今日のひとこと  投稿者: 四国の井崎  投稿日:12月26日(月)08時37分59秒

有訓無訓 日経ビジネス 2005年12月26日号

人間って素晴らしい
仕事はおもしろおかしく

堀場 雅夫 【堀場製作所最高顧問】

最新の自然科学の力をもってしても細胞の1個も作り出せない。
唯物論なんて逆立ちしても生命に対して太刀打ちできないことを思い知ったんです。
(京大で物理学専攻、戦後ベンチャー立ち上げ、唯物論のガリガリ亡者だったとの前言あり)
大変なショックでした。
僕が信じていたものが全部崩れてしまったのですから。
その時から会社に対する考え方ががらっと変わりました。

人間はめちゃくちゃすごい。
人間って素晴らしい。
その人間が人生の大半の時間を過ごす会社がつまらない場所であってはいけない。
(これって私の持論です)

人間というものに対して申し訳ないと心底思った。
そこで、社是を「おもしろおかしく」にしようと決めたんです。



この世の中、つまらないと思ったらつまらないことだらけですよ。
でも、どんなことでも、どんな仕事でも、おもしろおかしく変えてしまう知恵とガッツが
人間にはありますよね。
そういうチャレンジ精神を内在している人間の能力は計り知れないし、
本当にいとしいなって思うんです。


今日のひとこと  投稿者: 四国の井崎  投稿日:12月23日(金)08時15分1秒

昨日、会社の上司からこのメモをもらったので掲載することとしました。
ハウツーにすぐに飛びつくのは自分も非常にあるので反省してます。


立花 隆 新刊「天皇と東大」

−大日本帝国の生と死−  より

明治新政府のお雇い外国人で東大医学部内科主任教授ベルツが言った言葉、

「日本人は西洋の科学技術の成果だけを手軽にもぎとろうとする。
まるで我々が果物の切り売りをする人でもあるかのように扱うが
果物を実らせるまでに我々が、まず、種子をまき、若木が大きな樹になるまで
長い時間をかけて大切に育て上げたのだということを忘れている。」

日本の近代化というのは、明治の始めからこれなのである。
何でも金さえ出せば買えると思い、成果だけ買ってきて、それをどうやって産み出し
たか学ぼうとしないのだ。
自ら種子をまくことや、若木を育てる努力を惜しむから、
いつまでたっても新しいものを作りだせないのである。
昨今の日本が陥っている苦境も、その根っこにあるのはこれなのだ。


ビンビン例  投稿者: 四国の井崎  投稿日:12月23日(金)08時05分52秒

○ ANAの同志、Tさんのこのメールはビンビン来てます。
  至宝のメールとしています。


○ 以前に、転送していただき、読ませてもらいました。しかし、何回読んでも、いいですねえ。
ANAの良さ・取り組みの良さは、勿論ですが、この同志の方の文章は、実に「ご自身の言葉」で直接「語りかけてもらっている」
感じがしますね。大事なことだと思っています。

Subject: ダイレクトトーク

前社長の大橋が始めたこの取り組みに共鳴した現社長の山元が、今では役員全体で行なうよう仕向けています。

基本的に労働集約型産業であり、且つ分業体制がある程度確立している航空業界では、
他産業に比べて役職員数比の職種・職務・職階数がどうしても多くなってしまいます。

社員数がそんなに多くなくとも、階層数が多ければ、経営層が考えや「想い」というもの
を伝える場面がどうしても間接的にならざるを得ません。
その伝達は、当社の場合通常、客室部門や整備部門といった部門毎になります。

そうするとどうしても、縦割り的な「井の中の蛙としての想い」が社内に発生しやすくなります。
ひとつの航空機を飛ばすだけという、業種自体は至ってシンプルであるにもかかわらずに、です。

笑顔で機内サービスをしている客室乗務員は、日常の仕事を普通にこなしている限りでは、
長崎の諫早にランディングギア(航空機の主脚)のオーバーホール専門のグループ会社があり、
その会社が世界有数のめっき技術を有していることを知る由もありません。

航空券の運賃種類やマイレージ等をはじめとして、エアラインが提供するサービスの種類は、
一昔では考えられないほど、多種多様で複雑になっています。
とても一旅客係員が覚えきれる量ではありません。
旅客係員や客室乗務員にとっては、新たなサービスが付加されるたびに、その新たな
仕組みを覚えて、しかも即、実践の仕事に生かさねばなりません。
現象面だけを見れば、これは仕事の複雑さが増すだけであり、容易に彼らのイライラ
の素になってしまいます。

が、それもこれもお客さまにとっての便利さを追求しているからこそ、
それが巡って、企業としての利潤追求につながるからこそ、です。

各現場が、また本社や各本部が、「木を見て森を見ず」状態にならないためにも、
いわゆる「企画」部門が、その後行程である部門に対して、その企画の意図や「想い」を直接
伝えることは重要であると思います。

格好良く言えば、このような状況から、ダイレクトトークはスタートしました。
まずは役員から。

グループでひとつの商品価値を提供していることを、
グループを束ねる経営層が、経営の視点で、且つ噛んで含んで自分の言葉で直接「想
い」を伝えることは非常に重要なことであると考えています。

と言うわけで、ボードメンバーが自分の担務外のところへ「想い」を伝えに、また
「想い」を聞きに出向くわけです。
その場には、もちろんグループ社員も加わります。
場所は会議室になりますが、別添ファイルのような感じで進めています。
(安全にも関連する社外秘情報なので、さわりだけでご容赦願います)

12月12日
最近は掲示板に書き込みようにしました。
そうしないと書きそびれるのです。

家内が図書館のアルバイトを始めているので本をいろいろ借りてきてくれます。
さお竹やはなぜつぶれないのか を読んでいたとき、経理の勉強なら漫画のナニワ金融道がいいって見たことがあるから借りてきてあげるわ。
ということで17巻まで読みました。
高松市図書館にはないが、なぜか国分寺図書館には置いてあるのだそうです。
その16巻に非常に印象に残ったところがありましたので写しました。
残念ながら漫画になっていないので申し訳ありませんが、私自身にはキョーレツに残りました。
おすそ分けになりますかどうか…。
「情と理」「自己実現」そんな私ののキーワードを関連させて読みました。


今日のひとこと  投稿者: 四国の井崎  投稿日:12月11日(日)06時16分23秒

ナニワ金融道 第16巻より

満月を見ながら重要な会話の場面が2つ出てきます。
印象的だったので書き出します

◎ 社長との議論で説教を受けたあとの灰原と内縁の妻朱実との会話の場面

何か悩み事?

いや、桑田さん、僕よりはるかに客に冷酷なのに
それなのに僕より業績を上げているんだ

僕は少なくとも桑田さんよりは顧客に対して温情的だった
冷酷と温情 金融界では温情は冷酷に敗れるということなのか

(無言)

灰原金融道は何をモットーに切り開いていくのか
そいう考えるどうも頭がこんがらがって

なあアンタ ちょっと屋上へ上がってみいへんか


屋上?


今夜はすごくきれいな満月が出ているんやわ

そうか そうれは気がつかなかったなあ

三日月より満月よね 人の心を突き刺さないもの

オレはどうやって この大阪で灰原金融道を切り開いていくのだろう…(自問)


どう? 考えまとまったん?

金融屋をやっていてオレはどんなときが幸せだったのか?
たとえば肉欲棒太郎とか仕事相手が尊敬できるときは充実していたように思う


相手をただ単に破滅させるためだけの仕事じゃない仕事ができたら
それが自分の生きがいじゃないかって

私はアンタのそういうところに惚れたのよ



◎ 社長と一緒に大きな交渉をした後での波止場で月をみながらの会話


きれいな満月やの お前 満月は好きか?

ええ 大好きです

そやけど 月はただ太陽に照らされているだけのデクの棒やで

お前 独立したいと思てるやろ

エッ   (図星)


このご時世 金主さえ見つければ独立も可能やろ
そやけど それは月やで
やっぱり太陽や 太陽にならんと住専と同じになってしまうで

灰原 ワシもまだ太陽になろうとしている男や
ワシを追い抜いてからでも遅うないで

今日のひとこと  投稿者: 四国の井崎  投稿日:12月 6日(火)09時00分35秒

今年、私がテーマとしてきたこと、そのものを東芝西田社長が
2005東京国際デジタル会議の講演「デジタルレボリューションを勝ち抜くリーダー3人の
新経営論」で語られています。

これまでの企業戦略は
市場シェアか利益か
コストか品質か
標準化か差別化か
といった二律背反的なものを選択することでした。
しかし、21世紀を勝ち残るためには、二律背反する要因を両方ともバランスよく追求することが必要です。
そういうところでパラダイムシフトが起きているのです。


この状況の中で、
コモディティ化(ブランドに関係なく、基本性能があれば購入される商品)と
脱コモディティ化の同時達成

部品事業とセット事業の提携
重電関係の技術を民生用に使うといった異なる商品技術の融合
が重要

イノベーションは経済発展の大きな原動力です。
単なる技術革新という意味のイノベーションでなく、
モノづくりや、セールス、マーケティングにおいても次々とイノベーションを引き起こしていく。
その結果としてデジタル化を、あるいはデジタル市場を支える力になっていくと思います。


市場の健全な発展のためには、脱コモディティーによって新しい市場を創設することが必要。
いかにそれをうまくやっていくかが、今後のデジタル市場を持続的成長に導く大きなカギだと思います。



質問 イノベーションを生むためには技術がカギか?

基本は技術。
技術は企業発展の原動力。
それをどう商品開発に結びつけるかが問題です。
技術開発と商品開発は同じではありません。
そこで組織能力、組織運営、組織経営が重要となってきます。
組織を担う個々人がどう成長し、組織の成長にどう結びついていくかといったことも、
今後の経営の課題です。
発展の原動力としてのイノベーションも、実際にいろいろなニーズに商品となって結びつき、
販売されて初めて結実するわけですから。


東芝 西田社長  2005東京国際デジタル会議 講演 (日経ビジネス 2005.12.5特別版)

脳と創造性より  投稿者: 四国の井崎  投稿日:12月 1日(木)06時38分31秒

競馬、ギャンブルへ人が惹かれるのは脳に構造にも関係しているのかも知れません。
茂木 健一郎さんの「脳と創造性」より
この読書後記をまとめていますが、まだできてまえん。

ネガティヴインセンティブへの違和感に関して、これを杏子さんにおみせします。




「確実さと不確実さのバランス」
ある場所に行けば食べ物があることがわかっている。危険な捕食者もいないと判っている。これは環境に中の確実な報酬源である。
しかし、その場所に行くだけで生きていくために十分な食べ物が確保できると判っていても、食べ物を与えてくれる他の場所を探し続ける必要がある。
なぜならば、たとえ今、確実な報酬源があったとしても、いつ状況が変わるか判らないからだ。
環境の変化で、今まであった食べ物が無くなってしまうかもしれない。自分よりも強力な動物がそこに現れて、食べ物を独占しようとするかも知れない。
危険な捕食者の群れが、どこからとなく現れるかもしれない。状況が変わって、今まで食べられていた食べ物が得られなくなっても生きていくためには、
常に新しい食べ物のありかを捜し求める必要があるのである。
 ⇒ 企業でも全く同じですねえ。

何がどうなるか判らない自然環境の中で生きている動物にとって、「既知の確実な報酬源」を利用することと、
「未知の不確実な報酬源」を探索することのバランスを取ることが何より大切である。

「不確実さを報酬として活動するドーパミン細胞」
確実な報酬と不確実な報酬を並べておくと、そのままではどうしても確実な報酬が優先される。
しかし、確実なことばかりやっていては生物としては先細りである。
確実な報酬源の利用と、不確実な報酬源の探索のバランスをとるためには、積極的に不確実性自体を好むように脳が作られていればよい。

50%の確率で報酬が得られる場合に最も喜びを感じるように出来ているようである。(実験による検証)
 ⇒ なるほど。丁か半かという世界だな。

不確実性がどれだけ高いかを評価するためには「エントロピー」という量で計算すればよい。
50%の確率条件は、この「エントロピー」が一番高くなるのである。

⇒ ほー、なるほどねえ。

どのような時にどれだけのドーパミンが放出されるか、すなわち、その人がどのようなことを「うれしい」と思うかということは、
その人の生き方自体に関わることである。
「ドーパミン・マネジメント」が人生を決めるのである。


養老 猛司  投稿者: 四国の井崎  投稿日:11月28日(月)08時37分43秒

今日のひとことが最近アップできてません。
エプソンさんとのメールのやりとりにほとんど放課後が使われているので
競馬以外のページの更新がままならないところです。

あとで載せることとして
今後は掲示板にさっさと書いておくことにします。

今週の日経ビジネス 有訓無訓より
11月28日号


環境は最大の政治問題
国土を育み人を育てよ

環境や国土を考える上では、ロマンが必要です。
どうやって開発すれば儲かるかという視点ではなく、
づおいう日本にしたいか、
人間はどういう所に住むのが快適か、
まずはニュートラルに発想すべきでしょう。

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(都心にマンション林立の現状への憂いをこめて)
これは環境だけではなく、すべてのことに当てはまるのではないのでしょうか?
ロマンなき目標には男子たるものときめかない…。


エプソン道場でいただいた至宝のメールから関係するところを引用します。

人を奮い立たせるビジョンは滅多に数字を含まない、数字は重要であるが、
経常利益率目標値といった物が従業員の志気を高揚させることはまずない。
最も有効なビジョンは、最高な品質、最上のサービスのように、数字ではなく何らかの点でベストを求める、
入社したばかりの従業員を含めた全員が理解できる物でなくてはならない。



10月7日

ずいぶん間が空いてしまった。
アクションラーニングの方で手一杯だったためです。

日経新聞 9月30日 14面
今、CEOに必要なものは ウェルチGE前会長に聞く

CEOに求められる資質は変わったか。

「誠実さと情熱、従業員にミッション(経営理念)を浸透させる能力という
基本的な点では大きな変化はない。
社内にいる自分より優れた人間のやる気を引き出し、成功した場合にはたっぷりと報
い、
新しい仕事に挑戦させる。経営の根幹は普遍的だ」

変化を感じ、先取りするのは容易ではない。

「常に執務室の外にいて、顧客や社内の人間の声に耳をかたむけることが
ポイントだ。例えばソニー。今でも素晴らしい会社だと思うが、
最近の不調は製品の問題ではなく、経営層が十分社内で
コミュニケーションを持たなかった仕組みに問題があったように思う」



(感想)

たっぷりと報いることはなくともいいような気はするが、
新しい仕事に挑戦させることの方がご褒美のように思う。
お金は好きだが金額ではないやり遂げた内容。

ソニーのポイントは全く同感である。
出井さんは自分の思いはよく発信していたが
現場の声を聞くという姿勢が少なかったのではないか…。
一方通行だった。
現場にビジョンが浸透していなかったのでは。



8月16日

アサヒビール行動規範

アサヒビールの変革という研究会資料を入手しました。
経営理念、CI策定の後を受け、樋口社長が定めた従業員および管理職の行動規範

8月15日
日経ビジネス8月8−15日合併号より

書評
創造性を脳科学する  茂木健一郎著 PHP研究所
 評者 東京都杉並区立和田中学校校長 藤原 和博 氏


「創造性の本質には、他社とのコミュニケーションが深く関わっている。」
(中略)「独創性は個人にしか宿らない」と断言したアインシュタインにおいてさえ、
妻や友人たちと議論を積み重ねることが、その創造のプロセスに不可欠だったのだ」と述べ、
創造は、個人の内部に起こると考えるより、コミュニケーションを通じて「他者との間に宿る」と
考えた方がよいと指摘する。



編集長インタビュー
野中 ともよ 氏 (三洋電機会長兼CEO)


全国の工場を回ると、「欲しい商品がない。それが悲しい」という社員がいるんです。

「変われるんですね。僕ね、初めて子供に自分の仕事を誇れるような気がしてきました」

私は、人間力による企業再生をしたいんです。
それには、社員がその気にならないと始まりません。
グッとくる復活のカーブを作れるのは、私ではなく社員なんです。

とにかく社員が面白がってやれること、そういう視点で事業を集約していきます。

すでに社内で化学変化が始まっています。

三洋は脱石油の社会を支える技術と製品を提供したい。

各カンパニーごとに売り上げ至上主義が蔓延してしまったんです。

まず、売り上げ至上主義ではないんだということをはっきりさせます。

(NHKで14年間フリーランンスで働き職員にならなかった理由は)
保証されないものがひとつあったんです。
それは、自分がやりたい仕事です。
職員になったら、やりたくない仕事でも業務命令なら従わなくてはなりません。

 ⇒ 好きなことだけやりたいという気持ちもわからんでもないが、わがままにしか思えない。
   配属の妙というものは大きい。
   視野が広がる。
   無駄な仕事というものはないのである。
   人に対する姿勢というものはいいと思ったが、
   この最後の言葉を聞いたときに危ういものを感じた。
   林文子氏とは人物の大きさが違うような気がする。
   いいときはいいかもしれないが、三洋をうまくまとめていけるかどうかお手並み拝見である。


ひと烈伝
トニー・フェルナンデス 氏 エア・アジアグループCEO

マレーシアの格安航空会社。
社長はカジュアルウェアで社員といつもフェイツーフェイス。
作業も一緒になってやる。

「社員の能力を最大限に生かすのが会社の役目じゃないか。
 僕の使命は、顧客よりも、まず社員を幸福にすること。
 自分が大切にされていると思えばこそ、社員は顧客に良いサービスを提供できる」








有訓無訓

松井 孝 ダイビル相談役

「人の心」がわかる心こそ経営者に必要な教養

「よい会社」の定義とは何だろう。

 社員一人ひとりが、大事なお客さんや、親戚や、友達、地域社会の人たちから
「あそこの会社の社員は、他人の気持ちが分かる、いい人だ」といわれる会社、
それが「良い会社」だと、私は思っています。

(ちょうどセイコーエプソンさんの企業調査で、「よい会社」の議論で常務会が盛り上がり
経営理念制定に至ったという話を聞いたところだったもので、この言葉に非常に反応した)


「教養とは知識の豊富さではなく、人の心がわかる心」だと、養老 孟司氏が言われていましたが
まさに至言です。


時流超流
試される市場外ワールド
非公開化で将来への事業投資は加速するか



  詳細な情報を提供して説明すれば理解してもらえるが、そうすると競合企業に戦略が漏れてしまい、競争優位を保ちにくい。(寺井社長)


  非公開化が成功したとしても、ワールドは2000億円以上の借入金を抱えることになる。
しかも、積極投資を目論んでも、手元資金か銀行からの融資に手段が限られる。
  


白物家電とは?
大体はわかっているが正確にはわからないので調べてみた。

「白物家電」どんな商品

http://sak2-1.tok2.com/home/takechan9354/naruhodo/naruhodo11.htmlより

(Q) 新聞で「白物家電」という表現がありましたが、どのような商品を指すのですか。
「黒物」や「赤物」もあるのですか。


(A) 家電メーカーによりますと、アメリカで業界関係者が冷蔵庫や洗濯機
など白っぽい外観の家電製品を「ホワイト・グッズ」と呼んでおり、日本
でも60年代に家電製品が普及し始めたころから、和訳して「白物家電」
と表現するようになったと言われています。明確な定義はないのですが、
家事・調理関連の製品を指す場合が多く、電子レンジなども含まれます。
扇風機など季節商品は除きますが、エアコンは通年で使うことも多いので、
「白物」と呼ぶケースもあります。
 アメリカでは、ステレオやテレビが木目調だったことから、音響・映像
(AV)機器を「ブラウン・グッズ」と呼んでおり、日本でも「黒物」と
称した時期もありましたが、定着しなかったようです。




人生を変えた一言

このタイトルにはこころを惹かれた。
私のHPのこのページのタイトルが「今日のひとこと」であることもある。
心にひびく「ひとこと」を重要視しているからである。

特に林文子さんの場合は、彼女の出した一言よりも違う言葉のほうが響いた。

林 文子 氏 59歳 ダイエー会長

君は望まれたらやる人でしょう  夫 義弘氏

これよりも、フォルクスワーゲンジャパンのピーター・ノッカー副社長の社長要請の言葉が
いい。

「今、マネジメントがうまくいかなくて社員がかわいそう。社員を幸せにして欲しい。」
 驚いたことに、ノッカー副社長はこの時、売り上げを上げろ、とは一言も言わなかった。

 ノッカー副社長はさらにこう言った。
「あなたがこの仕事を引き受ければ日本の女性も喜ぶ。
私は英国でも女性を抜擢して役員にした。その結果、彼女はより大きな会社へ移った。
日本は女性にトップマネジメントのチャンスを与えない国だが、私がチャンスをあげる。
成功できるように全力でサポートする」と、私の目を真っすぐ見て言った。
私は感動した。


もうひとつその通りと思うのがあった。

金杉 明信 氏 64歳 NEC社長

20〜30代の仕事は自分の知識・経験を生かすことだが、
40〜50代は組織を動かし人を生かすのが仕事だ。

   友人の父 稲田 勤・明治生命保険元社長


ここで自分の人生を変えた一言って何だっただろうと考えてみた。
それは、このような感動的な言葉ではなかった。

中学2年生の担任の桑田先生(名前が合っているかどうかは定かではない)から言われた
「志賀松君は人の気持ちがわかっていない」

どこかの部屋、先生のお宅だったろうか
暗い部屋だったような気がする

当時学級員、生徒会長をやっていた自分としては非常なショックを受けた。
きつくではなく、淡々とおっしゃられ重くのしかかったのであった。
コンチキショーとは思ったが、
以来、人の気持ちを大事にする、しなければという意識が体全体に入ったのであった。
だからもって、私の人生のテーマが人の気持ちをよくしてあげたいということになったのであろう。

上記、林 文子さんを請うノッカー副社長の言葉はジンジン心に響いた。
林さんがダイエーの再建を果たされることをおおいに期待している。
また金杉さんの言葉もまさにその通りだと感じるのである。

自分を見直すきっかけとなった、この特集であった。
ありがとう。



日経ビジネス8月1日号より

有訓無訓

葛西 敬之 東海旅客鉄道会長
「”日々是暗転”決意の民営化に道拓く」

経営の世界というのは、その道のプロが、お客さん自身すら気がついていないニーズを察知して、先手を打って初めて
成功するものです。



戦略 顧客志向
ユナイティッドアローズ(衣料品専門店)

顧客の声、商品と接客で表現

全社員向けのアンケートも実施した。
経営陣は半年かけて議論を繰り返し、2泊3日の合宿を実施。
さらに経営陣は”遺言状”を作成、「自分が去った後で次の経営陣や社員に守り続けて欲しいこと」を文章にして残した。
その結果、「UAの強さは顧客志向が徹底していること。守り続けたい」という結論が出た。
これは創業した頃(1989年)の「思い」に他ならない。
経営理念はいつしか風化していた。
実はこの時まで、UAは「進化する老舗の創造」といい理念を掲げていた。
「進化」と「老舗」という一見ミスマッチとも思える取り合わせに、「創造」への思いを込めたものだが、
「当時、すでに社員は700人になり、理念が明確に理解されていなかった」(岩城社長)

社員募集の標語作成  「MAKE YOU REAL STYLE」
理念ブック(十数ページ)の作成

研修後は「理念ミーティング」が店舗や部署単位で自然発生的に始まる。
「顧客が本当に喜ぶ接客は何か、月1回はミーティングを実施する」
接客ロールプレイを開店30分前に毎日実施


編集長インタビュー
アン・マルケイヒー 女史  (米ゼロックス会長兼CEO)
「全社員巻き込み復活」


会社を再建しようとする時、経営者がなすべき最も大事なことの1つは、人の心をつかみ、士気を高め、
再建に巻き込むことだと思います。

社員に語りかける際、メッセージをシンプルにしておくことが非常に重要だということです。

再びすばらしい会社になるという、何かエキサイティングな出来事に参加するという意識を持たせることも大事だと思います。

私はCEOの仕事の本質はCCO(Chief Communication Officer)であり、
顧客と社員に経営トップのメッセージを伝える責任があると考えているんです。

今ではエンジニアがどんどん研究室から出て顧客と交わっています。

25%出資する富士ゼロックスとの関係も技術開発面で重要です。

企業文化は忠誠心であり、熱意であり、会社を成功させたいと願う野心だ。


異論正論
成果主義の見直し
 問題は制度にあらず 部下との接し方を改めよ

  青木 仁志 アチーブメント社長

子供の勉強の例がわかりやすい。
「新しいゲーム機を買ってあげるから勉強しなさい」と目先の褒美で釣る人がいる。
しかし、ゲーム機を諦めれば勉強しなくてよい、ということになり、長期的な効果は出ない。
結局は勉強のやり方を変え、勉強そのものを楽しくする必要がある。
会社にも同じことが言える。上司がより時間をかけるべきは、部下の査定ではなく、
問題解決に向けた話し合いの場を持つことにある。
「今の職場の状況を改善するのに、あなたにはどんなことができそうですか。」
部下とこんなテーマで話し合うのも効果的だろう。
社員が何を求めているかが分かるし、「私はあなたを気にかけている」というメッセージも伝わる。


経営者の眼
 後藤 卓也 花王会長

 優れた製品の源は「使命感」

経営トップは社員が使命感を持てる舵取りをしているか。
会社は誰のものかという議論より、経営者の評価ではここが重要なポイントになる。
当社では2年毎に経営陣の多面評価を実施している。
対象となるのは、会長、社長、取締役、執行役員、理事の約30人。
自分のビジョンやミッションを明確に伝えているか、決断に際して全体最適を考えているかなど
お互いにチェックし、さらに部下の意見も聞く。

多面的な評価を受けることで、経営者は「裸の王様」になることを避けられる。
会長、社長の多くは、下からの評価を嫌がる傾向があるが、自分への意見に
素直に耳を傾けれられなければ、社員に正しい使命感を持ってもらうことは難しい。

当社は、…、社員の「満足度調査」も2年に1度実施している。
目的は、経営層が発するメッセージを社員がどれほど正確に受け止め、やりがいをもって日々の仕事に
取り組んでいるかを把握すること。多面評価により、経営者が己の振る舞いを正す一方、社員の気持ちにも
心を砕かなければ、目標を共有した使命感の高い企業運営は実施できない。





8月9日掲載


日経ビジネス7月25日号より
特集
GE世界最強の秘密

ジェフ・R・イメルト氏が語る
成長こそ企業の栄養



未来がどうなるかを予測することが、大切になります。
社員を動機付けるために経営者は将来のビジョンを示し、実行する必要があります。
それが社員をやる気にさせます。


会社が成長すれば社員の多くが、自身の人生やキャリアにおいて目に見える成果を得られます。
だから成長の加速は大切なのです。




(GEは「エコマジネーション」を本年5月に発表し、環境ビジネスを今後の戦略の中核に据えた。)

石炭のガス化、効率を大幅に高めた発電用のガスタービン、海水の淡水化技術など。



トヨタやキャノンをベンチマーク。
特にトヨタは100回以上

トヨタのリーン生産方式は信じられないくらいパワフル

トヨタ方式が持つ「時間の効率化の概念」はまさにGEの求めているものでした。


イメルト変革のポイント

 ビル・ウッドバーン GEインダストリアル戦略担当上級副社長


「One GE」 こんなスローガンを掲げて、複数の事業部門にまたがる技術やノウハウを結集しようと呼びかけた。

なぜコングロマリットディスカウントを打破できるのか。
ウッドバーン氏によれば、それも高い利益成長を目標にしているからだ。
「そこそこの利益成長でかまわないなら、お互いが独立し、他部門のことに興味を示さなくなる。

「売上高、利益、」キャッシュフロー、新製品に開発数、M&Aの件数。我々は何でも前の期と比較する。
一人ひとりの報酬も成長率が問われる。
必死の度合いが違うから、他部門がプラントんも受注に成功すいれば、自分たちも協力しようとする。」

 ⇒ そうだろうか?
    ここまでムチを入れっぱなしで組織は持つのか?
    この手法で回っていると思っていたら痛い目にあうだろう。
    ウッドバーン氏の主張は間違っていると私は思う。
 
    ただ、OneGEでの評価が1本なら違う。

 ベス・コムストック 女史  副社長兼CMO(最高マーケティング責任者)

  顧客を知り尽くした上で、新しい市場を切り開くのが、GEの営業社員に求められる資質。

  若手と話すことでイメルト会長自身も自身の経営を客観視する。そして対話から発見もする。


第二特集
カルチャア・コンビニアンス・クラブ社長
益田宗昭が見た地獄

成長を阻む「3つの罠」
権限委譲の遅れ、過大投資、組織の慢心


ワナ1 個人商店の限界  1,3の法則に従い原理原則を変えよ
   
    組織を構成する人員が増える過程では、1人、3人、10人、30人、100人、300人といった人数が節目となる。
    300人までは「社員の顔と甘えが一致するだけでなく、その家族の名前まで覚えていた。」

    組織の規模が拡大している時期は、自分と同じような意思決定ができる「第二の自分」を育てなければ
    組織が回らなくなる。

ワナ2 デジタル化の過信 使い手が理念を忘れ強みが弱みに転じる
   
    システム万能主義で、現場を忘れ机上の空論に陥る。
    デジタル時代の大きな問題点である。
    現場を見ないで、判断をコンピュータにゆだねてしまう。


ワナ3  客の立場に安住 価値を提供する企業がいつの間にか「お客様」に

     これは大いに身につまされる。

     増田は「お金を使う立場にいるのは楽しいこと。そこに安住してしまうと大企業病が生まれる」と言う。
     たとえば、必ずしも重要とはいえない情報システムに投資し、安易にコンサルタント会社に頼った。

          ⇒ どこかの会社でも同じことが…

    増田は以前から「ダメな会社の3条件」という考えを、自らを戒める意味もこめて心に留めている。
    それは
     ● 美人秘書
     ● 高級外車
     ● 立派な本社ビル

    どれもお客様のためにあるのではなく、自分たちが満足するためにある。
    それらが会社にあるということは、本来なら価値を提供する「サーバー」の立場にあるべき我々が
    客になるといくことだ。

    「無我夢中」という言葉を、増田はこう解釈している。
    「夢の中にいれば、我が無くなる。大きな夢を持っていればエゴなんてなくなるし、公私混同もしない。
    僕にはCCCを世界一の企画会社にするという大きな夢がある。」


    

敗軍の将、兵を語る
幡掛 大輔 氏  [クボタ社長]

石綿被害、言い訳はできない


リストラがひと段落した今、改めて、我々は何のために経営しているのかという原点に立ち返らなくてはと
思っています。
社会のために生かされているのでなければ存在理由がないやないかと。
それと同時に、社会にご迷惑をかけることがあっては絶対にあってはいけない。
今風に言えばCSR(企業の社会的責任)ですが、これは我々の経営理念でもある。

⇒HPで見たが、企業理念体系はしっかりしていない。
  「美しい日本を作ろう」といくのがスローガン これもPDF資料を開いて初めてわかる始末
  社長の言う経営理念はHPにはしっかりあらわされていない。


編集長インタビュー
小島 順彦 氏 (三菱商事社長)


商社も現地企業に資本を入れて経営に参画し、その配当や上場益などで利益を出すという
事業投資型に変わっています。
これだけ世界が動いている以上、
その国がどう動くかを見極めるには、国ごとに信頼できる現時の戦略パートナーを作ることが
大前提ですが。




世界鳥瞰

早期退職から「高齢社員優遇」へ大転換
人口減対策はフィンランドに学べ


就労年数を延ばすには健康と幸福に配慮した職場を提供する必要がある。
この点に多少なりとも配慮している国はフィンランド以外ない。


アブロイ社は若手の従業員にも注意を向け始め、25歳未満の従業員の満足度を調べるとともに、
25歳から45歳の従業員たちにとって会社がどれだけ「家族に優しい」かを調査している。



独揺るがすVWの醜聞

CEOや取締役h自身の再任が労働者代表の票にかかっている。
このため彼らはリストラや人員削減を避け、社会の利益をよそに監査役会の労働者代表に取り入る。


経営陣と労働者、政治家の関係が密に絡み合いすぎて会社を機能麻痺に陥らせた。
「仲良しシステムは国境の内側ではうまく機能したが、グローバル経済がすべてを変えた」
とあるVW関係者は言う。


鬱病、対人恐怖症…急成長の歪みが噴出
インドIT界を覆う心の病


欧米式の「EAP(Employee Assistance Programmes=従業員支援プログラム)サービスにとって
インドが巨大市場になる可能性が大いにあるのではないか、と注目されているのだ。







日経ビジネス7月18日号より

戦略 仕入れ革新
大庄 (大衆割烹チェーン やる気茶屋)

「日替わり産直」で喜ばす

大庄の調達部門で働く正社員はどんな魚でも料理できる腕を持つ。
だからこそ漁港から日替わり素材を店に直送する仕組みができた。
社員の腕を磨いて商品力を高め、激戦居酒屋市場で独自の道を行く。

2007年、平社長は全社員の名前を記した高さ20mのピラミッドを建設する
計画を立てている。
社員との一体感を深めるためだ。
大庄のキャッチフレーズは「よろこんで」。
統合先を含めて、喜んで目標を目指す社員がどこまで増えるか。
厳しい市場での生き残りがそこにかかっている。



7月20日
日経ビジネス7月11日号より

有訓無訓

大山 轟介 キューピー前会長

事故起きぬ現場に宿る我が子を思う母の感性

 お母さんが食事作りでたまに失敗し、子供は怒っても次のお母さんの作ったものを食べますよね。
一生懸命大切な人を思っていれば、失敗も何とか許してもらえる範囲で済むのではないでしょうか。
「失敗をゼロに」と言うと逆に身動きが取れなくなります。


時流超流
追悼−小倉 昌男氏 [ヤマト運輸元会長]

需要を創り出した経営者
清廉な人だった。保有するヤマト運輸の株式、時価46億円(当時)は、すべて福祉財団に寄付。
自らは無報酬を貫いた。

小倉氏は、権力をかさに着る官僚だけでなく、現状に甘んじ、企業組織にぶらさがろうとするサラリーマンに
ついても「情けない」と嘆いた。


書評
「偶然を呼ぶ力の条件」 評者 ワタミ社長 渡邊 美樹

「幸福な偶然」をつかまえる  日野原 重明  光文社

 本には2つの読み方があると思っている。
ひとつは本全体を通して、新しい視座を獲得すること。
もうひとつが、短いフレーズでもいいから、自分の一生に残る言葉と出会うことだ。
本書は、私にとって特に後者の役割を果たしてくれた。
 著者は英国の宗教詩人による詩の一小節を引用している。
「天空に大きな円を描きなさい。その円はあなたの代で完成することはできないかもしれない。
 でもあなたはその円の弧になることができる。」
これを読んで、私は自分の人生を通して取り組もうとしていることの意味が明確になり、気持ちが軽くなった気がしている。

  


月刊「現代」 2005年8月号
一流企業を覆う「日本病」の危機  柳田 邦男


危機意識の薄さ、面子へのこだわりや背金を負うことへの恐れ、営業成績・利益追求・効率の金科玉条視といった
企業人の意識傾向は各不正事件の発言にはっきりと表明されている。

 (雪印食品の牛肉偽装事件、三菱自動車大型車欠陥隠蔽事件、東京電力データ改ざん隠蔽事件、三井物産ディーゼル車排ガス浄化装置データ改ざん事件)
  関係者はエリート社員ばかり

1970年代  アメリカ病  品質管理能力の低下、労働モラルの低下があったが、

今やこの国には、あらゆる分野で日本病の汚染が広がっている。

 日本病の特質
  ・危険意識が希薄
  ・目の前で起きたことの重大性に咄嗟に気がつかない
  ・面子や責任を恐れて、対応が遅れる
  ・過去の教訓や、他企業、他業種の事故情報・危険情報を生かさない
  ◎ヒューマンファクターの本質が理解されていない
    人間はミスを犯しやすい動物であり、特にストレスをかかえると、ミスが誘発されやすい。
    処罰によってはミスは防げない。
    厳しい処分はストレスを強め、却ってミスを誘発する。
    むしろ職場の風通しのよい人間関係は、ミスを少なくする。
    人間は意欲や生きがい感が活性化されると、予想外の能力を発揮する。
    経営トップから現場の運転員・作業員にいたるまで、ヒューマンファクターが重要課題だ。

  ◎バーチャル情報と現実の倒錯
    (現場をみないで計器の指示を鵜呑みにする。)
    IT時代の落とし穴であり、ヒューマンファクターの新しい課題だ。

  ・複数の企業によって事業や作業を進める場合に、安全の落とし穴が生じる。
  ・営業成績、利益追求、効率が金科玉条とされ、安全性の厳しい検討・評価が二の次にされる。
  ・世代交代による従業員の価値観の変化、職場文化の世代間伝承の困難化、臨時雇用の多い下請け企業の
   技術力の低下んどの条件が、安全管理計画の視野に入れられていない。







日経新聞 2005年7月7日 1面 働くということ2005 第3部何のためにD 
花咲かすまで15年
夢捨てず自己実現


米経済学者タウシッグは
「好奇心に満足に従事する仕事」は
いくらやってもいやにならないと説いた。


7月6日
日経ビジネス6月27日号より

先週号と書くのがアトサキになってしまったが、この週のダイキンの特集にはうなった。
自分の哲学そのものの経営がなされているのである。
最近日経ビジネスには「人を活かす」経営の観点の重視が目立っており
自分の心を打つものばかりである。
非常に感銘を受けている。

特集
ダイキン工業
驚異の人活経営
 世界に広がる井上イズム


井上イズムのキーワード

人を機軸に置く経営  
  企業の競争力の源泉は「人」。
  個々の社員の「成長したい」という夢の総和が企業の成長となる。

コアマンとサポーター
  役職や年齢に関係なく、最もふさわしく、強い思いを持つ人間が「コアマン」となり、
  それを周囲が支えるという柔構造の組織構造

衆議独裁
  侃々諤々の議論を重ねた上でトップが決断したことを一致団結して実行する。
 「フラット&スピード」の根幹となる手法。

ベストプラクティス・マイウェイ
 ダイキンの伝統や企業文化を最大限にいかしつつ、時代対応の経営手法を模擬ではない形で取り入れ
 独自の経営スタイルを確立する。

帰属意識
 旧来の「家族主義」とは異なり、ダイキンの経営風土に共感して働く人材にチャンスを与え、
 同時にロイヤルティーと帰属意識の向上を求める。


グループ経営理念は社員に向かって宣言されている。
http://www.daikin.co.jp/company/rinen.html


井上社長のインタビューから

 経営手法としてのリストラは認めるけれども、日本において我々は雇用を守り続けるわけです。
 優秀な人材にチャンスを与え、月給はそれほど高くないのに、何か知らないがダイキンで働き続けたいと
思えるような環境・風土を作る。それが社員の納得性につながるなら、変える必要はないという考え方です。

 結局、成長の機会をどれだけ提供できるかだと思います。うちはその人にやり気さえあれば、グローバル展開だとか
 商品開発だとか、テーマが非常にたくさんある会社なんです。

 貢献する人にはより多くのチャンスを与えることで報いる。成果主義がうまくいっていないと言われていますが、
こういうことといわれていますが、こういううことと人員整理しないことをうまく使い分けると、結果として評価の違い
による報酬の差にも納得性が出てきます。約30年間、人事の仕事をやってきましたが、社員の納得性を
どこまで得るかと言ったら、面白い、この仕事がしたいというところへどう誘うかですよ。うちはそれで伸びてきた
きた会社です。

7月5日
日経ビジネス7月4日号より

ラガーマンの眼
平尾 誠二
 神戸製鋼所ラグビー部ゼネラルマネージャー
 
組織を強くする4つの要素。
TEAMの頭文字

T テクノロジー  

E エモーション(感情)   チームの表現力。感情を素直に表現できるチームには一体感が生まれる。
               僕はいろいろな組織を見ると時、「表情」があるかどうかを観察するようにしている。

A アクティビティ
M モチベーション モチベーションは個々のメンバーが自分で高めていかなければならない要素だ。

                  

このエモーションというのが別の記事で出ており興味深い。

特集 反古典の消費学

ウォルグリーンを知っていますか
 誤算にたじろがず散け消費を追う、無敵の「先深」哲学

安売りウォルマートよりも高いのに増収増益を30期連続の脅威のドラッグストアチェーン

ウォルグリーンは「顧客の心を理解している」などと、勝手に思い込んだりはしない。
逆に謙虚に「分からないから理解しようとする」努力を惜しまない。
この会社の基本原則の柱の一つに
「Emotions(感動)」がある。
顧客の共感をいかに得るかを重視しているかの表れだ。

誤解でも効果上がった例
・レジ精算時間の短縮 → レジ街行列の有無の方が重要 → 3人以上の列ができたら新たにレジをひとつ開ける
・ドライブスルーを開始(シニア客を狙う) → 実際に増えたのはワーキングママやビジネスマン
・24時間営業を開始(夜間の来店客を狙う) → 実際に増えたのは昼間の客 「ウォルグリーンならいつでも店が開いている。
                               店舗の24時間化は顧客に、そんな安心感を与えたようだ。信頼を通じて、より身近な
                               存在となり、他社から顧客を奪ったのではないか」、そうバージェス氏(全米総括役員)は分析している。

                                (ふーーん、そんなもんかなあ。このからくりだけはよく理解できなかった)


バージェス氏(全米総括役員)が語る
 顧客を知る、その過信こそ怖い

  当社のマネージャークラスは平均勤続年数が20年を超える。
  離職率が業界でずぬけて低い。
  顧客の心をつかもうとすれば、現場の社員の心をつかむことから始めなければならない。


連載
決戦 テレビ最終戦争

シャープの町田社長
 亀山第二工場の方針決定で第八世代で世界最大に挑む選択をした理由について

  目をつぶってでもできる第6世代の工場を新設しても、社員のモチベーションは上がらない。
 亀山で、天理で技術屋の顔を見ていると、メーカって経営の安全だけが命じゃない、こいつらの
 モチベーションこそ財産なんだ、と腹をくくりました。


ひと列伝
 植松 豊行 氏 
  松下電器産業 パナソニックデザイン社社長

 デザインは「我々はこうありたい」と伝えるメッセージである。

 植松がいつも口にする持論がある。
 「デザインとは人であり、マネジメントである。
 デザインマネジメントは方向性とミッションの管理が重要。
 同じデザイナーでもマネジメントの違いで描くデザインはまったく異なってくる」

 「スケッチには名前と日付を書きなさい」

 「平等から公平へ、依存から自立へ」人事評価制度に手をつけた


世界鳥瞰 
躍進するロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)
製造業から学んだ成功の秘訣


スミス氏によれば優れた調達とは取引先の納入業者と密接に連携すること、
個々の価格よりも調達プロセス全体を重視して最適化する方法を探すことだという。

「納入業者を冷たくにらみつけるのが調達ではない。
 我々は納入業者にまともな利益を上げてもらいたい。
そうすれば我々が彼らを必要とする時に応じてくれる」とフィッシャー氏。

6月26日

日経ビジネス6月20日号より

技術&イノベーション
道路・線路両用車
「線路を走るバスが地方を救う」


DMV(デュアル・モード・ビークル) JR北海道が開発

「これだ!これならレールにすっぽりはまる」 車がレールを走るという発想の転換だ。
(それまでは列車が道路を走るという概念しかなかった)


編集長インタビュー
安部 修仁  (吉野家ディー・アンド・シー社長)
「不条理が身に染みる」


経営は単年度の決算で決まるものじゃありません。3年後、5年後の吉野家にどのようなブランドイメージを
もたらすかも考慮しなければなりません。同じテーマについて、短期的に判断したら右へいくけれど、長期的な
視点に立つと左が正解だったという話はよくあります。
 重要なテーマほど、こうした傾向が強まります。


 もし同意が得られなければ、私がやめればいい。明々白々で経営しようと思ってます。

(あくまで米国産牛肉でなければ吉野家の牛丼ではないとのスタンス。)

これだけ社長がしっかり言っているのは「すごい」と思ってHPを見てみると
しっかり書かれてあった。
企業文化をこれだけはっきり打ち出しているとはスゴイ、見直した。
「飽きない」料理を追及している。

http://www.yoshinoya.com/about/culture/index.html


特集 御巣鷹山事故から20年
JAL 現場不在に咎(とが)

JAL整備工場で感激したのが3年前
http://homepage2.nifty.com/shigamatsu/Report/JAL/JALmaintenance.htm

このとき説明してくれた酒井部長が記事中にも登場してくるが気の毒な感じすらある。

経営の問題というのがよくわかる。
航空業界の合併は失敗すると言われているらしいが、JASとJALの合併はお互いのよさを
消してしまったようですらある。

組合との関係がよくないというのも不安。
これからJALへ乗る気がなくなってしまうほど、この特集内容は厳しいもんだった。

整備士がケーブルを切る事件があり、その後、監視カメラで作業をチェックしているという
背筋が寒くなるようなことをやっている。

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5月下旬、……、この日、国土交通省が査察に乗り込んできた。
相次ぐ整備ミスが発覚したJALは今、監督官庁の厳しい監視下におかれている。
だが、整備現場を覆う緊張感は、そんな外部の視線だけが原因ではない。
監視カメラ14台--。
JALは徹底した管理体制で、整備士の動きをチェックする。
「作業現場に警備員まで動員して監視している。まるで監獄のようだ」(整備士)
経営幹部と現場、互いの不信感は根深い。息苦しいほどの管理体制は、今年起きた
一連のトラブルに対する処置ではない。
2000年夏のこと。羽田と成田でジャンボ機の配線が切断される事件が起きている。
どちらも、整備関係者が故意にカッターで切ったと推定された。
「強い衝撃を受けた。会社の尊厳を傷つける行為だ。」(東京空港支店マネージャの黒田篤)
非常事態と判断した会社側は、監視カメラを配置するとともに、克明な作業記録を残す
「トレーサビリティー(履歴追跡)システム」を導入した。
それでも、事件が後を絶たない。昨年1月、再び羽田で旅客機の配線が切断されている。
「これはミスじゃない。質が悪すぎる。見えないところで、とんでもない事態が進んでいる」
JALグループ会社のトップはそう唸った。
背景の1つに長引くリストラが挙げられる。

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ただ、新町敏行新社長は御巣鷹山事故に原点回帰を求めて行動を開始している。
現場を回り、20年前のフィルムを社員に見せ、意見交換行っている。
衝撃的な映像を見せられて関係者は新たな思いを抱いている。

業務改善命令を受けたJAL。
今後の復活に期待したい。

経営理念などの書き物はJALの方がやたら詳しい感じだ。
ANAの方がすっきりしている。
あとはこの浸透状況の比較ができれば面白そうだ。

http://www.jal.com/ja/corporate/rinen.html  LALの理念

https://www.ana.co.jp/cp/rinen/index.html   ANAの理念

しかし上記吉野家のものの方がよかった。



日経ビジネス6月13日号より

ひと列伝 林 文子氏 (ダイエー会長兼CEO)
もてなしの心で貫く再生」

これを読むまでは林氏のことをほとんど知らなかった。
なるほど。
この人は軸がブレていない。
人に尽くす、顧客だろうが社員だろうが分け隔てなくおもてなしの心を持って対応する。
それでずっとやってきた。本物だろう。

松下電器→結婚退社→ホンダセールスマン→無理たたり病気退社→BMW東京事業部

 →ファーレン東京社長→BMW東京社長→ダイエー会長

  相手に対して最高のおもてなしをするという林の哲学は一貫していた。


報告、連絡、相談は上司からするというのを持論に自分がどんな人間であるか理解してもらえるよう、
 仕事以外のことも含めてさまざまな場面で語り続ける。

  → 自分から進んで情報発信というのはまったく同じ考えを持っており実践しているつもりだ。


「人の温かさ、やさしさ、友情が一番大事です。社長であろうと、メカニックであろうと仕事の重さは一緒。
それぞれの役割なだけですから、私もチームメートの一員として仲間に私はどうやって生きていて何を考えているかと
いう生の自分をさらけ出し、どれだけあなた方の存在が会社に大切なのかということを正直にぶつけていきます。
するとみんな元気になるんですよ」
 
 林が回った店舗は売り上げが伸びるそうだ。幹部から、林が行った後、売り場が元気になるからドンドン行ってくれと
言われている。

ダイエーは今まで、店舗、商品、資本を数の論理で優先してきたが、林がトップになれば個をみつめる「人」中心の企業に
なるだろう。モチベーションが上がればきっと成果が出る。


ケーススタディ 東芝 ノートパソコンの王者、出直し改革

米国のHP社の安売りに対抗すべく取り組んだ
西田専務(当時)の陣頭指揮の物語

・高級モデルも普及モデルも両方やる。
 高級モデルに絞る戦略は、規模の大きさを捨てることになる。
 世界で勝負する東芝にとって縮小均衡という選択肢はありえない。

・「利益か」シェアか、性能かコストかという二者択一の問題ではない。
 相反する課題を同時に解決できなければ、HPやデルには勝てない」

 → 現在、二律背反を同時に達成しなければならないのはいずこも同じ。
    AかBか?とどちらかをとるのではなく、両方を達成する意欲こそがブレイクスルーを起こすのだ。
   あきらめてはいけない。  最近つくづくそう思う。

「世界主意だった頃の成功体験を引きずり、自分たちが最先端だと過信している。
 東京の端っこ(青梅事業所)でマイペースで仕事をするのに慣れ切って、世界の競合相手をみようともしない。」

「青梅」事業所では調達部門と設計部門が、ずっといがみあってきた。設計部門で何をどのメーカから買うかまで
 決めているから、調達部門の力が発揮できない。これではコスト削減に限界がある」

・徹底的に品質や性能を追求する姿勢はものつくりの上で極めて大切だが、度をこせば、単なるコストアップ要因に
 なりかねない。


「第一線の設計者20人を、調達部門に異動させてほしい」 田中資材調達部長が西田に直訴。
設計部門と強いパイプがある技術者が取引先と交渉すれば、取引先は目の色を変えて提案してくる。
それだけで数十億円のコスト削減効果が得られる。
  
 2004年4月に「開発購買グループ」が発足し、期待どおりの効果を上げた。
・設計と調達の担当者が協力して、数百以上の部品の機能やコストを洗い出し、できる限り共通化するように見直しを進めた。
キーボードやコナクタなどの部品点数が1/3も減った。

 → 外注費は原価の大半を占め、人件費よりもかなり大きい。ここを効率化することがいかに大事かということを
   示してくれている。技術屋と購買屋が一体となること。この効果は想像以上に大きい。
   今の資材は競争で下げることしかアイディアがない。それでは下層に我慢させているだけでWinWinではない。
   まさに二律背反の達成。WinWinを目指す姿勢こそが大事だとつくづくと思う。

西田専務 (次期社長)   競争相手を明確にベンチマークしていなかったことだ。

異論正論
コンプライアンス
 形だけに「法令順守」はかえって過ちを招く

 桐蔭横浜大学法科大学院教授 郷原 信郎

日本では建前と本音、実態にギャップがあり、司法が十分機能していない。
にもかかわらず、法令違反をした場合はマスコミによる糾弾を含めてペネルティが大きい。
だから、コンプライアンスというと「法令を守れ」となる。
しかし、守ろうとすると逆に弊害を招くことも多い。
企業不祥事は社員を厳しく管理しているところで発生している。
企業は本当に取るべき対策ではなく、法令に違反しないよう小手先の対策を講じるからだ。



様々な事態に対応するという意味では、それぞれの守備範囲がきっちり決まっている野球型はだめで、
サッカー型の柔軟なフォーメーションが必要だ。
 単純に「法令を遵守しろ」というコンプライアンスでは、上がいくら命令しても問題は解決できない。
問題が起きた時、根本の原因を突き詰める姿勢で臨まないと、同じような不祥事や事故が再び起きる。


6月16日

「キャノンの人事革新がすごい
 伊藤 晃  (株)日本能率協会コンサルティング シニアコンサルタント


  この本の感想文は詳しく書いているが、ひとことにふさわしい箇所があったので、こちらへ載せておく。

 P124 理想を高く持ちマンネリを防ぐ

  新入社員1年も経つとマンネリ化し始める。(私は同化してしまうという表現を使うが)
 ベテラン社員がいつも忙しく働いている状態も一種のマンネリと考えた方がいい。

 こういう仕事のやり方では革新は起きない。知識創造も起きない。
 働きすぎは大きな効率ダウンになってしまうのである。
 肝に銘じよう。


 P130  人知れずミッションを果たす − 使命感が最大のセルフ・モチベーションである

      そうだ!そうだ!その通り。高い使命感を持とう!!!!

 P176  「教えることは学ぶこと」である 

       聞いて理解するのと、自分で説明するのとでは、求める理解の深さが一段階異なるし、
      教えてみて気づいたり学んだりすることも多い。

 
 「六十にして立つ」 技と心 頼られ輝く 
 日経新聞 6月6?日 1面 働くということ2005 第2部 壁に挑むC

…前略
 会社時代は営業・企画畑で、専門技術がないことを悔やみもした。
 だが未知の問題を思考錯誤で解決するのがゼネラリスト。
 開き直って走り続けるうち、ビデオ作製、デジカメ教室など20を超す仕事を担当。


日経ビジネス5月23日号より

ラガーマンの眼
平尾 誠二 神戸製鋼所ラグビー部ゼネラルマネージャー

 
「共感できる目標」の大切さ

実現したい、実現したらすごいという強い思いが、人を動かす力になる。
高すぎる目標を立てれば、達成できなかった時のいいわけを最初に考えて
しまうだろう。リーダーに求められるのは、目標を達成することがどんなに
素晴らしいかを組織の全員にイメージさせる能力だ。目標を達成した時の
姿を想像するだけでワクワクし、身震いするくらいの感覚を全員に植えつけ
られれば、組織は最大のパワーを発揮する。

5月30日
なかなかハッとする一言にはめぐりあえなかったが久々によかったのが
藤原先生のインタビュー記事。

原子力文化 2005年5月号
インタビュー 
藤原 正彦 数学者、お茶ノ水女子大学理学部教授
教養は読書以外では身につかない

リーダーなる者や家庭において、学校においてきちんとした子供を育てたいと思う人たちは、
大局観や長期的視野が必要です。それには教養を身につけるしかない。
 そして、教養は読書以外では身につかないということです。
テレビやビデオを何時間みても、インターネットを何時間やっても、教養は身につかない。
本を読んで活字を一個一個追う、この苦しみ以外には身につかないということです。
そのためにがまん力、それから国語の力が必要だということです。

……
書けなくてもいいから、読めるようにする。そういう徹底的な国語教育をすることです。
 そうしたら、知的レベルがワンランク上になりますから、算数も理科もみんな上がりますよ。



「読み書き算盤」 読みが人間としての知的活動で最も重要である。その次が書きである。
その次は計算である。


今の国語の先生は「読みと書きと話すと聞く、この4つが平等に重要だ」と言ってますが、とんでもない。
話す、聞くは全然重要じゃない。ウェイトでいうと、小学校では読みが20、書きが5、話すと聞くは1,1、
こんな程度です。


 

5月3日
なかなかすぐに書き留めていないのがイカンなあ。
それでもマーキングして残しているので遅ればせながら書いておこう。

日経ビジネス 4月18日号から

ひと列伝 
中西 浩一 オンリー会長(メンズブティック)

商売というのは人に好かれなあきません。
好かれる人間は、人が引っ張り上げてくれる。
そのためにはお客さんの気持ちをよう知ることです。
気配りというかおもてなしの心が大切ですね。

中西にとって掛け替えのない3人目の師、宗教家の菱田滋証は
「会社は自分のエゴのためでなく、世の中のためにある」
と中西に説いた。
だからだろうが、中西は世襲経営に否定的だ。


経営と芸術
芸術力で顧客をつかめ
シーン構想力
架空の女性の1日から描いた店づくり

遠山 正道 スマイルズ社長

(数字よりも情景が主役)
 
遠山社長は企画書を記述するに当たって、収支予想や市場分析といった
無機的な要素を前面に出すのではなく、
事業を始めたときに起こる社員や顧客の姿が映った情景を展開していく形に
こだわった。
…中略
 まだ事業は始まっていないのにもかかわらず、
すでに成功し、社員や顧客が満足していることを思い浮かばせる文章で埋まっている。
新規事業の企画書ににありがちな収支や市場規模などの表や図はなく
情景の中に数字がそれとなく記載されている。

(感想)
こういったプリゼンをを聞かせてもらえるのは非常に楽しい。
この文章を見たとき衝撃が走った!
ぜひ、こういう情景、シーンを思い浮かべるようにして
ビジョンの具体化に努めたい。



敗軍の将、兵を語る
PHSで競合の戦略に敗退

坂本 隆司 NTTドコモ常務

一番端的に表れたのが、定額サービスなんです。
実はドコモでは、PHSの定額制サービスはあまり考えていなかったんですね。
結局PHSは無線です。
各家庭に入っている有線回線ならともかく、
限りある無線回線を占有してつなぎっ放しにするなんてありえないと思っていたんです。
ところが2001年DDIポケットさんが「パケット方式」を使って定額制を投入してきました。

 これは非常にショックでしたよ。
パケット方式はデータを細切れにして送受信する仕組みなので、
回線を占有せずに定額制を実現できるからです。
しかし、この技術を使うには、基地局の高い処理能力が必要になる。
DDIポットさんにできても、ドコモの小さな基地局では無理でした。
最初の設計の違いが、ここへきて大きな差になってしまいました。

前述
 PHSはコードレス電話の延長ですから、(ドコモの場合)1つの基地局が
カバーする半径は100m程度なんですね。それに対して携帯は2kmとか3km。
また、DDIは携帯に近いサービスを狙っていたので、半径500mをカバーするような
基地局を最初から作っていた。


(感想)
電力会社のPHSも携帯との棲み分けで進めた事業であったが失敗した。
データ通信PHSで生き残りをかけたドコモであったが
DDIのPHSパケット定額導入の前に撤退を余儀なくされた。
どうも電気事業も同じようなことがあるのではないかと思えてきてしょうがない。
そう思いついたときに書いたのが以下のメモである。

PHS事業でメシが食えると思っていた。
それほど携帯電話の料金が高かったからである。

それがどんどん値下がりしてついにはPHS事業が成り立たなくなった。

これは電力の新規参入者にも言える。
昔の電気料金は高く見えた。
自分たちはもっと安い発電供給ができるので商売になるとおもった。

しかし電力会社は必死で効率化を行いどんどん料金を下げた。
すると新規参入者は歯がたたなくなってきている。
おまけに石油、石炭の燃料代がどんどん高騰している。

通信事業と同じようなことが起こっている。
一番喜んでいるのは安くなり便利になったお客さんである。

しかし自由競争で乱立気味のそれぞれが設備投資をしてムダになることこそ
国家としてはもったいないことである。

4月19日
 ずいぶんサボってました。いい言葉はたくさんあったんですが…。
 まとめて掲載します。
      
日経ビジネス 特別編集版  2004.12.6号
本番、ポスト成果主義 

GE成長の立役者が語る
リーダー育成法

ミシガン大学教授 ノエル・ティシー

P36
 残念なのは、企業を良くするのは経営者ではなく、企業統治が大切という
議論ばかりが先行していることです。社外取締役を増やしたり、監査を厳しくしたりと
組織を固める動きが強まっています。それは大切なことですが、本当に人材を伸ばして収益を
高めるのは経営者の役割です。

P37
好循環を作ることと並んでティシー教授が力説するのは「教える視点」を持つことの
大切さだ。自身がリーダーとなれば、必ず自身の考えや働き方を仕事や研修を通じて、
他人に教える機会が出てくる。自身の持つ技量と、それをうまく人に伝える技量は異なる。
名選手が名監督になるには普段から教える視点を意識することが、リーダー教育には
欠かせない。




日経ビジネス 4月11日号から

水越 浩士 神戸製鋼所会長

日経ビジネス 4月11日号 有訓無訓
「等身大の情報集め徹底議論できる社風を」

人は「自分の話をきちんと聞いてくれた」と感じれば、異なる結論が出ても、
同じ方向にまとまっていくものです。




鳴海 智恵子 ルミネCS推進室長

 特集「流通敗群」

作業没頭は好ましくない

自分の持ち場で、脇目も振らず担当の仕事だけをこなせばよいわけではない。
写真2枚とも、スタッフがレジカウンターに集中。通路やショップ入口に完全
に背を向けており、お客に気づきにくい。お客は無視されたと悪い印象を持つことがある。
改善点:作業をしてい時も5秒に1回は顔を上げ、周囲の様子やお客様に気を配る。
… お客への対応を最優先に考える。
笑顔でアイコンタクト、挨拶によるコミュニケーションを取る。

「笑顔(^◇^)」もしごきでたたき込む。 花崎 淑夫ルミネ社長


 緊急連載
「銀行晩鐘 − 西川義文とその時代1」

三井住友銀行は、税金や公共料金などの伝票を仕分け、集計する収受業務を
UFJ銀行に委託している。…UFJの前身である三和銀行にこの業務を委託していた。

……
だが、徹底した効率化(外部委託のこと)一歩間違えれば命取りになる。
事務企画の担当者には、いずれUFJ銀行が業務委託の解消を申し入れてくるのではないか、
という疑念が脳裏をよぎった。三菱東京銀行との経営統合に横やりを入れたのは、
ほかならぬ三井住友銀行なのだから。
 税金の納付は5月末から6月上旬にピークを迎える。
ここで業務委託を解消されたら、税金の納付業務が破綻してしまう。


世界鳥瞰

初めて明かされる「考える週」の全貌
ビル・ゲイツは何を読むのか?

「Think Week」と称して山小屋に1週間こもり
100編以上のレポートを読破してビジネス戦略を練るビル・ゲイツのことを
知り感銘を受けた。


日経ビジネス 4月4日号から

特集 社員を満たす会社
未来工場 休暇140日・残業ゼロで高収益
創業者、山田昭男(現相談役)の信念

「経営者の最大の仕事は社員の不満を取り除くこと。
人間はなるべく働きたくないんだから、それに応えることがやる気につながる。
しかも工夫して労働時間を減らすのにカネがかからない」


「給料だけで満足させるには限度があるし、カネはすぐに既得権益になって効果が薄れる。
年収2000万円のパイロットだってストライキするんだから」



味の素 ダメ工場を再生した「正直指導」

「人間は夢や希望があるからこそ、厳しい環境にも飛び込める。
仕事の内容が辛ければ辛いほど、リーダーはその意味を正確に伝え、
同時に将来に期待を持たせる努力もしなければならない。
そうすれば、社員も自然とついてくる」

ネットトヨタ南国 一体感をもっと高めよ。社員満足を最大化する新日本的経営

自動車販売の事業を父親から継いだ横田は、早くから自分が会社を経営することの意義を
自問自答していたという。その答えを「自分の会社に集まってくれた社員を幸せにする」
ことに見出した。

どんなに周到なマニュアルを用意しても、「やらされている」と感じる人間に顧客を感動させる
ことは出来ない」。社長の横田英毅はこう指摘する。


「エモーショナルな資産」を増やせ 
伊藤 邦雄 一橋大学副学長・商学部教授

これからの企業経営には、再び社員の一体感を高めることが求められる。
かつて日本企業には、運動会や慰安旅行などの行事があった。
形骸化したと否定し、多くの企業が打ち切ってしまったが、実はこれらは一体感を醸成する
ための知恵のひとつだった。
米国の経営者がよく社員を集めて大きなイベントを開くのも、一体感を高めることの
重要性を理解しているからだ。1/3


日本通信 家族のように仕事する「外資」

「サバティカル休暇」制度(2002年〜)
勤続年数5年ごとに1ヶ月の長期週休休暇を与えるというもの。
「仕事から完全に離れる」(社長の三田聖二)ことを目的とするため
休暇中の出社はもとより、電話やメールで会社に連絡することも禁じている。
規則を破った場合は即、休暇を打ち切らせるという徹底ぶりだ。
専務人事統括の藤澤政隆は「休暇は仕事への集中力を高めるために重要。
コストをかけずに社員の士気を向上できる」と話す。



リクルート 「士気」を新規事業の検討材料に

リクルートでは最近、新規事業の案件を役員会で検討する際、収益性だけでなく、
その事業に参加するスタッフのやる気や喜びにつながるかどうかを真剣に話し合うようになった。


3月3日
カルロスゴーンが語る  
日経ビジネス Associe 2月15日号 「エクセレントリーダーへの挑戦」

「女性に魅力ある組織を目指せ」

男女を問わず、仕事と家庭のバランスを保つことは大切です。
頻繁に残業して、いつも夜遅く帰宅する社員をよく見かけますが、
これは極めて非生産的な行為です。
仕事と家庭のバランスを崩して、やがて家庭が崩壊してしまうからです。
繰り返し言いますが、勤務時間の長さはそれほど重要ではありません。
時間の長さにかかわらず、会社に貢献できていれば問題ないのです。


平尾 誠二 神戸製鋼所ラグビー部ゼネラルマネージャー
ラガーマンの眼  日経ビジネス 2月21日号

「人を見る”目利き”になろう」

 「あのコーチや監督は選手のことをきちんと見ている」
そういうメッセージが全員に伝わっているチームは強い。
恐らく、企業社会でも同じことが言えるはずだ。
売る上げや利益だけでは示せない組織への貢献度を評価できる”目利き”は、
どれほど精密に定量化した評価制度よりも組織のモチベーションを高められる。
目利き役が存在するかどうか、人の成果を見極め、組織力を高めるカギとなる。




2月25日
大塚 実 大塚商会相談役名誉会長
日経ビジネス 2月14日号 有訓無訓
「勝てない戦はしない 骨の髄まで心配性たれ」

戦の鉄則はエネルギーを1点に集中することであり、一番ダメなやり方が兵力の逐次投入です。

徹底的に心配し、いつも不安にさいなまれているからこそ、次の一手が打てるようになります。

石川 俊夫 大倫企業社長
日経ビジネス 2月14日号 小さなトップ企業

社員がやる気を持って仕事することが、不良品を防ぐ一番の方法

2月15日

農作物の工業的生産 経験と勘が新技術に結実 日経ビジネス1月24日号 技術&イノベーション

三洋電機(三洋アグリカルチャー)の野菜工場についての解説。
2億円の投資で2010年までに60億円の売り上げを見込む。すごい。
中食、外食産業の隆盛でトレーサビリティ野菜の需要がある。
成功しそうに思えた。


富士ソフトABC 荒ぶる「ハイエナ経営」 日経ビジネス1月31日号 ケーススタディ

急成長の富士ソフトABCの野澤氏の言
「ハイエナが好きでしてね。格好は悪いけど、まじめで協調性があってよく働く。」
「ライオンは昼間から寝ているし、獲物だって食い散らかす。それに比べてハイエナは、
残さずきれいに食べますからね」


野澤は過酷な状況に追い込まれたことで、ある確信を抱くようになる。
「成長マインドを失うと、組織はよどんでしまう。常に攻撃的な姿勢で臨まなければダメだ」

突撃営業で取り戻しつつある獰猛な社風を、全社に根付かせる。
そのために野澤はあえて無謀とも思われるハードルを設定した。

大手のソフト会社ではなく機会があればこの会社を使ってみたいという気がしている。

新免震システム「パーシャルフロート」 日経ビジネス1月24日号 技術&イノベーション

免震ゴム構造ではなく、水に浮かせて地震力の伝播を緩和するというすごいアイディア。
清水建設が開発した。
10階立てまでが限界だが、感覚的にわかりやすい。
あとは水が抜けないようにしないといけないが、周囲に地下水があれば一定量に収まるので
大丈夫。
耐震設計はいろいろ知っているがこれには思わずひざを打った。



1月18日(火)放送 クローズアップ現代
自治体 vs ITゼネコン

地方自治体の行政事務を支えるコンピュータ・システム。その市場は"ITゼネコン"と呼ばれる大手コンピュータメーカー数社が独占してきた。こうしたメーカーが納入する大型コンピュータは、プログラムが非公開で、他のメーカーが保守や改修に関わることができない。このため競争入札が行われず、自治体は高額な保守・改修費用をコンピュータを納入した大手メーカーに払い続けているのである。
今、こうした関係は不透明で、税金の無駄遣いだという批判が高まり、プログラムを公開した新しいコンピュータ・システムを導入することで、ITゼネコンとの関係を見直す自治体も出てきている。番組ではシステム調達をめぐる構図を検証するとともに、自治体で始まった改革に迫る。

1月18日
組織が人を壊す時 日経ビジネス1月3日号
特集 さらば!人減らし経営
 ボーダフォン − 情報断絶で迷走
 会社の成長になくてはならない貢献をした幹部社員が、組織の変質を理由に職場を去った・
 「写メール」開発の立役者である高橋慶二サービス開発部長が、「組織が人間的なつながりを
 失ってしまい、目標に向かい一体となって進める状況になくなった」という理由で会社を去った。 
  …
 上司は「君の仕事は管理専門だから、開発の手助けをする必要はない」と言います。
 外資ならではの考え方かも知れませんが、理解できなかった。たとえ他部門であっても、
 困っていたら手を貸すのが当たり前じゃないでしょうか。

 …
 2001年以降、ボーダフォンの資本が段階的に入るにつれ、組織が細切れになった。
 最後は他部署の言っていることの意味がわからないほどの状況でした。
 彼らは各部署にミッションを割り当て、それを全部門が達成すれば、総和として会社が発展するという
 デジタルな発想をします。
 しかし、日本には、人的つながりが生まれる土壌を作り、そこから育つアイディアを生かすアナログ路線の方が合う。


新春特別対談 日経ビジネス1月3日号
 ラガーマン 平尾 誠二氏 VS 玉塚 元一 氏

 平尾氏
  ラグビーでも、人の育て方が変わってきている。今は個人の強みと弱みを見極めて、強みをどうゲームに生かすかを
 考えるようになってきている。
  例えば、走るのは得意だけれどタックルは苦手という選手がいた場合、昔はタックルの練習をさせて鍛え上げてから
 試合に出していた。
  ところが、個人の力を底上げするやり方では戦力化するまでに時間がかかってしまう。
  それまで試合に使わないのですから、非常にもったいないわけですよ。
  それよりも、弱みであるタックルはチームの他の選手が補って、走りの面で勝利に貢献してもらう。
  このように長所を持ち上げて試合に使っていると、自然と欠点を直そうという意欲が出てくるんです。
  すると直りも早くなる。悪いところを指摘して「ここを直せ」と言っても、なかなか主体的に努力しないですから。
  これが人材活用のあり方になると思っています。






1月1日

デザイン経営  日経ビジネス2004年12月20日・27日号
イノベーションはこう起こせ!
サムソンを変えた米国人が日本企業に贈る5つのアドバイス

IDEOゼネラルマネージャー トム・ケリー氏 (「The Art of Innovation」の著者)

1 感情を移入して観察せよ
2 外部との情報交換が頭を柔らかくする
3 イノベーションは障害物競走だ
4 大胆な強力・提携が社内を活性化する
  ……
   儒教的文化を持つ大企業であるサムスンに、抵抗と摩擦がなかったわけではない。
  しかし、優れたコラボレーションは、「柔術」のように、反対勢力を強力者に変える。
  彼らに必要なのは、説得と納得のプロセスだ。いったん納得すれば、彼らは最高の味方になり、
  誰よりも熱心にプロジェクトに協力するようになる。
   コラボレーションには、納得のプロセスを踏める人間が必要だ。険しい岩だらけの海岸を行く船(チーム)
  にとって、こうした人材、コミュニケーターは海路を照らす灯台なのだ。


5 チームビルディングは夢の共有から
  ……
   プロジェクトチームを活性化したいと思う時、メドトロニック(心臓のペースメーカーのシェアトップを誇る米国の
  大手医療機器メーカー)の経営陣は、同社の製品を実際に使っている患者を招いて「わが社の製品があなたの
  人生をどう変えたか、話して下さい」と依頼するのだという。年配の患者の場合は、その子供たちを招く。
   その効果は劇的だ。病に苦しむ人々が人間らしい生活を取り戻した話は社員の涙を誘わずにはおかない。
  患者の体験談は、自社の顧客のために、精一杯努力しようという前向きなエネルギーをチームに与えてくれる。
   社員と夢を共有している会社は、様々なメディアを使って、メッセージを発信する。ビデオ、体験談、アニメーション、
  時には漫画。。もっと多くの感動を共有したいのだというメッセージを現場に伝える労を惜しまない。
   数値目標に意味がないとは言わない。しかし、夢の共有ほど社員を動かし、プロジェクトに新しい息吹とエネルギーを
  吹き込む手段はない。
   日本企業の経営者の皆さん、あなたは社員にどんな夢を伝えていますか?



2004年

2003年