、これはやはり「絶対善」である、これが私の思いです。
 


今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日: 8月21日(月)06時14分11秒
  かなり古くなってしまったが、O元TMの自主鉄人のお礼に書くことにしました。

日経ビシネスの8月7日、14日号にサムソン電子の特集がありました。

李健熙(イ・ゴンヒ)会長の著書「新経営」1993年の紹介がありました。

その要点を3点ほど挙げてますが、
この2点目に強くうなずいてしまいました。


1 「21世紀は非凡な天才が数万人を養う」
2 「妻と子以外はすべて変えよう」
3 「人材が創造的な能力を発揮できる頭脳天国を造る」
 





今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日: 7月27日(木)23時16分53秒
  今日はちょっとメールのやりとりを紹介します

Subject: 川柳師匠とのやりとり  ・モザイクの中で動いているまさか


みなさん

ちょっとうれしかったのでお送りします。


---------------------------------------------------
待ちわびた夏が来ました
今日(7/27)から8/3まで北アルプスです
南岳、中岳、槍ヶ岳、西岳、大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳の縦走です
と言っても、これは家内の話で
私は「川柳まつやま」誌の最終編集・発送・例会と保安研の見学者案内のため
留守番です
・逆も真家内元気で留守もいい    s師匠

川柳マガジンに送った近詠10句を送ります
一息入れて頂ければ幸いです

      悠悠自適

・モザイクの中で動いているまさか
・蛸壺の中から痩せたソクラテス
・ブラックホールクレオパトラの鼻の穴
・私からわたしが逃げて出る毛穴
・大気汚染なかった頃のとんびの輪

・目的地は虹カーナビをセットする
・夕焼けを掴みに行った冒険者
・赤レンガの街で行方不明になる
・楽しみだなあ何の予定もない明日
・安心をするたび一つ歳をとる



From:四国の井崎
Sent: Thursday, July 27, 2006 2:34 PM
Subject: Re: 松山より7月の一寸一服(Part5)



いつもありがとうございます。
留守番ご苦労さまです。
さっそくの川柳がよかったです。

・逆も真家内元気で留守もいい


さて
・モザイクの中で動いているまさか
がちょっと???でした。

ここでの「まさか」について、昨日ANAの大橋会長が使っていたので
お知らせします。

山元社長がよく言っていることば。

人生、企業、世界どこにも共通の3つの坂がある。

登り坂
下り坂
そして「まさか」だ。
第六感を働かせて、そのまさかに対応すべし。
相撲は14勝1敗でも優勝できる。
しかし企業は1敗でも命取りになる1敗がある。
肝に銘ずべし。


「まさか」に反応してしまいました。


Sent: Thursday, July 27, 2006 3:27 PM
Subject: Re: 松山より7月の一寸一服(Part5)

お世話になっています
良い質問にこちらも嬉しくなります

世の中には多くの「まさか」があります
そして、その多くの「まさか」は良くないことが多いのも現実です
そして
その多くの「まさか」にはモザイクがかけられて
私たちの目に触れることになります

モザイクがかけられても真実を見極める目を養うことが
大切です

猛暑が続きます
ご自愛下さい
----------------------------------------------------------------------

「ちょっと嬉しかったので」と言う気持ちは、わかりますね。
・人から、良い話を聞いた
・聞いただけでなく、訊いたら、相手が「受け止めた」
・相手は、訊いたことに関し、胸に落ちる内容を返してくれた
・相手は「良い質問が嬉しい」。訊いた方は「的確に返してくれたことが嬉しい」。お互いが、嬉しい。
これは、まさに、「通い合うコミュニケーション」ですね。

「上り坂」「下り坂」「まさか」・・・面白い。使わせてもらいたいです。
モザイクがかかっている中で真実を見極めることは大切ですが、見極める目は、まだまだ、私には育っていないです。生涯の学習目標に思えます。
 


今日のひとこと その2  投稿者:四国の井崎  投稿日: 6月20日(火)23時33分49秒
  NHKワシントン支局長だった手嶋龍一氏のウルトラダラーを読んでいる途中。

北朝鮮の偽100ドル札作りフィクション。
ちょっとかっこばっかりとっているところはあるがまずまず楽しめる。

なんと東京競馬場まで舞台になっていた。
これは嬉しい。

その馬主の橋浦氏をスティーブンが訪問したときのセリフ

「いやあ、すんません。お待たせしましたな。
 橋浦です。初めまして。
 ブラッドレーさん、お若いのに、ようわきまえたりますなあ。
 吉野君(秘書)、よそさんに行ったら、先方さんがお見えになるまでは坐るもんやないで」

⇒ この礼儀は恥ずかしながら知りませんでした。

 そう言えば、東京支社のときにお客さんを応接で待たせて入った時に坐っていない
 お客さんを何人か見た覚えがあります。

 これから気をつけましょう。
 


久々の今日のひとこと  投稿者:四国の井崎  投稿日: 6月19日(月)18時45分49秒
  著者に聞く 日経ビジネス2006.6.19
 加藤 廣
「秀吉の伽」

(抜粋)

企業の成長過程を見て思うのは、おべんちゃらをうまく言いつつも
自分を見失わないことの大切さです。
 人間、誰しも上司の批判をしたくなるものです。
しかし、上司が若いうちは忠告に対する抵抗力があるのですが、
歳をとるにつれて必ず弱くなっていく。
そうなると、心地よいおべんちゃらしか聞きたくなくなるんですよ。
光秀はまさに忠告型の人間だったわけです。
信長は、天下をほぼ手中にすると聞く耳を持たなくなり、光秀を嫌うようになる。
その点、秀吉は生涯一度も信長に忠告をしませんでした。
ただし、あまりに酷い信長の命令は陰でこっそり無視しているんですね。
そこが秀吉のすごさだと思います。
 



3月30日

プレジデント

松下電器・中村社長
「わが経営改革の総決算」を語る
自己採点は50点。
石油暖房事故の反省、営業利益率5%の手ごたえ


リーダー、経営者になる人は、
自分の会社は何により社会に貢献するのかというフィロソフィー(哲学)を持っていないといけません。
たとえ起業したとしても、理念なき会社は短命で終わります。
ですから、時価総額を上げることは重要ですが、経営理念よりも時価総額が先にありきという経営は邪道です。

(この点から大坪次期社長を評して)
私とは違った長所を発揮してくれるものと確信しております。
松下電器には創業者の松下幸之助がつくってくれました経営理念、経営哲学というものが厳然としてあります。
もちろん大坪専務は、
「松下電器は社会の公器である」
「お客様本位に徹する」
「日に新た」(イノベーション)
などで言い表される精神をしっかり体得しています。


3月23日
谷川将棋棋士と関電森社長の対談 (電気新聞 3.22)

ファンのための指し手を ということで

正直、棋士がここまで考えているとは思いもよりませんでした。
創造性発揮のためにみなさん挑戦しているんですね。
驚きました。
私の大好きな「好奇心」という言葉が出てきましたので嬉しかったです。

ファンの方に新しい将棋をお見せしてゆくには、
まず、自分自身がどれだけ将棋を指しながら楽しめるか、わくわくできるかということが必要だと考えています。

私も棋士になってもうすぐ30年になり、公式戦で1700局ぐらい対局をしておりまして、
だいたいの棋士とは対局しています。
以前に勝った時のように指した方が、勝つ可能性は高いかもしれませんが、
それでは指していても面白くないんですね。
先ほど羽生さんの話をしましたが、羽生さんが強いひとつの理由として、
常に好奇心を持っていることがあるのではないかと思っています。
タイトル戦であるとか、大事な一局になると、普通は得意な戦法で戦いたくなります。
でも、得意な戦法というのは、勝つ確率が高いかも知れないけれども、なかなか新しい発見がない。
逆にあまり指したことがない戦法、苦手な戦法というのは、
リスクは伴いますが、当然新しい発見が得られる。
羽生さんは、そういったことを大きな対局でもされるんですね。
私も彼を見習い、時には苦手な戦法にも挑戦していこうと思っています。
そうすることで私自身もレベルアップするでしょうし、
長く棋士として活躍していくことにも必要なことではないかと思っています。

3月22日の電気新聞から

原子力安全保安院が原子力安全委員会に5年間の取り組みを報告

松浦祥次郎委員長は、今後の規制のあり方に関し、
「抑制、抑圧ではなく、仕事を行う人にやる気と誇りを持ってもらうような考え方を入れてほしい」と要請した。

私が1月末に原子力学会でお願いしたセリフと全く同じです。

「義は利の元なり、利は義の和なり。」
企業(人)として正道を歩む理念と価値観があり、
それが浸透していれば、自ずから倫理と安全は達成される。
企業(人)としての高い志が今こそ重要である。
安全よりも上位に位置づけるべき。

原子力関係者が、誇りを持って、活き活きと
仕事ができるように、原子力学会の活動に期待したい。

また、先生にメールを送ってみようかな。
(送りました)

3月7日

昨日の電気新聞の1面に東電のCSR精神が
尾瀬の保護(70%土地所有)をベースとして書かれていました。

トップの発言が掲載されていました。


現在の勝俣社長
「日常生活に欠かすことの出来ない電気を安全に安定的に供給することが
 東京電力が社会に存在する意義」

30年前の木川田社長
「企業に原点を置いて社会を見るという態度から
社会に原点を置いて会社のあり方を考えるという発想へ、
180度の転換を図ることが大切だ」

これは昨日のSさんの言葉そのものですね。
>私の考察のキーワードは「生きているか生かされているか」です。


東電の方、原子力の方の幹部の話を聞いても
経営理念、会社の社会的存在意義をいつも出されていて感心していましたが
(私もこうでなければいけないと意識しました)
この記事を読んでそういう肝をしっかり受け継がれているのだと思いました。

私が入社した頃のトップはよく語られていたなあとなつかしく思い出します。
昨日も書いたうように今は「競争」という言葉を聞かない日はありません。


Yさんの返信

●昔のトップは、何故、語り、今のトップは語らないのだろうか
志賀松さんの入社された頃は、トップは、よく語られたと書かれていましたが、当社も含め、多くの会社が、そうではないでしょうか。

・深く考えることなく、仕事をし、ビジネスを成功させた人が、段階的に出世してトップになった
・昔に比べて、組織が大きくなり、全社員に語ることが難しい
・社内PCネットワークがあり、必要情報は、誰もが引き出せることから、トップの語りを求めない
・「競争に勝つ」ことに、価値を置いている社員が増えた
等と、思いつくまま上げてみました。

私は、「会社が社会に存在する意義」「会社が競争に勝つ」は、同列の次元ではないと考えます。
@社会に存在する意義、使命
A事業定義、会社目標
B目標を達成する戦略
C戦略を実現する組織と人と仕事
のように考えてくると、「競争に勝つ」はAとBの間辺りに位置付けられるものだと思います。
会社が存続する為には、競争に勝つと言う事が重要な前提要件だと言えます。
しかし、「競争に勝つ」こと自体が、社会からも社員からも共感されるバリューでしょうか。

組織で働く人は、「事業内容、経営目標、仕事の面白さ、報酬」等に大しても、モチベートしますが、「この会社が、何のために存在するのか。その社会的意義は何か」に心から共鳴している場合には、自然と、「如何に良い会社にするか。自分は何を持って貢献するか」を考えます。いわゆる「自律型集団」です。「目標」ではなく「バリュー」で結ばれ繋がっている訳です。

●社員は、本当に、トップの語りを求めているだろうか
小さい頃から、ゲームやPCや携帯電話で育った若い世代は、そもそも「共鳴共感」に価値を置いていないのではないかと言う思いもあります。「個人別成果主義目標管理」は、当社も含め多くの会社が導入していますが、多くの社員が「私の目標範囲を限定して欲しい」と言う要望を持っている事実を知ると、今後の「組織」「組織における人間行動」は、経営目標の達成に向けて、真の組織目標・個人目標との「統合」を実現できるのだろうかと大きな不安を持っています。






2月7日記載

今日は列車の中で今週の日経ビジネスを完読
 
特集 当世すご腕伝説 はとても素晴らしかった。
思わず涙ぐみました。
 
彼らの価値感はまさに自己実現と社会貢献
抜き出してみます(かなり はしょってます)
 
鹿島 名物現場所長 中村さん
「建物に礼を尽くす」
 一切の妥協を許さずに建物と向き合えば、工事不良は出ない。
品質やコストを左右するのは職人の腕やモラル。
彼らを動かせなければ、品質は保てない。
「中村さんの現場というだけで燃えてくる」
優れた職人は所長で現場を選ぶ。
「理屈でなく、心で訴えかける人」
 
 
ローランドディー・ジー
 関 さん
 
「デシタル屋台」を考案
人を機械の歯車に貶めたのが20世紀の製造業
 (これってダイキンの草津工場で感じて寒くなった)
同じものづくりでも人間らしく楽しく働ける労働現場を作り上げることに価値感
 
⇒ おお、これって原子力の保守現場にも生かせることができないか?
 
 
京樽  会社再生を果たす
 小沼 さん
相手のやる気を引き出し、その気にさせる。
大鉈を振るう外科手術でなく、胃袋の中でゆっくり溶けた薬が、
じわじわ効いて来る漢方療法。
1人のカリスマが先頭で引っ張るよりも、小沼のような触媒の存在が
(上から下へのパイプ役と言うが、サッカーで言えば中盤の司令塔の役回り)
会社をゆっくり覚醒させていくほうが企業再生は確実なものになる。
 
 
大和証券
 上村女史
 
大学の授業で学長から聞いた「雑用」の話を胸に刻む。
大食堂のテーブルに皿を並べる、一見つまらないと思われる仕事でも、
その席に座る人が幸せになりますようにと祈りながら並べれば、
その仕事は雑用でなく意味を持つものになるのですよ。
 
⇒今、帰ってきた娘にいい話だと聞かせたところ
 大聖堂の石切職人に似ているといわれました。
 ちょっと違うんじゃないかなあ…。
 
いいお話だ。
通常、顧客をあまり意識していない発電部門だけど
地域の人の笑顔、幸せをイメージして仕事に向かえばわくわくしてこないか?
 
みんなの笑顔がみたい
そして、突如現れた四電グループのタグラインメッセージ
「しあわせのちからになりたい」 につながる。
 
 
最後のまとめに「自己実現」 、そして山口さんが響いたといわれる山田昌弘さんの「希望格差社会」が出てきます。
 
 
煎じ詰めれば、働くことの意義は
生活の手段、自己実現、社会との関係構築の3つに収斂する。
餓死と隣り合わせの貧困が影を薄め、インターネットの普及が個人との新たなつながりをもたらした現代日本では、
相対的に自己実現の比重は増す。
 
⇒ おお、われわれの道場の意義。
  そして長谷川さんのマズロー感そのもの。
 
「希望格差社会」の著者山田昌弘さんは言う。
「他者のためになるという社会性を伴って初めて、自己実現が成り立つ」!
 
⇒ おお、素晴らしいお言葉。感動と納得
 
 

2月6日記載

日経新聞の私の履歴書
 ジャックニクラウス
 E


自分の経験を踏まえ、一つだけ決めていることがある。
それは子供を追い込まないということだ。
何かを無理矢理詰め込まれた子供が成功するとは思えない。
まず、子供が何かに夢中になり、そのための支援を惜しみなく与える。
そうすることで初めて子供は成功する。




2月5日記載


日経ビジネス 2006.1.30号
有訓無訓
神田 捷夫(としお) 京急百貨店相談役
 お客の入りは信頼性映すだから増客増収が大事

「人はやる気になれば2.5倍売れるんだ」。
伊勢丹で育った私は、常務だった山中竄ウんに
よく言われました。
 ⇒ 2.5倍という数字が微妙で素晴らしい響きです。
  これは感覚として山中さんが会得された数字だったのでしょう。

売り上げとはお客様の信頼の評価。
それを増やすのは「一人でも多く店に来ていただくことだ」
利益至上主義に走れば、口では「顧客第一」と言いながら、
利幅が大きいからと、お客様が望まない商品を並べてしまうかもしれない。
お客さまを増やすという旗印は極めてシンプルだし、マーケティングだって一番簡単。


モノづくり忘れた金融大国に試練
今の米国には情報力や金融力に安住し、製造業を軽視する風潮がある。
モノづくりに励むよりも、住宅や株式で資産を増やした方が賢いと考えるようになり、
製造業の地盤沈下に関心を払わなくなった。

グリーンスパン氏の卓越した金融運営こそが、米国の製造業の再生を遅らせてしまったのは皮肉だ。
そして何よりグリーンスパン氏の18年は、米国の価値感を変えてしまった。

GMは自動車も作る銀行になっていた。
2005年の金融子会社GMACが会社の利益の100%以上を稼ぎ、自動車事業を支えた。

日本でも若年層を中心に、製造業で汗を流すよりも、株式などによる資産形成で一儲けしようという
風潮が出ている。

食材のチカラ − こんにゃく  
 便秘の改善、ダイエットに

 こんにゃくの主成分グルコマンナンは、胃の消化酵素では分解されず腸内の水分と混ざってゼリー状となる。
これが腸内に長時間とどまることで空腹感を防ぎ、老廃物の排出を促すとともに便の排泄を助ける。
カロリーも100gで6キロカロリーと少ない。

重岡 昭夫 ロッテオーナー代行 
編集長インタビュー

バレンタイン監督は選手のい育成にも熱心。
昨春のキャンプでは「今江内野手と西岡内野手は将来のイチローだから覚えておいてくれ」と言われました。
それが回りまわって本人の耳に入ることも計算していたのだと思いますよ。

敗軍の将、兵を語る
黒野 匡彦 成田国際空港社長


完成談合の指揮者について以下を語る

客野と伊藤の2人が談合を指揮していたのは事実です。
しかし、それで私服を肥やしていたわけではありません。
我々の調べでは、飲食などの提供も受けなかった。
私も2人のことをよく知っていますが、
「組織のため、先輩のためにやった」としか思えないのです。

⇒ 役人、縦割り組織にある考え。
   「顧客思考」が全くない。
   このことは花王の企業調査で指摘されて自分でハッと気がついた。
   組織のためは社会のためだろうか?
   よく考えないといけない。
   黒野さんも運輸省のキャリアだけにこういう思考になるのはわかるが、
   そういう官僚機構は改めなければならない。
   カルチャーを変えるのは容易ではなかろう。

新春特別メッセージ
カルロス・ゴーン氏


どこに復活の潜在力を見いだしたのか?の質問に答えて

その答えは単純です。
人材です。
日本の人々は国にとって貴重な財産です。
これは私が感じていることなのですが、
日本の皆さんは何事にも献身的に取り組みます。
それに企業や社会に対して忠誠心があって、個々が持てる力をフルに発揮しようと一所懸命努力します。
そいした精神が組織の力となり、大きな力を持ちます。
そして非常に細かいところに注意が届きます。

世界鳥瞰
ダボス会議のインド礼賛

議題の変化 アウトソーシングからイノベーションに!
「イノベーションの構築」
「創造性はいかに役立つか」
「知的財産が存在しない世界」
「イノベーションを現実に」

こうした議題の変化は、コストと品質の競争だけでは価値を創造できなくなった企業が、
イノベーションに救いを求めている事実を反映している。

コストや信頼性に基づく経営手法が、設計に基づく、顧客中心型の新経営手法に取って代わられようとしている。

そして、多くの経営者は、中国を製造の外部委託先と考えるように
インドをイノベーションの外部委託先と認識している。

世界経済の支点がアウトソーシングからイノベーションへ
コスト削減から創造に移りゆく中で、ダボス会議はインドを称える。





日経ビジネス 2006.1.23号

宛名を書かなくても郵便局の管轄区域内の全戸に届くサービスを開始 (郵政省 昨年9月から)
 (松下が暖房機事故対策で使用)


太陽化学(食品素材、三重県) カテキンで世界首位
インド人の副社長が陣頭指揮。
「「食」という漢字は、「人に良い」と書く。食べ物は体に良いものでないといけない」と
日本語でのプレゼンテーションもお手の物。

ジェネジャ・レカ・ラジュ副社長  
(前社長が名古屋大学で博士号を取り米国就職が決まっていた彼を口説いて入社させた)


ダイエーその後
過去のマイナスとは、森商品供給本部長が「セクショナリズムの権化」と呼ぶ縦割り文化だ。
惣菜部門は社内の鮮魚、精肉部門などと連携せず、独自に材料を調達していた。
これではスケールメリットが出ずにコストが割高になる。
それぞれの素材に対する深い専門知識がないため、味は落ちる。

 ⇒そんなことになっていたとは。ひとつの会社なのに。
  お客様視点が消えうせている。
  
林 文子 CEO
自分たちの店を差別化するのが非常に難しい時代です。
ですが、私は人の気持ちという一点において必ず差別化できると思っています。







今日のひとこと 投稿者:四国の井崎 投稿日: 2月 3日(金)16時29分43秒


日経新聞の私の履歴書で
ジャックニクラウスが始まりました。

今日はいい言葉がありました。

お父さんから学んだことが書かれていました。

「いいかい、ジャック。スポーツをする者にとって、最もつらいのは負けることだ」
「しかし、ジャック。その時、堂々と勝者を称えることを決して忘れないように。
それこそがスポーツマンであり、スポーツの醍醐味なのだから」
父の言葉は幼い私の心の奥底にしっかりと刻み込まれた。

ミスショット直後、思わず手にしていたクラブを放り投げると父が私の元へ駆け寄っ
てきて、こう言った。
「二度とそんな真似をしないことだ。金輪際、絶対に。もし、繰り返したらゴルフは
もうできないと思うように」
父は私の短気を叱ったのだはない。
ゴルフとは誠実さ、尊敬の念、人間性、そしてスポーツマン精神を体現する競技なの
だ。
そのことを私に性根から叩き込んでくれたのである。



補足 エプソン道場より 投稿者:四国の井崎 投稿日: 1月27日(金)21時33分23秒

>「百効は一幸にしかず」 はどういった例になるんでしょう?
>教えて下さい。

ハイハイ、四国の井崎さんの感性で要約してもらえるように丁寧に書きます。
経営基盤が安定(効)しても、以下(幸)が出来ていないと意味がないとする考え方です。

1.従業員が活き活きと仕事し自己実現できる”場”が提供できている。

2.四電の企業活動が、株主、地域社会、環境に対して良い影響を与えている。

参考に、私が遵法経営推進部のキックオフ時バージョンを添付します。
読み返して、何でこの言葉に私がピピッときたか気づきました。
(変革型マネジメント研修時の谷川講師にいただいた言葉です)

百聞は一見にしかず
Face to Faceの情報/Communicationはレポートにすると99%が失われる

百見は一考にしかず
情報は単なる素材、加工(分析⇒解釈⇒戦略化)して始めて価値を生む

百考は一行にしかず
効果的な戦略を立案してもタイムリーに実行しなければ計画倒れ

百行は一効にしかず
仕事は結果がすべて、成果が出なければ何にもならない

百効は一幸にしかず
仕事の成果がステークホルダーの幸せに結び付かなければ意味がない

Thank you !

今日のひとこと 投稿者:四国の井崎 投稿日: 1月20日(金)08時53分6秒


日本原子力技術協会の石川理事長から、電気新聞投稿記事を本にまとめたものを
先日、送っていただいた。 「原子力の目」 電気新聞ブックス
その中から、「使命」、「誇り」が入った文章を見つけたので書き記す。
最近はこの言葉にすごく反応してしまいます。


(報道のJR西日本叩き姿勢の批判)

安全意識とは、自己の使命(職業)に誇りを持つところに生じるもの、
貶(けな)され辱められるところには生まれない。
このような当然の理が実現される社会や職場を、安全文化が高いという。

石川 迪夫  電気新聞 2005.6.2 「報道の安全文化」

「自己実現道場」の同志からの返信

私などは、とても書けない深く含蓄のある言葉を、紹介いただきました。
石川先生は、「当然の理」と書かれていますが、現実の社会・職場では、「貶され、辱められるところ」が、まだまだ多いように感じます。
「自己の使命に誇りを持つ」・・・実に響きます。

たまたま、本日午後、某研修の講師を担当するのですが、この言葉を胸に、実に良い気分でメンバーの前に立てる気がします。


今日のひとこと その2 投稿者:四国の井崎 投稿日: 1月17日(火)17時55分59秒

新春特別対談

これはビンビンきました。特に今北さんの言葉は。

個の底力でニッポン再興

山下 泰裕 (東海大教授) 柔道金メダル
今北 純一 (コーポーレート・バリュー・アソシエーツ・マネージング・ディレク
ター) 欧州ルノー財団で唯一の日本人として活躍

(抜粋)

今北  海外へ出たきっかけは「組織豊かにして個人貧しく」と感じたことでした。
     …
     欧米で働くようになってからも、「お金があれば何でも買える」という日本の風潮に疑問を感じていました。
     今の仕事を通しても、どうすればよいか解をいつも探していますが、大切なのは「ミッション(使命)」だという話しを、山下さんとしました
ね。
     子供だけでなく、ビジネスパーソンもワクワクしながら仕事をすることは重要です。
     自分にとってすごく魅力のあるミッションを見つけて、それが自分のパッション(情熱)にどこかでつながってくるようにすれば、生き生きと働くことができる。

  → これって私の信条です


山下  様々な体験から得たのは、自分で本当にやりたいものを見つけるということ。
     夢を追求することです。
     …

     スポーツでも、まず楽しさがある。
     楽しければ、もっと強くなりたい、もっとうまくなりたいという気持ちがわいて、
     難しいことに挑戦する厳しさも自分から求めるようになります。
     逆に人からやらされると、そこから逃避したくなったり、それが辛かったりする。
     自ら求めていく姿勢はすごく大事だし、やらされてやるものと自らやるものでは、
     結果だけでなくて、過程で学べることにものすごい差がある気がするのです。

   → これまた大聖堂の石切職人の話として私はよく話していることです。


今北  肩書きも学歴も一切関係なく、金持ちか金持ちでないかも関係のない、
     世界のどこに行っても変わらない信念と情熱と行動規範を持って発信し、友情関係を作る。
     社外にもネットワークが広がる。
     そういう人間になることが大切なんですね。

    → おお! そこまで格調か高くありませんが、まさに私の取り組みそのものとも言えます。
      今北さん、ありがとう!!

日経ビジネス 2006.1.16より

有訓無訓

「弱者にチャンスあり 無だからこそできる」
浅見 紀夫(としお)  一ノ蔵副会長





品質を良くして本物にこだわって、それでもダメ。
どうしたらいいか。苦しんだ末に考えたのが、本物を安くしようということでした。
その頃の等級というのは、結局、酒税の差だったんです。
そこで一部の商品をあえて審査に出さず、二級酒として売り出してみました。
二級酒だけれど、作り方にこだわった本醸造の酒です。
味は十分、一級酒以上だと思えるものをあえて「二級酒」として安く出したのでした。
77年のことでした。

   → 素晴らしい発想

2004年には地元、松山町と共同で米を自ら作る農業特区の認定も受けました。
 …
米作りから我々が手伝いできれば、農家の方々に夏は農業をしていただいて、
冬は当社で働いてもらうということもできます。
そうすれば農業自体の再生にもつながるはずです。

   → 新しいビジネスモデルと言えるのではないか?
     今後はお客差様の価値創造と、新しいビジネスモデルの構築が
     企業の課題と言えるのではないか?
     新しいビジネスモデルの創出というのを感じたこの文章であった。



今日のひとこと 投稿者:四国の井崎 投稿日: 1月10日(火)08時37分22秒

遺伝子を「オン」に
日本の心の時代が来る   有訓無訓  日経ビジネス 2006.1.9号

村上 和雄 筑波大学名誉教授


私の専門は遺伝子の研究です。
ヒトの遺伝子は、99.9%同じ遺伝情報を持っていますが、
大半は眠ったままで使われていません。
つまりオフになっています。
そこでどうすれば「オン」になるかが分かれば、
「親の遺伝だから」なんて受け身ではなく、
もっと積極的に人生を切り開いていくことができる。



世の中には不思議なことがあります。
無意識の力、偶然の一致の解釈は様々ですが、
1つ言えることは、日本の心が見直される時代になるということでしょう。
「おかげさま」という言葉があります。
何のおかげかは問わずに感謝する。
これは外国人には分からない、日本人固有の心の働きです。



読売新聞 1月4日 2面 顔
箱根駅伝で初優勝を飾った亜細亜大学監督の岡田正裕さん


レースに出場しない部員にも給水や情報伝達などの「一人一役」を課し、
チームのまとまりを大事にする。
「能力のあるなしにかかわらず、一人一人を見てくれる」と
選手の信頼は絶大だ。
記者会見で、選手たちが感謝の言葉を口にした後、その感想を求められた。
「優勝と同じようにうれしい。」
照れながら、優しい笑顔を見せた。

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今年の箱根駅伝は目が話せないほどの大混戦で非常にスリリングで面白いレースでした。
今年のクラシック戦線は同じように大混戦、レース毎に勝ち馬が変わるような
予感がします。


1月3日

正月休みの時間で昨年の日経ビジネスをチェックして書き込むこととする。


日経ビジネス 2005.11.14

有訓無訓


「君子豹変す」は当然
社内対話を促進させよ


福田 泰弘 トッパン・フォームズ会長  

 顧客ニーズで応える発想が薄かった。
 そこで工場長を営業企画の担当に変える一方、営業トップを工場長にしたり、
 経営企画のスタッフに据えたり、と徹底してローテーション人事を行いました。
 異なる立場の部署を実際に経験してもらうと、その部署の役割、状況がよく分かります。
 
 …
 部署が変わって立場が変われば、主張が変わるのは当然です。
 大切なのはそこからいかにコミュニケーションを図って理解しあっていくかです。
 一方の主張だけが通るのでは、建設的な方向に発展しません。

特集 大学発ベンチャーの虚像

 「大理石の門を持つ研究所からは大きな研究成果が出てきたためしはない」
 
 立命館大学と電気通信大に共通するのは、産学連携への強い思いと、大学のあり方への危機感が強いこと。

(立命館大学が草津へ移転したのは昨年ダイキン工業の工場見学で初めて知った。)
 1991年に移転を決め、総工費600億円の1割を外部企業から募った。
 産学連携を訴え67億円が集まった。

  最後は国が助けてくれると期待している国立大学にはマネができないでしょうね。(中谷教授)


産学連携で成功を収めるには補助金より忍耐が大切

戦略フォーカス セーレン(総合繊維)
「現場が変わらないのは管理者と経営者の責任だ」と川田社長は話し、現場の従業員と直接コミュニケーションを
取って情報の共有化を図る。
「経営陣が汗をかかなければ、現場のモチベーションが上がるはずがない」というのが川田社長の持論だ。


小さなトップランナー 東海メディカルプロダクツ(医療用器具の製造・販売)
 
「娘のために」(先天性心臓疾患)という一心で研究に取り組んだ筒井社長だが、
佳美さんの死後は「より多くの人の命を救いたい」と気持ちを切り替えて、さらに研究に没頭した。


マネージメント 松下電器産業

SCMは米国が原点
 米国の販売店は激烈な価格競争を繰り広げており、ベストハイは在庫の回転を速くするために、
松下に「週単位で商品を納入して欲しい」と求めてきたんもである。
 当時の松下は、毎月、販売店からの発注を受け、それに基づいて生産をして商品を納入していた。
この月次管理SCMを週次管理に変更するには、業務のスピードを4〜5倍に速める必要があり、
経営のあり方を抜本的に見直さなければならなかった。
当然、社内の大改革が必要となり、現場の抵抗も予想されたが、米国でITを使って生産性を向上させる企業を
目の当たりにしていた中村社長は、即座にSCM再構築を決断した。
 予想どおり、現場の反発は大きかった。製造現場は、月次計画の方が効率的だと主張し、販売の現場は仕事量が
4倍に増えると抵抗した。
中村社長は自ら、毎月のように関連部署の担当者を集め、説得に当たった。
苦難の末に週次対応のSCMがAVC社で稼動したのは1998年11月。

これが高速SCMで世界同時発売達成につながり、
「月次から週次へ変えたSCMは、プラズマテレビで花開いた」と高橋直人GMは話す。


編集長インタビュー 和田 勇 氏 (積水ハウス社長)

人間力で人間を売らなければいけない。住宅の営業とはそういうものです。

社内を相撲部屋のようにしたいんです。
その方がはるかに効率がよくなる。
小さい部屋をたくさん作ると、下請け制度ができてしまい、正しいことが、下の組織に伝わらなくなる。
上から下への伝言ゲームになる。


ひと劇場 木下 尚慈 氏  ユニリーバ・ジャパン社長

木下さんは小豆島出身なんですね。親近感を持った。キリンビール新規事業からUCC 95年に日本リーバ入社

今年3月、木下は役員から課題を聴取した。そこで浮かびあがったのは、会社側が社員に、業績やシェアといった
会社情報を伝えていなかったことだった。

ブランドとは、商品や社名の認知度だけでなく、接客姿勢や顧客満足も含めて決まる。

経営は「一本足打法」ではいけない。

木下は「私の考えるブランドは、人がやりたいことをしようとしたとき、そのお手伝いをして、
その人や周りの幸せにつながるもの」と話す。


終わらない話  会長が地追うの拠点を回る意味  後藤 卓也 花王会長

ある拠点では、「毎日仕事に全力投球しているが、逆にそれが後ろめたい」とこぼす社員に会った。
平日の帰宅が遅くなることが多く、土日は疲れ切っているので、地域のボランティア活動に参加できないことが
心の重荷になっているという。
 そこで私は「何も引け目に感じることはない。あなたが会社で一所懸命働くことは、立派な社会貢献になる。
会社が良い商品をお客様にお届けすることで利益を上げ、税金を払えば、それが地域のために使われるのだから」
と話した。
 するとその社員から後日、「会長と話をして、迷いが吹っ切れた」という感想文が送られてきた。









2005年

2004年

2003年